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Re=response=応答、感応=物事に触れて心が動くこと。小田和正さんの大好きな曲からいただきました。

第43話 「決戦へ」

2006-10-31 | 功名が辻

大石さん、あっぱれーー!! 
この一豊にして、その描かれ方がひじょ~~に気になっていた場面、
みごと納得のいくものにしていただけた。
すでにわが手を離れた掛川の城の外で、家臣団を鼓舞する場面も、
一豊らしく、とても感動的だったし。なによりかっこいいーー!!
決戦を前に、すでに興奮状態はピーク。

「徳川さまにお味方すると決めた以上、とことん尽くすがよい」
その覚悟を、まず千代が身を以って示した。
三成からの書状を開封せずそのまま差し出し、さらに大阪屋敷を攻められし折は、
徳川に二心なきを示すため、千代は自害して果てる覚悟、との千代直筆の書状。
「千代は自害して果てる」の言葉に、殿、思い切り動揺・・。
聞いてはおらんぞっ・・殿の胸の高鳴りが聞こえるかのよう。
しかし、この千代の機転とあまりに潔い忠節が家康の心を動かし、
とうとう三成を討つことに、意を決しさせる。
用意周到、狡猾に事を運んでいるかのような家康とて、
此度こそは、待って待っての武将人生すべてを懸ける最大の戦、
情勢の不透明さに惑い、焦り、諸侯を猜疑し不安にかられるのはまったく当然、
それゆえに、ひとことの重みに感涙するほどの喜びも感じる。
人間くさい家康が、演巧者西田さんによって、さらに面白く魅力的に。

そして、「諸侯の心は薄野のように西へ東へと揺れておる」なかでの小山評定。
前夜意を決しかね大暴れの福島正則が口火を切って、
家康方につくことを堂々表明。続いて細川忠興。
殿もそれに続き、居並ぶ諸侯がみな徳川方として戦うことを誓う。
軍議に移り、福島が先鋒を務め諸侯が清洲に向かい軍を進めることに決まる。

そのあと。
父吉晴による秘策を携えた堀尾家嫡男忠氏、迷いから臆して言葉を発せない。
見兼ねた殿が、すっくと立つ!
そのただならぬ景色、かねてより殿と山内家の誠実さを認めている家康が、
殿を嘲笑うかのような家臣らを抑え、その言葉に身を乗り出す。
家康の、殿に対して募る信頼感を演出したシーン、みごと!
「徳川さまに、わが城差し上げまする。城も領地も、お渡しいたしまする。
 存分にお使いくだされ」(言ったーーー!)
「お味方すると決めた以上、城も所領も捨てまする」(かっこいいーー♪)
妻千代とともに捨て身の覚悟を示した殿の言葉に、家康はこのうえなく感激し、
それを見た忠氏ほかの諸侯も同様に、城、所領を投げ出すことになる。
殿のこの言葉で、家康は万力を得た。
がっしりと殿の手を握った家康と、その家康の表情を見つめる殿の表情がすてき。
大石さんいわく、
「戦場でしか功を挙げられなかった一豊が、
 初めて<言葉>で家康の心を動かした」瞬間。
あとで、ほっと肩を撫で下ろす殿が・・いつもの殿に戻ってた(笑)
そういや、増田氏に啖呵をきったあとの千代も同じだった。

結果として、忠氏=吉晴の秘策を、殿が我がものとしてしまったわけだが、
このドラマでこれまで描かれてきた通りの殿の誠実さが、
殿にそうさせた、させざるを得なかったように描かれたことに脱帽!
(原作のようなシチュエーションのままでは、この殿には違和感ありすぎ。
 この殿なら絶対しない、と思っていたので。)
「城を明渡す」ことでこれ以上ない忠誠心を示すという、
古くからの朋友茂介(吉晴)の妙案に、殿は舌を巻く。
味方する以上、とことん尽くせという千代の覚悟にも通ずる。
ただ、まだ若い忠氏にはそこまでの覚悟がつかない。
評定の場において、殿に促されても、どうしても口を開けない。
忠氏のその姿を見兼ねて、殿が意を決する。
徳川に真っ先に味方することを決めたにもかかわらず、太閤への恩義も捨てきれず、
隠居を決めた茂介の苦渋の決断を、誰よりも知る殿。
今、忠氏をして徳川への忠義と覚悟を示させんとしている茂介の気持ち、
誰より理解するのは、息子忠氏ではなく、朋友一豊だろう。
茂介の思いを決して無駄にしたくない気持ちが、殿を突き動かしたのだと思う。
長き男の友情、ややいびつなれど(笑)ここにまた。
・・という解釈は、美しすぎだろか。

評定のあと、忠氏に謝る殿。しかし、忠氏の言葉がよかった。
己のふがいなさを恥じ
「かような評定の場でも、すでにひとりひとりの戦は始まっていること、
 しかと学び申した」 
さすが吉晴の息子!(感涙)賢く謙虚で心が広い。
殿は依然複雑な表情だったが、
その息子が言うとおり、殿の成したこと、朋友茂介も喜んでくれると思う。

さて、いよいよ西進。
雨の降りしきるなか、すでに家康のものとなった掛川城には入ることはできず、
山内軍は濡れねずみ。疲労も重なり、不満や不安を口にする家臣が出てきた。
そこで、殿。
家臣を前に馬上より、家康に見せたのに負けないくらいの、一世一代の名演説!(?)

