風信子(ひやしんす)の☆本の紹介&エッセー☆俳句

濫読・雑読の風信子(ひやしんす)が気の向くままに、お気に入りの本を紹介いたします。

4月14日、今日、紹介する本は『天上の虹 持統天皇物語』 里中満智子 著作です。

2005年04月14日 | ☆ひやしんすの☆好きな本の紹介♪


風信子の通っていた高校は図書館の蔵書数が豊富でおかげで放課後は本を堪能した。
新しい本も沢山、増えていくし、並んでいる背表紙を見ていくだけで幸福感で満ち足りていく。

美しい歌舞伎の名場面集などをのぞいていると、外国へ向いていた気持ちが、次第に日本について知りたいという風に変わっていくのであった。歴史の本も良い本があり古代史に夢中になりました。
けれど、飛鳥や奈良を描いた歴史小説は少なくて・・・続く
 ちょっと、また
夜中に続きを更新したのにアクセスがなんたら~とかで、上書きできなかったね!! 皆、夜中にしか出来ない人が多いと思う。できるだけサービス向上に努めて欲しいヨ。一時過ぎまでかかって文を練っていてUP出来ない悲しさを考慮してよ。抗議のメールが殺到するのもわかるよ。でも、それを、抗議するほうが勘違いしているんじゃないと批判する人もいるし、親切な人は更新する前に、文章をメモ帳でコピーとっておくといいよって教えてくれる。だからアタシもそうしていた。 疲れるわあ。便利なつくりがブログなんだから頑張って!! ネッ♪

ということで続きです。
けれど、飛鳥や奈良を描いた歴史小説は少なくて、素敵なものを読んでみたいなあと思うのでした。黒岩重吾氏などの「天の川の太陽」などで壬申の乱を取り扱った歴史小説はありましたが、男の視点だけで描かれているので、女性が類型的で魅力的でないのでした。たとえば、十市の皇女(とうちのひめみこ)が、夫と父が戦うと聞いてヨヨと泣き伏すとか・・・。まったく旧弊な女性観だ。彼女は、父に内通して封書を川魚の腹に詰めて情報を送ったとか歴史家が書いていたぐらいの女性である。もっと、映画:「間諜X27」の主演女優であるマレーネ・デートリッヒのようなタイプで書くとかするとかサ。フフフ古いけど良い映画だよ。

それから永井通子さんの「穢土荘厳」によって、天平時代が華々しく書き起こされた。待ってました!とアタシは期待した。しかし、さすが吉川英治の愛弟子と世間の評価が高い割には私にはピンとこない作品だった。そりゃ、永井通子先生は歴史小説においては評価の定まった大人サ。しかし、あれだけ魅力的な題材を取り扱いながら、資料を散りばめるのに精一杯って感じは否めない。

読んでいて、良く調べたわねえと思うのだけど、主人公を含め登場人物の性格が画一的だ。繊細な感じがない。映像が立ち上がらない。本当に凄い歴史小説は読んでいて全てが私の脳裏に映像化される。吉川英治にはそれがあった。ああ~。

もう匙を投げた。古代史を取り扱った歴史小説には期待しない!! 
と思ったときに、里中満智子さんの素晴らしいスペクタクル歴史漫画の登場である。ダイナミックで、怒涛のような時代の動きに、数多くのヒロイン達が実に生彩を放つ。そうだ、ダイナミックさにおいて既成の歴史小説は欠けるのだ。血沸き、肉躍るって感じじゃないなあ。俯瞰も足りない。と思い込むのはアタシの勝手でしょう

『天上の虹』1984年末に連載が始まったらしいが、大化の改新の場面あたりから書き下ろされて、現在(2005年)も執筆中であり、既刊が単行本にして19巻まで刊行中という長いもの。やっと、持統天皇の譲位あたりまで筆は進んできて最終章くらいには来ているものの、年に一度、新しい巻が発行されたら御の字という待たれる作品です。

この本について、もっと詳しく知りたい方は↓のリンクからどうぞ。
『天上の虹 持統天皇物語』1~19巻 里中満智子 著作