Re

Re=response=応答、感応=物事に触れて心が動くこと。小田和正さんの大好きな曲からいただきました。

人間ウォッチング

2006-07-21 | つれづれに

縁あって、今日までの3週間、ツテのとある飲食店のお手伝いをした。
頼まれて人助けのつもりで、わりと軽く引き受けてしまったのだけど、
こういう類の仕事は、実はまったく初めて。
こういう仕事は自分はできない、苦手だ、とずっと思っていたから、
学生のころでさえ、バイトの選択肢に入れたことはまったくなかった。

それが。
マスターや奥さんが気さくな方で、細かいことにあまりうるさくなかったおかげも
あって、実に楽しい3週間だった。
SOSで呼ばれただけあって、大変な忙しさだったけれど、そのなかで、
この仕事を楽しんでいる自分が、なんだかおかしくて、また嬉しかった。

何が楽しかったかといえば・・
少しでもスムーズに、気持ちよく、仕事が運べるよう、自分なりに工夫
しながら、どんどんそれが波にのっていくときの快感。
忙しいなかでも、ふっと交わす厨房での雑談だとか、
合間をぬってごちそうしてくれるアイスコーヒーの美味しさとか。

でも、いちばんは、いろ~んなお客さまに出会えたこと。
最初から物怖じせずに応対できたのは、自分で意外だった。
オーダーの際に、ほんのちょこっと交わすことばや笑顔が、とても気持ちいい。
わざわざ探して来てくださったり、
料理を前に「わ~~♪」と感激してくださったり、
残さずきれ~~いに食べてくださったり。
「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」には、
自然にたっぷりの心をこめて言える。

ほぼ毎日来てくれる近所のおじいちゃん、
無口でいつも決まったメニューだけど、とってもきれいに食べてくれる、
外回り風のお兄ちゃん、
とっても上品な感じの仲の良い年配のご夫婦だったり、
入ってから出るまで、おそらくひとことも交わしてないだろう夫婦だったり、
孫を連れて、たいそうご機嫌のおじいちゃん、おばあちゃん。
おしぼりでかわいいアヒルを作っておいてってくれたかわいい彼女とか、
グリーンピースだけをきれ~いに残してあるお兄ちゃんとか、
そのお行儀はどうよってな具合の高校生の女の子に、
まだ食べるかっと驚きの食欲の男子中学生も。
喫煙のお客さんは、圧倒的に女性が多かった。

ところで自分は、
他人の言うこと成すことに、あまり腹を立てることがない方だと思っているが、
さすがにムカついた家族もいくつか。
おチビさん連れで、えらくにぎやかに食事していったある家族。
しかし去ったあとは・・子どもの食い散らかしはテーブルの上も下も散々。
レトルトの離乳食の空き容器は置いていくし、もっと驚いたのは、
座卓の下に、ぱんぱんになった紙おむつを置いていった。
シンジラレナイ、その神経・・。そんなひとたちも、いるのだ。

ほんとうに、いろんなひとがいておもしろい。
ただ、お客の立場になったなら、いやどんな場合においても、
相手やまわりのひとたちが不快になるようなことはするまい、
さりげなく気持ちの良いふるまいやことばが、身のうちから自然に出るよう、
ふだんから、わが身のありように気をつけなければ、
と思った。

軽いノリで受けた仕事で、思いのほか楽しい思いとよい経験をさせてもらって、
こころから「ありがとうございました。」