2月の読み聞かせは、最初で最後の6年生を担当しましたが、
最終週は、4年1組にいきました。
このクラスも、今年度はたぶん最後になるでしょう。
ということで、
今回は、ぜひ子どもたちの心に残してほしい本を選びました。
「天の笛」
斎藤隆介・作 藤城清治・絵
佼成出版社
いつになく厳しい冬。凍え死にしそうな仲間の鳥たちを助けるために、
小さなひばりが、太陽のかけらを取りに行く決心をします。
でも太陽は、厚い厚い雪雲を抜け、さらに高い高い空をいったところ。
おまけに熱い熱い火のかたまり。近寄れば焼け死んでしまうかもしれない。
それでも、ひばりは命をかけて飛び立ちます、みんなのために。
小さなひばりの、大きな勇気と愛。何度読んでも、胸が熱くなります。
言葉がとてもきれいで、テンポもよい。わたしは読みやすいです。
ただ「天の笛」たるひばりの鳴き声は・・・困ったもんです(笑)
季節的にも、春を待つ今が最適。(今年は暖かすぎですが)
何より、この本の圧倒的な美しさを見てほしい。
藤城清治さんは、大好きな影絵作家さんです。
たぶん、子どもたちはこんな美しさにはなかなか出会う機会がないと思う。
4年生は国語で宮沢賢治を習ったので、同じく藤城さんの影絵が
すばらしい「銀河鉄道の夜」とすごく迷ったのですが、
季節を考えて、今回はコレを選びました。
というわけで、とっておきの1冊、満を持しての登場となりました。
冒頭、少しざわついていた子どもたちでしたが、話が進むにつれ、
どんどん集中してくる感じを、ひしと受けました。
みんなの心に何かを残してくれたら、嬉しいなあ。
重い本を選んだので、あとの1冊は見て楽しい、科学絵本にしました。
「ふゆめがっしょうだん」
富成忠夫、茂木透・写真 長新太・文
福音館書店 かがくのとも傑作集
春を待つ、いろいろな木の芽の冬姿の写真です。
落葉した葉の柄がついていた跡が、
かわいらしいこびとや動物の顔に見えるのが、とっても不思議!
にぎやかなおしゃべりが聞こえてきそうです。
校庭や帰り道の木々に、ちょっと目を向けてくれたら。
はじめの方の写真は、きっとわけがわからないんですね、
どの子もきょとんとしています。
それが、だんだん「顔」が見えてくると、
その表情がぱっと明るくなりました。
4年生でも、まだまだ十分楽しめる絵本です。
4年生くらいになると、ちょっと長くて重い内容にもかなりついてこられるし、
面白い本への反応もまだ素直だなあと思います。
この子たちが5年生になったら、今度は何を持っていこうかな。
早くも思いをめぐらせてしまいました。