聴覚障害者制度改革推進中央本部ブログ

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■全通研・障害者自立支援法案における利用者負担についての運営委員会見解

2005年05月12日 | 報告
5月5日(木)、全通研代議員会において「障害者自立支援法案における利用者負担についての運営委員会見解」が発表されました。
下記に全文を掲載します。なお、文末の「全通研運営委員会見解」の文字をクリックすると、運営委員会見解の全文を読むことができます(PDFファイルです)。
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<障害者自立支援法案における利用者負担についての運営委員会見解>
「応益負担」導入の見直しを求め、コミュニケーション保障にかかる利用者負担に反対します

「障害者自立支援法案」が国会に提出され4月26日に審議が始まりました。同法案は、障害者施策の一元化などを打ち出す一方、障害者福祉サービスヘの「応益負担」が導入されているなど、これまでの障害者施策のあり方を大きく見直すものとなっています。障害者団体では、「所得保障がないまま、障害者に大幅な負担を強いるもの」として、「応益負担」導入の見直しや費用負担の撤回を求める声が目増しに強まっています。
 障害者が自立と社会参加を進めるためには、ハンディキャップを補うためのサービス利用が不可欠です。障害者が社会の一員として普通に生活することは、社会的・福祉的支援や必要な介護があってはじめて成り立つものであり、それを受けることを「応益」とする考え方は、福祉の理念そのものを根底から否定するものと言わざるを得ません。
 手話通訳関連事業が位置づけられた「地域生活支援事業」は、国や都道府県の補助金を受けて市町村が実施するもので、実施内容や利用者負担金などについては市町村の裁量で決定されるものとされており、国や地方自治体の厳しい財政事情のなかで、手話通訳事業の維持拡充・新規実施にかかる懸念や利用者負担の導入の恐れもあります。
 言うまでもなく、コミュニケーションは基本的人権に属するもので、生活のあらゆる場面において必要不可欠なものです。聴覚障害者の基本的人権と社会参加の土台であるコミュニケーション保障への利用者負担の導入は、障害者の人権保障を求める今日の流れにも逆行するものであり、とうてい容認できるものではありません。聴覚障害者のコミュニケーション保障は国の責任で財源確保を十分に行い、サービス水準の後退や市町村の格差を生じさせない手立てを強く求めるものです。
私たちは、こうした理由から、障害者自立支援法案における「応益負担」導入の見直しを求めると共に、聴覚障害者のコミュニケーション保障にかかる利用者負担に反対するものです。

2005年5月5日 全国手話通訳問題研究会運営委員会



全通研運営委員会見解

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