『パコ~』観てきました。
う~~ん、やっぱりわたしはあまり楽しめませんでした。
そこそこ笑ったし、いいなあと思えるシーンいくつかはあったけど、
ゴテゴテで、ガチャガチャで、
毒々しくて、めまぐるしくて、
CGいっぱいで・・
なんか息苦しくて、疲れちゃった。
まあ、好みとか許容範囲(笑)の問題でしょう。
ストーリーが良くても、役者が良くても、
別の部分で気もち的に抵抗感がありすぎて、わたしはだめ。
いちおうパンフも買って(すでにここから消極的、笑)
監督の演出意図やそれに対する役者の解釈には、じゅうぶん納得
いくものがありました。
「ああ、そうだったんだ」という驚きではなく、むしろ
「ああ、そうだろうな、わかるわかる。」という感じで。
それらは読んでいて理想的、魅力的に感じるんですよ、すごく!
おお、そりゃ期待できるな、と。(読んだのは観た後だけど。笑)
でもね、それが具現化されていざ目の前に現れたら・・
予想以上にぶっ飛んでて。
期待をはるかに突き抜けて、わたしの許容範囲のボーダーを
突き破ったところ(嫌悪の域)まで行っちゃってたわけ。
だから・・
「わかるけど、わたしは勘弁ね」ってことで(笑)
うん、、これが↑もっとも正直な気もちですね。
それから、パコと大貫と浅野センセ以外は、
かな~り薄っぺらくなっちゃってますね・・
そこんところも、かな~り許せない部分ではある。
特に、室町については文句アリアリ(笑)
タマ子に
「自分を変えるって怖いかもしんねえ。だけどそうなら、今
あのじっちゃん、死ぬほど怖いってわかんねえ?!」
のような台詞で一喝されて、室町の心が動いていく、
・・ないやんか?!
消防士に助けられてから、タマ子に葛藤する自らをさらけ出す
シーンなんて、涙・涙・涙なしでは観られない傑作シーンなのに。
・・これもないやんか?!
「おまえの演技を観たいヤツがいるんだよ!」
・・のような台詞だっけ? う~ん、心に響いて来ない。
舞台版、タマ子はたしかにそう思っているはずなんだけど、
敢えてそうは口にしていなかったと思うけどな。
彼の、劇中劇の最後もなあ、、
室町の役者根性がいまいち表現しきれてなかったな。
原作を大切に、ということで、主な台詞はほぼ一字一句違わず
使われています。作家にとって言葉は作品の命だと思うので、
原作モノを扱うときには、その点ものすごくシビアになって欲しい
と願っています。だから今回そのあたりに安心感はありましたけど、
一方でその言い回しだとかタイミングだとかに違和感を感じる
こと度々。「ああ、、その言い方って違うんだよなあ」って(笑)
思い入れの強い(強すぎる)舞台版に固執しすぎているのは
わかってます。でもなかなか別物として観られないだもの・・。
おっと勢いに乗ると、あれもこれも書いちゃいそうなので、
もうやめときます。
この作品を楽しんだ人も、楽しめなかった自分自身も
気分悪くなりそうなので。
あ、これはどうしても。
タマ子が、ここではどうしても好きになれませんでしたっ。
もともと、なかの人も非常に苦手なんだけど。
ちゃんと描いてあげていないから、タマ子という「看護士」の良い
部分が全然感じられなかったです。
あとは・・
とにかく役者さんてのはスゴイなあ!ということ(笑)
役所さんのコメントだったかな、
「あの扮装が、役の気持ちを持ってきてくれた」って
つまり監督の意図どおりなわけで、監督こそがスゴイんですが、
それでも、あの扮装であそこまでやりきってしまう役者さんは
やっぱりスゴイです。
あの面々のなかで、自分だけ「恥ずかしいからできない」とは
死んでも言えないでしょうしねえ(笑)
あとは意地というか・・役者根性ですかね。
扮装からあそこまで引き出せてこそ「役者」というか。
自身も、それぞれにずいぶん楽しまれたことだと思います。
上川さん、ね。
楽しかったですよ。
それだけでなく、良い役、重要な役だったしね。
いうなれば、大王の化身なわけだから(笑)
舞台版より、ちょっと膨らませてありますね。
とてもわかりやすくい~い人になってるわ(笑)
こういうときに聞かれるやわらかい声、好きですけど、
映画館みたいなところで聞くと、なんかくすぐったいです(笑)
作品としては、わたしの好みでなくて残念ですが、
こういう作品でもたっぷり演じられてよかったなと思います。
あちこちでみなさん楽しんでおられるようで、
こんな感想を上げるのが、多少心苦しかったりするのですが、
ま・・頭の固い、こんな人もいたわけです。
そもそも、わたし、時々すこーーんとみんなから外れてる
ことがあるし(爆)
でもそれで「別にいいじゃん♪」と思うし。
この作品は、もうこれでごちそうさま。腹いっぱい。
とっとと次へ進むことにします(笑)