「キャバレー」
10月27日(土)マチネ 愛知厚生年金会館 1階C列
台本 : ジョー・マステロフ
日本語版台本・演出: 松尾スズキ
キャスト: 松雪泰子 阿部サダヲ 森山未来
小松和重 村杉蝉之介 平岩 紙 秋山菜津子
ひさびさにおっきな「?」抱えて帰ってきました・・
「人生はキャバレー」
「人生の全てがここにある」
あかん・・。2日経ったけど、まったくピンと来るものがない・・
ステージは面白かったです。
どの役者さんも、歌はうまかったし、みんなキュートなキャラでした。
松尾スズキ演出の舞台、わたしはたぶん初めてだと思うけど、
これなら受けつけないこともありませんでした(笑)
ちょっと苦手なミュージカルだけど、その点もこれならまだ大丈夫(笑)
・・なのだけど、
印象に残ったのは、いくつかのイイ台詞と、
会場全体をひとつのキャバレーにしてしまったような、
エンターテイメント・ショー的な部分だけ、かなあ。
このお芝居でいう<キャバレー>っていうのが、いったい何なのか。
パンフレットもあとで読んでみたのだけど、
結局よくわからずじまいでした。
そこんところがどうもわからないので、
ただのエンタ・ショーで終わっちゃったみたい、わたしには。
ああ・・この屈辱感がたまらない・・・(泣)
サダヲちゃんのMCは、もっと観ていたいくらい楽しかったです♪
フライヤーのスタイルだとばっかり思っていたので、
「ネコ・・かよ」(爆)
会場全体をキャバレーにする、という目論みでしょうね、
しきりにある特定位置(笑)のお客さんに話しかけたり、いじったりして、
楽しませてくれました。
「マネーソング」は特に面白かった♪
そのなかにご当地ネタ入ります。(それとも日替わりかな?)
この回は「スガキヤ」でしたよ。
ただ、サダヲちゃん面白い、面白すぎ~なんだけど、
ストーリー、メインキャストとの絡みはほとんどないんだよねえ。
この話ではやむを得ないけど、せっかくの組み合わせ、残念だなあ。
あっ、もひとつ残念だったこと!
わたし、今回珍しくやや下手よりの席でした。
なぜかわたし、これまで圧倒的に上手側で観ることの方が多いんです。
今回C列というかなり前方席だったこともあって、
舞台が目に入ってくる様子に、ヒジョーに違和感がありました。
そのうえ、サダヲ~!(呼び捨て、笑)
どうみても上手方向に向かって芝居する、目線をやることが絶対多いぞ~!(笑)
これは演出的立ち位置でなく、たぶんクセみたいなものかな~って感じ。
演出的にも、上手側に行くことが多かったし~。
次のフレーズではこっち来るかな~と期待してると、
センターで止まったよ・・・
下手に侍るサダヲをこよなく愛すファンは、寂しかったぞ~~(爆)
サダヲちゃんの次に、面白かったのは杉村蝉之介さん。
いや・・サダヲちゃん以上かもしれない。(サダヲ減点↑あるから。ウソです。)
「大人計画」観たことがないので、全然知りませんでした。
なんだか・・めっちゃツボでしたわ(笑)
エルンスト役なのだけど、度々何かに扮装して出てきてたし。
かなり前だったので、表情やら細かいしぐさ、よく見えたんですよね。
じーーっと観てると、笑いが止まらなくなって困りました。
(なのに周りがあんまり笑っていなくて~。わたしヘン?)
小松和重さん、やっと生で観れた♪
演劇DVDではけっこう観ているんですよね、このひと。
で、そのたびにけっこう印象に残っているんだなあ。
今回も彼はいいお芝居せてくれました。
どこか滑稽で、やさしくて、切なくて・・キュートな初老の紳士でした。
2部が開く直前にちょっとした彼のパフォーマンスが、
客席で繰り広げられます。面白かった~~!
このひとのお芝居は、また観てみたいなあと思いました。
小松さん演じるシュルツと恋に堕ちるのが、アパートの大家、
ミス・シュナイダー、秋山菜津子さんです。
彼女って、ほんとにすばらしい女優さんですね!!
こんなコメディも全然違和感なくこなせるなんて・・さすがです。
笑わせる場面では、こんなことからあんなことまでして(笑)
じゅうぶん観客を沸かせてくれましたし、
2幕の大切な部分では、きゅっと観る者の心を惹きつけてくれます。
残念ながらこのふたりは、世情に対する生き方の違いから、
悲しい別れをすることになりますが、
最後まで、ふたりの間にはちゃんと愛が見えました。
サリー役の松雪泰子さん、クリフ役の森山未來くん。
いちおうこちらのカップルがメインだけど・・
う~~~~~ん。
このふたりの間には、どうしても愛が見えなかったなあ、わたしには。
なんかバランスが悪いのかな。
特に、シュルツ&シュナイダーのカップルがとてもいい感じなだけに、
残念です。
シュルツ&シュナイダーに比べて、ふたりが愛を深めていくプロセスが
全然描かれていなくて、あまりに唐突に「子どもができた」
ここでいきなり冷めましたよ、このふたりに。
そのあとはふたり何を言い合っていても、
言葉だけが飛び交っているようにしか感じられませんでした。
未來くん、まだちょっと背伸びしすぎの役じゃないのかなあ?
松雪さん、やっぱりちょっと苦手。
歌も思ったよりうまかったし、きれいなのには違いないけど、
このサリーって役には、何か足らない気がするなあ・・なんだろ?(笑)
ガニマタ気味に立って、身体を左右に揺らしながら台詞を言うのが、
気になってしかたがなかった・です。
そもそも、このふたりに感情移入できなかったっていうのが、
いちばんイタイのかもしれません。(苦笑)
それでも、このお芝居で最も印象的だった台詞は、
そのサリー(松雪)がクリフに言ったひとことでした。
「あなたの生きてる現実と、わたしの生きてる現実が違うという現実に、
あなたは気づいていない」 (ちょっと違った!?)
これは、その場で心にずしんと来ました。
やり場のない哀しみと、刃のような残酷さを湛えた台詞。
それでいて、なんだかものすごい説得力のある台詞。
それまでのサリーには、ほとんど心を寄せることができなかったのだけれど、
この台詞には、サリーのやるせない怒りや哀しみを、
共有できた気がしました。
そしてふたりは、シュルツ&シュナイダー同様、
それぞれの現実へ帰っていくことになりました。
お芝居もそれからほどなく(あっけないくらいに)終わりを迎えました。
キャバレーは、つかの間の夢??
でもサリーにとっては、そこは夢でなく現実。
夢?現実?それとも??
それが人生って???
猛烈な消化不良で気持ち悪い・・
何をしていても、ふと考えてしまう・・
「キャバレーって何だよぉぉぉ」(半泣き)
もうだめ。
完全に敗北宣言いたします。誰か教えて~~。