風信子(ひやしんす)の☆本の紹介&エッセー☆俳句

濫読・雑読の風信子(ひやしんす)が気の向くままに、お気に入りの本を紹介いたします。

ビター(苦味)をちょっぴり 1回目 養老先生を斬る!

2005年04月20日 | ☆エッセー☆ビター(苦味)をちょっぴり
いやあ、大層な題名だけど、『養老先生と遊ぶ』という新潮MOOKの本のなかの
「脱線だらけの人生相談」という人を食った内容の一部を取り上げただけの話だよ。

たくさんの相談者へのお答えは大概においてキビシイ。読んだ人が、身もフタもない答えと思うかさすが名回答と思うか・・・ハテハテ。と編集者もどう思うかは、人それぞれでしょうとのことだといっているけどね。

私はある種、それもそうなのかなあ。と思うのであったが、一つだけ『船酔い』についての講釈は納得できなかったなあ。

というのも、私自身が子供の頃に乗り物酔いの質であったからである。
まず話は、不眠症を訴える人への回答から始るのであるが、
「眠れないという事自体はたいした問題じゃないけど、その眠れないという事が気になっているというのが不眠症の問題なんです。」

「要するに自分の事が気になっているんですよ。こういう人はこれを治してやると、別な事に転移する可能性が高い」

と回答されて、
「船酔いと同じです。訓練すれば船酔いを治すことは出来るんです」
ところがケースによっては乗り物酔いはシフトするから、今まで酔わなかった乗り物酔いになるんだ。揺れに酔うという状況は変わらない。

マ、ケースによってはと断っておられるけども、私の例でいえば、子供の頃は観光バスのような、郊外型のバスに乗ると乗り物酔いしていたけれど通勤で嫌でも毎日、乗らざるを得なくなると、しだいしだいに平気になっていった。その結果、船酔いさへもしなくなったということがありますね。

社内旅行で、皆が気分が悪いというなかで揺れが面白くてたまらないようなところがありました。
ところが、結婚して乗用車にも乗らない生活をおくるようになると、また雨の日の車がどうも気分悪くなったりしてきました。

バスで行くと大丈夫だけども、乗用車で送ってもらうとナンダカ辛い。やっぱり慣れでしょうかね。乗り物酔いの解決は。

しかし、非常に教訓になった回答もなかにはありましたね。
「人生はうっとうしいものなんですよ。避けようとすると面倒になっちゃうの。教訓としては面倒くさい方へ行けということなんです」

なかなか含蓄あるお言葉だと思うのでありました。