風信子(ひやしんす)の☆本の紹介&エッセー☆俳句

濫読・雑読の風信子(ひやしんす)が気の向くままに、お気に入りの本を紹介いたします。

4月16日 今日、紹介する本は『勇魚(いさな)』 C.W.ニコル著作です

2005年04月16日 | ☆ひやしんすの☆好きな本の紹介♪


1995年に日本国籍を得たクライヴ・ウィルアム・ニコルさん。現在は黒姫山の
アファンの森の自然を保護する活動を続けておられます。

勇魚(いさな)とは、鯨のこと。江戸末期、アメリカの捕鯨船は大体749隻。油(オイル)を取るためにだけに捕鯨が盛んでした。僕が捕鯨の歴史を小説に書かないといけないと思ったのはこうした事実を伝えるためだと、ニコルさんは『野生の呼び声』で開高 健さんとの共書で語っています。

だから、アメリカの反捕鯨運動は、反捕鯨ではない。反日本運動であったと。
メディア・マニュピュレーション(マスコミ操作)のエキスパートにより、巧妙にしくまれたものだったらしいです。事実は、アメリカが大量に鯨を殺戮したから数が減ったのだということ。にもかかわらず、日本のせいにされた。そのことを言うニコルさんには、脅迫状がドスンと来たそうです。ニコルさん、とても腹が立った。よし、それならば本当のことを書いてやろうと思った。しかし、その怒りを過ぎると・・・。ニコルさん思った。駄目だ、やはり文学にしなくては・・・。

出来上がった幕末から明治へかけての捕鯨をからめた歴史小説は、是非、映画化して欲しいと思うほどの仕上がりであった。もっと、話題になってもよさそうな大作であると思う。



この本について、もっと詳しく知りたい方は↓のリンクからどうぞ。

『勇魚』 C.W.ニコル 著作