「われらが徳川さまを勝たせるのじゃ」
「わしは運が強い!みなもその運を信じろ。」
そして家臣ひとりひとりの名を呼び、ひとりひとりの顔を見ながら・・
「そなたらが討ち死にしときには、必ずや子を立ててやる。
 子がなくば兄弟を、兄弟がなくば親類縁者を探し訪ねてやる。
 必ずや、必ずやその功に報いる」
「此度わしは死力を尽くして戦う。
 みなの者、死に物狂いでともに戦おうぞ!」

やればできるではないか~~!
すばらしく上手の大将になられた(感涙)
雲上で吉兵衛が顔をくしゃくしゃにして笑っていよう。
穏やかに、ひとりひとりに語りかけるように説き、
家臣の名を呼び始めたところから、涙が出て止まらなかった。
かつての吉兵衛の言葉が、完全に殿自身の言葉になり、
比類ないほどの熱と力を帯びていた。
殿の迫力のお顔・・最高♪
殿、いつのまにか、言葉で家康の心を動かし、
言葉で、家臣の心を奮い立たせ、ひとつにまとめ上げられるほどに。
屈指の名シーンがまたひとつ。

東軍は清洲城、西軍は大垣城にて、木曽川を挟んで睨み合いが続く。
清洲にて、さまざまに立派な甲冑姿の武将たちが、
依然江戸を動かぬ家康に焦れ、ひと悶着。
えらくしょぼい軍議の様子に、あのご立派な兜・・
なんだか「世界のクワガタ・カブト展」みたいだったわ(笑)
(兜の前立は、それぞれの武将の主義・願いを象徴するものだとか。
 殿のそれは、神主さんが振るアレ(名前知らない~)みたい。
 それって「神頼み」ってことーー?有り得そうで笑える)

西軍についた小早川秀秋は、高台院に東軍に寝返ることを示唆される。
家康は、依然豊臣恩顧の諸侯の本心を怪しみ、様々に試して窺っている。
三成は、己の正義に心酔し、西軍諸侯の心を掴み損ねている。足元から
崩れつつあるのに、まったく気づかない。
「ほかの者が(三成の)正しさを見て、己の欲深さ、小ずるさを
 焙り出されるようで、嫌になる」
宇喜多秀家の言葉は、まさに当を得ている。(これって、結構人間の本質的な
心理のひとつじゃないかと思う。)

東軍家康は、諸将に異心なきをしかと確認のうえ、とうとう江戸を発った。
西軍三成は、分裂の危機をはらみながらそれに気づかず、
関ヶ原にて、東軍を迎え討つために進軍。
いよいよ、決戦!
「功名が辻」視点が、いまや楽しみに!

「金とく」&「みどころNHK」

2006-10-28 | 功名が辻

信長、信長~♪と喜んでいる場合ではない。
殿におかれては、武将人生最大の見せ場がいよいよあさって!!
というわけで? 今日はNHKに殿がいっぱい(ってほどでもないか、笑)

まず、東海北陸限定、NHK名古屋制作の「金とく」に、
ちょこっとだけ、ビデオ映像でごあいさつ。
(地方限定のため、ほんとちょこっとだけど、レポしときます)
今回は、「功名が辻」放送記念、一豊&千代に負けないアツアツ夫婦の
「おのろけ短歌」を全国に募集して、その優秀作品を披露する企画。
ゲストに、新右衛門の前田吟さんと、いとの三原じゅん子さん。
NHK名古屋じゃ、やっぱり一豊&千代を呼べなかったか~と思ったけど、
よかった!呼ばれなくて(笑)
シングルのおふたりじゃ、とても会話にならなかったわ(笑)
いずれも、プライベートでも夫婦仲ばっちり♪の前田さんと三原さんで大正解。

というわけで、冒頭に一豊&千代が映像でご挨拶。
クランクアップのときに見た衣装だと思う。殿は、白の陣羽織姿。

千代さん、たくさんの応募に丁寧にお礼を述べたあと、
「みなさんのように、千代のように、いくつになっても、相手のことを
思ってあげられるというのは、すごくすてきなことだと思います」
殿から。
「一豊もですね、同僚のあいだでは、表立って千代のことをのろけるようなことは
 あまりないんですが、心のなかではいつも千代のことをいちばんに考えています。
 今回のたくさん寄せられた短歌のなかから、みなさんのおのろけがどれだけ
 うかがえるか、楽しみです」
「新右衛門。今日は耳をよく聞こえるようにしておいてくださいねっ。
 いとさん、そのへんのところ、どうぞよろしくお願いします(笑)」
 (このときは、殿画面にちょっと乗り出して、右耳を指差してお茶目にコメント)
このコメントのあと、新右衛門前田さん。
「はいはい、耳ね。耳かっぽじってね~あはは!」

ま、これだけなんだけど。
殿がちょっとだけユーモアを効かせてくれて、場が賑わった感じ。
あと、番組の最後に再登場。しっかり「功名が辻」を宣伝して、終わり。

殿のコメントだけを期待した番組だったけど、いちおう最後まで見た。
ほんと、すてきな短歌ができるのにふさわしい、仲睦まじいご夫婦ばかり。
(姉さん女房が多かったような・・)
前田さんたちも、ご自分の夫婦を振り返りながら、
楽しくあたたかいコメントで、終始ほのぼの~。
そして、それを聞きながら、
「ったく、うちはサイテーな夫婦だわね」とひとり苦笑。
おのろけならぬ、おとぼけ短歌がせいぜい。ま、そんなものよ。

最後に進行役のアナが、サン・テグジュペリの言葉をあげて。
「愛しあうということは、見つめあうことではなく、同じ方角を見つめることである」
「今夜あたり、窓を開けて星をご一緒に眺めてはいかがでしょうか」
ふ~~ん。やっぱり、見つめる星が違う気がするわ・・(爆)


そして、22:50から「みどころNHK」というのがあることに、
偶然、直前に気がついた。ラッキ~~♪
最初の5~6分が「功名が辻特集」
女性の山本アナと瀬川亮さんが進行。
この瀬川くん、前野将右衛門の息子役だったひと。
いまだ最新の「プレマップ」を見ていないので、それと同じかどうか
わからないけれど、小山評定からいざ決戦までのナイスな場面をチョイ見せ。
最大の見せ場だけに、殿、めっちゃかっこいいー♪×10(笑)
小山評定ですっくと立上がる姿。
「ともに戦おうぞ!」と息巻く、迫力の表情。
決戦の場、馬上刀を振り回す勇姿!
そんなにかっこよくしちゃって、いいのかしら~(爆)
小山評定の場面では、大内あつをクンも登場。

殿のコメントなどはなし。
大石さんのコメントあり。
「一豊は、これまで戦場でしか活躍しないタイプの人なんだけど、
 ここで初めて、家康の心を<言葉>で掴む」(うまい!)
さて、一豊はいったい何を言ったのか、見てのお楽しみ、ということに。

ほんとに「いざ決戦へ」なんだなあ!
あさって。ドキドキも最高潮。楽しみだ~!!

読み聞かせ講座 第2回

2006-10-27 | おはなしの部屋

実は先日の第1回の記事をupしたときには、
すでに第2回講座も終了していたわけで(汗)
2回目も終了してはや1週間。はやくこの記事もupしなきゃ!

第2回のテーマ「読みの基本」
発声、発音、文の読み方を、実際にテキストを声に出して実践。
・・・思いのほか、難しい。今回の2時間も、そうとう消耗した。

「美しい日本語を、読んで聞かせる」のが
読み聞かせボランティアの使命であるので、
美しい日本語で書かれた良書を選んだら、
当然それを美しい日本語で聞かせなくてはならない。
わが子相手の読み聞かせでは、考えたこともなかった・・。

「美しい日本語」を話すためには、まずNHKニュースなどのアナウンサーの
日本語をしっかり聞くことから始めてください、とのこと。
そして、こういう合同の練習などでは、ほかの人の発声、発音をしっかり聞くこと。
聞くことが、勉強。

今30代の人以降は、学校で「鼻濁音」というのを習っていないそうだ。
わたしは、たしか小学校の合唱の練習のときに教わった覚えがあるが。
これは美しい日本語を話す基本中の基本。
次に、母音をしっかり発音すること。
とくに、文や単語の最初に母音がくると「無声音」になってしまい、
最初の母音が聞こえないことが多い。
この2点が、最初に与えられた注意。基本中の基本。

まず、「あめんぼ赤いな アイウエオ・・」(北原白秋作の「五十音の歌」)
鼻濁音、母音、リズム、速さを徹底的に注意される。
そのうえで、文のイメージを描き、どう相手に届けるかを工夫する。
文節を、どこでどう区切って読むかでも、かなり違って聞こえるので、
どの読み方がいちばん伝わるか、自分はどう表現したいか、
下読み(声に出して読むこと)を繰り返して、自分で掴む。
次は、「あいうえお体操」
これは「言葉」のくくりで発音をするのではなく、かな一字一字をしっかり
発音する練習。(←コレ、すごく重要)
そのうえで、「言葉」(意味)に頼らないで、文の内容・イメージを、
声(音)の色、幅、強さで伝える練習。
「あいうえお」の5文字だけで、喜怒哀楽を表現してみるとか(!)

難しーーーーい!!!
やればやるほど、深みに嵌っていくようだった・・。
「あいうえお体操」は、もうメタメタ。
受講生たちの混乱の様子を、面白がるように講師の先生は、
次から次へとダメ押しをする。
先生は、決して「こういうふうに」と模範の読みをしてくれない。
それをしたが最後、みんながマネになってしまう、という。
自分のイメージ、自分の表現を、自分で掴みモノにするため。
しかし・・・わから~~ん!
だんだん、読みに迷いがありありに(苦笑)

「数の限られた講座での指導なので、今回示したのはあくまで最終目標。
美しい日本語をたくさん聞いて、目標をきちんと理解して、努力を重ねること。
等身大の自分、そのときできる最高の力で子どもに向かえば、
きっとその場の子どもが助けてくれます。
生きざま、人となりが、声、読みに出ます。」
今回の最後のアドバイスは、さらに重~いものだった。
生きざま、ね・・・(汗)

読み聞かせは、作家の思いを子どもに伝えるパイプ役。
作家の思いをキャッチすることが重要。
読み手は、作品に対して、どれだけ自分のなかに「共感」を持てるか。
「共感」が持てるか否かは、
読み手が、人生のなかでいかにさまざまな「経験」をしているか。
そういうことがつまり、生き様、人となり、ということなのかな。
なにごとも、経験、共感。
なるほど、そこに行き着くのか・・。

余談。
講義のなかで先生が何度も「役者さんたちはこういう訓練を繰り返します」と。
「役者さん」という言葉に、ついぴくぴく・・(笑)
そうそう、美しい日本語話す方、いるじゃない!身近に!(?)
上川さんの朗読CDを、そういう耳で聞く。
あたりまえだけど、さ~す~が~~~~♪♪♪
聞こえる、聞こえる。一語一語正確でクリアに。
消える音なんてない。
原作の文章を見ていくと、上川さんなりの区切りかたをしている。
音の色、幅っていうのも、わかる、わかる~。
なんていい教材なんだ~♪
思わぬ有効活用ができることになった(笑)

なお、男声による読み聞かせは、心の高ぶりを鎮めてくれる響き(周波)を
持っているんだそうな。女声は、逆に沈んだ心を高揚させる響き(周波)だそう。
お父さんやおじいちゃんによる読み聞かせも、いいものなんですよ~という
お話だったのだが・・ついまた心は飛んで。
だから、上川さんの朗読CDで、みなさん眠りの世界に行っちゃうのね~(爆)
と妙に納得。

次回から、ひとりずつ、みんなの前で絵本を読む。
以前この先生の講座を受けた先輩によると、
「1頁だってろくろく読ませてもらえないくらい、ダメ出し受けるよ~。
さすがにすごい落ち込む(笑)けど、勉強になるよ!」
こわ~~~~! でも、面白そう。
今いちばん読みたい本、今月どのクラスにも必ず読んであげている本、
『ずーっとずっとだいすきだよ』で勝負!
(どうなることかしら・・)

今日は就学前検診

2006-10-27 | 家族

来春入学の三男の、就学前検診に行ってきた。
不思議なもので、保育園の敷地内にいるときは大きく見えるわが子が、
小学校の門を入ったとたん、えらくちっちゃく見えてしまう。
学校にはしょっちゅう出入りしているので、
まったく物怖じせず、態度はデカイんだけど(笑)
先生がたにも「やっと入れるねえ」と声をかけていただき、満足顔。
検診後の教育相談では、
先生「入学にあたって、なにか心配ごととかありますか?ないですよねえ(笑)」
わたし「ないですねえ、気づかないだけですかねえ(笑)」
・・と、あとは世間話に花が咲き。
まったく、親も子も緊張感なさすぎ(爆)

毎年、検診の受け付けから子どもの誘導までを、6年生全員が各所担当してくれる。
長男のころは、この6年生がものすごく大きく立派に見えたものだ。
今こうしてお世話してくれるのが、その長男たち。
ちょうど6年前、きょろきょろびくびくして、大きいお兄さん、お姉さんに
連れられていった子たち。
ほんとにみんな、大きく立派になったものだと、実はそちらのほうに感激(笑)

ところで平気な顔をしていた三男。
待ち合いの席に落ち着いたとたん、表情が曇って涙がポロリ・・。
(ありゃ、どうしたっ!?)
「兄ちゃんがいない・・」
(おいおい・・)
受け付けから誘導を担当する6年生の集団のなかに(馴染みの子はたくさんいるのに)
自分の兄貴がいなかったので、急に心細くなったらしい。
「耳の検査のところにいるから、大丈夫だよ」
「うん・・・」涙ポロポロ・・・・・・・・
(おいおい~~)
小学校、兄貴とは入れ違いになるのはわかっているはずなんだけど、
にわかに心配になってきた。
もうひとりの兄貴がいるんだけどな~、
まったくアテにされていない、ちょっとかわいそうな二男坊(笑)

いちねんせい、かあ、かわいいなあ♪ しかし現実は・・
「ふりだしにもどる」 なのである。
面積だ、容積だと、ときには親も頭をひねる毎日から、
一転、「1たす1は2~」の世界に戻るのだ。
あ~あ・・。



次は信長! 

2006-10-26 | 大好きな・・・

上川さんの信長が見られるなんて!
それも年明け早々、フジテレビで、明智光秀が唐沢さんで!
不思議なことに、毎度正式発表前からじわっじわ~とどこからともなく
情報は流れてくるもので、以前からちらと聞いてはいたけど、
びっくりだーー! すごいーー!
「めざまし」見落とさずによかった~♪7時台のを録画ばっちり。
すでに撮影中の映像が少し。
おお・・ほんとに信長だわ・・

・・と大喜びしつつ、ひねくれものだから複雑気分。
なんで今かな。 わかるけどわからない。

またもや、戦国武将シャッフルゲームかあ。
来週から始まるテレビ朝日系「太閤記~天下を獲った男・秀吉」
同じくテレビ朝日系11/5放送スペシャルドラマ「信長の棺」もある。
「功名が辻」のキャストが、あっちにもこっちにも、
それも、立場一転の重要ポストで。
戦国ブームに便乗して、
「あの人が、今度はあんな役を~!?」
って無邪気な歓声を期待してんのか?
そんなに、きちんと時代劇をこなせる役者がいないんか?
冒険なようで全然冒険でない安易な発想~。
なんだか、無節操な感じがして・・すごくイヤ。

役者やスタッフが精魂込めて作り上げてきたひとつの役に対して、
局が違っても、作品が違っても、
もうちょっと敬意を払ってもいいような気がする。
そんなのは、視聴者、ファンの方が個人的にどうぞご勝手に・・なんだな。
でも、役が着せ替え人形みたいで、やっぱりかわいそうだ。
ぶつぶつ・・・・・

とはいうものの、根はミーハーなので(爆)
上川さんの信長は、すごく楽しみ♪ (おいおい・・・)
やっぱり一度は演じてみたい役だろうし、
ファンとしても一度は見て見たい役だもの。
光秀が唐沢さんとくれば、なおさら!
イメージとして逆?な感じもする組み合わせがいいなあ。
ぶち壊すなら、このくらい振り幅の大きいことしないとね。
かろうじて年明けの放送なので、怒りの矛先は収めて。

ああ、あの唐沢さんを足蹴にしちゃったりするんだろか・・とか
フジだから、そりゃあ番宣も盛んだろ・・とか
すでに妄想に走る。
やっぱり単なるミーハーだわ~自分♪

読み聞かせ講座 第1回

2006-10-25 | おはなしの部屋

「読み聞かせボランティア養成講座」を受講することにした。
学校の読み聞かせボランティアで一緒の仲間も一緒。
市の公民館にて、10~1月、2回/月の8回講座。
小学校での読み聞かせボランティアは、昨年春から、
毎晩のわが子に対する読み聞かせの延長のような軽い気分で始めてしまった。
きちんとした指導を受けるのは、これがはじめて。

とても厳しいけれど、絶対ためになる指導を受けられると、
以前同じ講師の同様の講座を受けた先輩から薦められた。(彼女は今回も一緒に受講)
まさにその通り!
初回からたっぷり濃厚な内容で、正直少々面食らったが、楽しかった!
この2時間の集中っぷりは・・久しぶりだー。終わってクラクラした(笑)
この先の講義内容には、さらにわくわくするような期待でいっぱい。怖くもあるけど。

初回のテーマは「子どもの発達・おはなしボランティアとは」

子どもは、第一自立(自律)期の3歳くらいまでに、一生のうちに取得する言葉の
約90%を取得する。そして、第二自立期の9~10歳までのあいだに、
それを整理して、言葉の基盤を完成する。
第三自立期(13~14歳)第四自立期(17~18歳)の頃には、
その言語基盤をもとに、自分の思いを自分の言葉で伝え、それを
受け容れてもらえることで、大人の仲間入りをしてゆくことになる。
ちなみに、第三期はおもに親に対して、第四期は社会に対して、
自分を試してくる。
子どもが豊かな言葉を使って自分を成長させていくためには、
第一~第二期の頃に、美しい日本語のシャワーを与えることが、大切。

美しい日本語に触れられるもののひとつが、「良書」といわれる絵本。
あまたある絵本のなかから「良書」を選び抜き、
紹介してあげるのが、読み聞かせボランティアの役割。

「良書」とは、
①日本語としての、言語構造がしっかりしているもの。
②文章に良いリズムがあるもの。(←下読み(口に出して読むこと)で気づく)

ひとが、ものを理解するために外部から得る情報は、
   言葉 から    7%
   声   から   38%
   表情やしぐさから 55% 

絵本を読んでもらったとき、その物語を言葉として情報化して、
脳にインプットするのが、左脳。
言葉として情報化されないものを、右脳がとらえる。
この右脳がとらえたものが、「こころの栄養」になる。
絵本は、言葉として情報化して聞いてはいけない。聞かせてはいけない。
(つまり、国語教育のように、一語一句に拘るような理解を求めてはいけない。)

絵本には、2種類ある。
「導入になる本」 子どもが過去の経験を通して「共感」を得られるもの。   
         → 読んだときに、あきらかな反応を見せてくれる。
「心に残る本」  これは、読んだときに、あまり反応がないことが多い。
          物語から吸収したものを、いったん心のなかに蓄積する。
          あるとき、実際にそれに似た状況・体験に遭遇したときに、
          心のストックから「共感」を呼び起こし、それが
          思考力、生きる力になっていく

読み聞かせボランティアは、
「良書」を選び、それを使って、子どもの右脳を育てるお手伝いの役割。
        
選書が重要だということは認識してやってきたつもりだったけど、
今回学んだ「良書」のポイントは、かなり厳しい。
良い文章のリズムというのは、なんとなく理解できる。
これは、自分なりに「読めばわかる」感覚がある。
「日本語として言語構造がしっかりしたもの」というのが、曲者。
あまりピンと来ないので、何がよくて何が悪いのか、
今後の講座で、掴んでいきたいと思う。

それにしても・・
子どもの言語における成長と発達の話には、正直頭を抱えた。
長男12歳、二男9歳。
第二自立期を過ぎている、過ぎつつあるじゃん!
生涯の90%の言語を取得しているとかって・・・愕然。
大丈夫か、息子たちよ。
読み聞かせた絵本たちは、君たちに美しい日本語を与えてくれたか~?

次回の講座は「読みの基本」楽しみ♪ 

第42話 「ガラシャの魂」(2)

2006-10-24 | 功名が辻

今話タイトルのガラシャの方が、あとになってしまったけど、
細川忠興・ガラシャについては、個人的に思い入れが強いので、こうして別枠(笑)

思い入れが強い=自分のなかのイメージが強すぎのため、
このドラマでどんな造りかたをされようが、たぶん受け容れられないだろうと、
傲慢に覚悟していた。キャストから馴染めなかったし。
これまでの登場シーンにも当然不満ぶうぶう・・。(ほんとにごめんなさい)

しかし今話は、この頑なな心をじわっと溶かしてくれたようだ。
原作にもない、愛読書である三浦綾子さんの「細川ガラシャ夫人」にもない、
大石さんオリジナルの、ガラシャの言葉の数々が、とても心に響いたのである。
かな~り無理のあった長谷川京子さんも、
最期の祈りを捧げたあとに見せた一瞬の表情の清らかさは、
みごとにガラシャを演じてくれたと思う。ありがとう~(感涙)

心に残る、ガラシャらしい言葉を。
千代がガラシャの身を案じ、早く屋敷を出るよう促しにやって来たときの会話。
逆臣明智光秀の娘として、白日のもと生き延びるのは憚ることやもしれぬが、
「逃げるということは、父を信じることを捨てるということ」
光秀の娘ゆえ、世間から切り離しその身を逃されてはいたが、
長く暗く辛い日々のなかでも、ガラシャの心は決して逃げてはいなかった。
ガラシャといえば、つい神への信仰に結び付けてしまいがちだったけれど、
娘として父光秀を信じつづけた心を、思い出させてくれた。

そして、夫忠興への思い。
「激しく奪うことでしか、愛を示せぬひともおります。」
妻を守るために弟を大阪に送った一豊の愛との違いを、
みごとに表現したなあと恐れ入った。そのうえで
「されど、愛することに変わりはありません。」
不器用に過ぎる忠興の愛を、ガラシャは決して諦めではなく、
まっすぐに受け止めていることを、示してくれた。

大河版では都合上?忠興がまったく魅力的に描かれていないせいもあって、
これまで、ガラシャの忠興への愛情があまり伝わって来ず、
確執ばかりが色濃く残ってしまっているのが、個人的には残念。
忠興が大阪屋敷を出てゆくとき(これがガラシャとの最後になる)、
演じ方次第だったかもしれないが、お互いけんか腰なのが悲しかった。

ガラシャは、
あのように忠興に突きつけられなくても、
忠興の愛情と細川家のためには、逃げ隠れすることも人質になることもしない、
方法はいかようでも、死の道しかないことは、すでに覚悟していたと思う。
妻を残してゆく忠興の心は狂わんばかりに苦しいはず。
康豊に告げたような思いをもって、
命を懸け戦陣に発つ夫を、送り出して欲しかったなあと思った次第。

一方、忠興の父幽斎が、同時に描かれたのが嬉しかった。
いいな~~正臣さん!渋い。
幽斎はかつて、長年の信篤き朋友であり、ガラシャの父でもある光秀を、
細川の家を守るため、本能寺のあと真っ先に見限った。
その判断に後悔はなくとも、光秀への思いは心に重く残リ続けていたのだと思う。
だから、その娘であるガラシャを、やはり家のためいったんは幽閉したものの、
慈しみ守ることが、光秀への供養であると思っていたのかもしれない。
けれどガラシャは、細川のため、忠興のため、命を落とした。
ガラシャをも守れなかった幽斎が、ガラシャが命を捨て守った細川の家を、
後方から決死の覚悟で守り抜く。
幽斎・忠興父子そしてガラシャの、細川家を守る執念というのは、
まさに戦国、すごいと思う。
そして、壮絶な死のあと、ガラシャの意を汲み、愛し敬い続けたこの細川家が、
ガラシャの魂に見守られるかのように、その後長く長く続いていることに、
胸が熱くなる思いだ。

第42話 「ガラシャの魂」(1)

2006-10-24 | 家族

上杉討伐のため家康が軍を東に向けた機を狙い、とうとう三成が大阪城に入り、
家康方についた諸将の在阪妻子を人質に獲る作戦に入る。
離れ離れにある夫と妻の、それぞれの思いと決断、家が生き残るために懸命な姿を、
細川家と山内家に見る。
思いのほか、この大河版、よかった!!
原作にはない(はず)の台詞のいくつかに、とても心を動かされた。
それぞれの心情が繊細に台詞に表れていて、それを役者さんたちがそれぞれ
みごとに表現してくれた。

先回より引続き、場所は掛川久延寺、家康と殿。
殿、あくまで殿らしく率直に「迷うておりまする」
「亡き太閤殿下の大恩に報い、秀頼候に忠義を尽くす道はいったいどこにあるのか。」
この殿にとっては、この理由がほんとのほんとなんだなあ、と痛切に実感。
山内が生き残ることはもちろん重要なのだけど、
その大前提として、いかに大恩に報いるか、がいつもこのひとのなかにあるのだろう。
迷いを語りながら、殿の右目にじわっと涙・・。
びっくりした。けれども、その苦しみの深さが切々と伝わる。たまらない。
殿は語りつづける、金ヶ崎にて命を救われた家康への思いも。

家康も、男である。
殿の、損得で動かない、武将として男としての真っ直ぐさをそのままに受け止め、
殿がいかなる決断を下そうと、それを受け容れることを告げる。
「武士(もののふ)として」の言葉が、
狸、狸と言われようが、根っからの骨太の武士であることを、
自他共に再認識させるかのようで、とても印象的だった。
これには、殿も相当心が動いたのでは・・と推測。
穿った見方をすれば、山内ごときが石田方につこうが所詮掛川6万石、
恐るるに足るものでない、というのが軍事的には正直なところだろうが、
少なくとも、このふたりの間の言葉には、お互い嘘がないものだと
信じさせられる、そんな力があった。

大阪屋敷の千代。
三成からの密書を開封せずにそのまま、
また三成挙兵の事実と今後の秘策を書した文を、笠の緒に編みこんで、
参陣中の殿に届けるという、超有名エピソード。
この文をなんとしても殿に届けたい、
一介の小者である孫作に、深深と頭を下げる千代。
その切実な気持ちが、孫作に伝わった瞬間、
気弱でいかにも自信なさげな孫作の目に、強い意志が生じたように見えた。

一方、殿も大阪に残した千代が心配で心配でならない。
古くから信の篤い市川山城守を大阪に飛ばすのだが、
大河版では、弟康豊をオマケにつけちゃう(笑)
ほんと、心配でたまらないのね~。千代、しあわせだ~。
(この市川山城の、関所におけるすったもんだもいい話なんだが・・
大河版では完全スルーー。ま、仕方ない。)

ところで、先の孫作とこの康豊&市川山城が、同じ関所でバッタリ!
そして目をつけられ大ピンチ!なところを、なんと六平太が大根芝居で救う!!
というスーパーウルトラC(爆)には、唖然としたわ・・すごすぎ。
ま、とにかく、どちらの使者も無事目的地にたどり着ければいいわけで。

このあと、孫作はなんとか無事殿のもとへ文を届けることができ、
康豊と市川山城も、千代のもとで、千代の指示に従い奮戦。
殿は参陣中もなお、進むべき道を懸命に模索しているし、
千代以下家臣も全員、山内家を守るため、心ひとつに必死である。
殿と千代が築いてきた山内家の、結束の強さを見るようだ。

千代からの文がいい。
原作では、あくまで「こうなさい」と千代の作戦を突きつけているけれど、
大河版では、大阪と石田方の情勢を簡潔に伝えたうえで、
「よくよくお考えのうえ、山内家のゆく道をお選びになりますよう、
殿のお考えどおりになさいませ」
と、あくまで殿の決断にすべてを委ねている。
千代の作戦は、殿の決断がより効果的に働くための「演出」に過ぎない、
そんな千代の気持ちが伝わる言葉に聞こえた。
「殿のお考えどおりになさいませ」
北政所も、太閤秀吉に対し、いつもそういうスタンスだった。
常に夫の意に従い、その意に報い、その意を活かすため、
知恵と愛情で夫を支え続けるのが、賢妻。

千代の文を読み、とうとう意を決する殿の、表情の変化が素晴らしかった!
おそらく、毛利家中が割れているという情報が、
石田の義を採るより、徳川の利を採るほうが、
この後山内として生き残り、ひいては秀頼に尽くすことになる、と
殿をとうとう前に突き動かしたのだろう。
「これより、徳川さまにお味方いたす!」
仁王立ちになって決意表明をする殿に・・・シビレマシタ。
(上川さんファンにとっては、なんともデジャヴなこのシーン♪♪)

このころ大阪では千代が、石田方からの執拗な招きに、
懸命に抵抗していた。千代の知恵と度胸の見せどころ。
五奉行のひとり増田氏に対してどうよ・・だけど(笑)
「夫対馬守の言いつけしか聞きませぬ。
夫が天地ひとりの相手でございますゆえ。」
・・ご立派。

今話も、感想2本立て(笑)の方がよろしかろ。
というわけで、ガラシャと細川家については、別途。

『オレステス』 観劇

2006-10-22 | 観る、聴く

『オレステス』
蜷川幸雄演出 エウリピデス作 山形治江翻訳
出演 藤原竜也 中嶋朋子 北村有起哉 吉田鋼太郎 ほか
10月21日 マチネ 愛知厚生年金会館 2階A列ほぼ中央  

こういうお芝居は・・どうやって観たらよいのかなあ?
芝居の観方に、どうもこうもないとは思うけど。
初めて観るギリシャ悲劇。
まあ予想通りかな、苦戦・・いや正直なところ不戦。

今回敢えて予備知識ゼロに近い状態で観劇。
ギリシャ悲劇、どこからアプローチしていいかわからなかったのと、
単なる時間不足(笑)意識がやや低かったと・・。
それでも、意外に?筋自体は単純・・というか、
断ち切れない「復讐の連鎖」の愚かさ、悲しさがテーマであることは、
わりと早い段階で見えたので、
まくしたられるあの膨大な台詞と、蜷川さん独特の演出に惑わされて(笑)
「で、なんだっけ?」には、今回ならなかった。
なのだけど・・どの人物に対しても、共感も同情も感じることなく、
最後まで、ほとんど気持ちが揺さぶられるようなことがなく終わってしまった。
ただ相当鈍いのか、わかっていないだけなのかしら・・(不安)
観劇後も、なんとなくぼんやりした気持ちで帰ってきた。
つまらないとか、そんな偉そうなことを言うつもりは毛頭ありません(笑)
ただ、今回は「お芝居を観てきた♪」という感覚があまりなくて、
「パフォーマンスを観てきた」という感じで。

客席の入り口を入った途端、舞台正面に見えたのが、大きな「X」の黒文字。
文字なのか、単なる「バツ」ではないだろうけど、十字架でもないし、何かの象徴?
いきなり、これから繰り広げられる蜷川ワールドの謎かけみたい。
これよ、これ。今回は何が起こる??というドキドキ感が、蜷川さんの舞台。

客席の照明がまだ落ちないうちから、突然激しい打楽器の演奏。
びっくりした・・来た来たって感じ。
そして、もっとびっくりした。雨!舞台全体に激しい雨!
初っ端から、エレクトラ役の中嶋さん、ずぶ濡れ。
実母が不倫のうえ、その夫=エレクトラの父を殺し、その母を弟が殺した。
弟は神アポロンの意に従ったまでだが、その大きな罪に苛まれ激しく疲弊していた。
母殺しの姉弟はやがて死刑?
容赦なく降りつづける雨のなか、
エレクトラは、事の顛末とその怒り、悲しみ、苦しみを、まくし立てる。
膨大な台詞は、激しい雨が川に溢れ濁流となって渦巻き噴出するかのよう。
華奢でかわいらしい容姿とは裏腹に、
腹の底から押し出されてくる、怒りと悲しみに震える力強い声。
泣き叫び、うろうろと彷徨い、ぶつかり、倒れ・・。
いきなりのハイテンションな演技に引き込まれた。
小さな蛍ちゃんだった頃から大好きな中嶋さん、
生舞台は初めて観るけれど、期待どおりの芯の強さを見せてくれた。
それにしても、エレクトラとオレステス、姉弟以上の感情があるように
見えてしかたがないんだけど・・。

このあと、お色気ムンムンのヘレネ(姉弟の叔母)が登場。
その美しさも、無邪気なほどの身勝手さも、十分なのだけれど、
香寿たつきさん、あとはクライマックスで天空に飛んだ(!)だけ。
ちょっと勿体ない、もっと観たかった。

ヘレネの夫で、姉弟の叔父であるメネラウス、吉田鋼太郎さん。
姉弟の祖テュンダレオス、瑳川哲郎さん。
蜷川さんの舞台に欠かせない、燻し銀のような渋さと揺るぎのない存在感。
若い力でぐいぐい引っ張られるかと思えば、
この重さでまたぐいぐい手繰り寄せられる。
藤原くんを交え、さすがのやりとりが繰り広げられていたのだけど・・
このあたり、あまりの台詞の洪水に、
(今回はかなり神経をゆるめて聞くようにしていたにもかかわらず)
耳も頭もとうとうついていけず、シャットダウン。
結局、どちらも姉弟の味方にはならないわけね、ということで、
会話の内容は、あまり頭に残っていない・・。

唯一、この絶望の淵にある姉弟の味方になってくれるのが、
オレステスの親友ピュラデス、北村有起哉さん。
生きるも死ぬも3人一緒、と姉弟を元気づけ(焚きつけ?)、
彼らの本望を遂げさせることに、その運命をも捧げる。
北村さんも、生舞台初見、中嶋さんとともに今回の注目のひと。
これまでのやや脱力系の役が印象にあるせいか、
この男気のある骨太な役どころは、すごく新鮮に見えたし、
舞台では、声がよく通って聞きやすいのが好印象。

ところで、
オレステスが自殺しようとするのを、このピュラテスが止めたとき、
もしかして、北村さん手を負傷??
このシーンのあと、床にけっこうボタッボタッて感じで、真っ赤なものが!
2階でよく見えないので、何か置いてあるのかとも思ったけど、
その後、エレクトラの右肩も赤いものがついたので、
あれはやっぱり・・血! 
だとすると、そうとう切れていると思われ。。2階席から見えるほどの血痕だもの!
何事もないように、最後まで演じられたけど、
大丈夫だったでしょうか。
みなさん、ほんと体当たり、満身創痍のお芝居。

オレステス、藤原竜也くん。
これまでいくつか(DVD含めて)観たなかで、いちばん逞しい印象。
いつもより低く太い声で、より力強い感じでいいなあと思ったら、
台詞の出し方は、これまでとまったく違う方法をとらされたとか。
からだも、少し逞しくなったように見えた。
藤原くんの舞台でいちばん好きな瞬間、
会場中の全神経が、彼一点に呑み込まれるように集中するような場面は、
このお芝居にはなかったと思うが、
館に立て篭もるあたりからの捨て身の激しさが、今回はいちばん印象的だった。

コロス。
これまでもいくつかコロスが登場するお芝居を観たけれど、
今回のがいちばん出ずっぱりで、その役割も大きく重要だったと思う。
役と語り合ったりして、かなりお芝居に絡んでいる。
手に持った傘は傘であり、ときに剣のようにも見えて、なるほどなと思った。
ただ、雨のなかになると、重なり合った声が飽和状態になって、
かなり聞き取りづらかった。

プリュギア人。
オレステスたちが館に立てこもってからの顛末を、興奮ぎみに語る。
その緊迫の場面、演じられるのではなく、こうして語られるのを聞くとは(笑)
でも言葉だけで、みごとに再現された。
言葉だけのほうが生々しいかも、とさえ思えた。

アポロン。
最後の最後に、声だけで登場して「こんなのあり~~!?」の預言。
ちょっとあっけにとられてしまったけど・・
これぞ「ギリシャ悲劇」なところだそうな。
この愚かな復讐の連鎖は、愚かな人間たちでは断ち切れない。
最後は神のみわざに委ねるほかない、という
なかば絶望的であり、希望的でもある結末。

ラストシーンで、客席に大量のビラが降らされた。
アメリカ、イスラエル、パレスチナ、レバノン。各国の国旗と国歌。
すべて、自国民の自由や土地を勝ち取るために、民を鼓舞する内容の国歌である。
奪い、奪われ、無益な血が流れ続ける。
「オレステス」の時代から、まだ人間は同じことを繰り返している。
人間たちは、ほんとうに、神のみわざに頼らねば、
この愚かな復讐の連鎖を断ち切り、真の平和を手にいえられないのだろうか。
驚きの最後の演出で、このひとつのギリシャ悲劇を
一気に現実世界へと引きつけてみせた。なるほど~~!であった。

今回の観劇、都合で散々迷ったせいで、ずいぶん遅れてとったので、
泣く泣く2階席。それでも1列目ほぼセンターだったのが救いだけど・・
通路をふんだんに使う蜷川さんの舞台は、2階はダメ!!!見えないーーー。
でも、ちょっといいかなっと思ったのは、
この視点の高さと視界の広がりぐあいが、
さながらギリシャの野外劇場で観ているような感覚になること。
それにしても、今回、役者が走り芝居をする通路脇のお席のかた、
つくづく羨ましい・・。
というか、あまりに近すぎて、のけぞりそうだけど。
あれがもしご贔屓さんなら・・と思っただけで、心臓がバクバクします(笑)
ちなみに、わたしも通路側だったが、そこにあるとき現れたのは。
あのビラを撒き散らす黒子さん、でした(爆)
おお、びっくりした。ここだったのか・・って感じ。
だから、わたしのところへは、ビラは降ってきていません~。おこぼれを拾いました。

あとから、プログラムをじっくり読んで、
いろーーーんなことがよくわかった。
あの台詞の洪水のなかで、そんなこと言っていたの?てなところも多々。
もう今さら笑うしかない・・。
でも、少しツボを押さえて観れば、こういうお芝居も面白いんだなあと思った。
これ、今回の収穫。
幸い、冬にはWOWOWで観られるようなので、
もう少しお勉強して、次はしっかり楽しもう♪♪

不戦のわりには、いっぱい書いたなあ、例によってだらだらと(爆)
読んでくださった方、長くてごめんなさい。

すてきなことば

2006-10-20 | つれづれに

友だちが、こういう話をしてくれた。

「出会いには、一方的な出会いと、相互的な出会いがあってね。
(それはたとえば恋であるなら、片思いと両思い、の違いといってもいいかな)
 そのひとの心にとって、とても必要だなと思われるときに、
 そういうひとにめぐり逢えるものだと思う。
 一方的な出会いに留まっているのは、
 自分にとってそのひとが必要であっても、
 その相手にとって、自分はまだ必要とされていない、といってもいい。
 でも、それは悲観すべき事実ではなくて。
 必要とされる自分になれたとき、
 きっと、めぐり逢える。
 それを信じたら・・・
 そういうときがほんとうに来るかもしれないし、
 もしかしたら、結局来ないのかもしれないけど、
 いつか、誰かの必要なものになれるような自分になるよう、 
 自分を磨くのって、
 とてもステキなことじゃない?・・・」

心の湖に、ぽとん、と宝石を投げ入れてもらった気分。
水面に、きれいな波紋が静かに広がって、
宝石は、きらきら湖のなかを照らしながら、
どんどんどんどん落ちていき、
すとんと、湖のいちばん深いところに、収まった。
水面はまだ、ゆらゆら揺れている。
湖のなかが、明るい!!