聴覚障害者制度改革推進中央本部ブログ

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■10/21 衆議院厚生労働委員会記録(その10)

2005年10月23日 | 【速報】10/21衆議院厚生労働委員会
中村局長/地域生活支援事業の中で移動支援事業も含まれており、半年で200億円要求している。半分なので年間では400億円。19年度以降は400億円確保できれば良いと思う。地域格差がある状況なので、配分を考えていきたい。400億円の予算で対応が出来ると思うが、所要経費を確保できるよう頑張りたい。

園田(民主)/足りなくなったときに、市町村がすべてをかぶらなければいけないのは問題点だと思う。考えて欲しい。質問を終わりたい。


笠井(共産)/今回の障害者自立支援法案は、総選挙で廃案となって、委員の構成も変わった上で出された。初めて法案審議に参加する委員も多い。継続審議ではなく、改めて趣旨説明があり対案が民主党から出された。徹底審議をすべき法案だと思う。障害者や関係者から怒りの声があり、廃案として仕切りなおせという声もある。民主党提案について2点伺いたい。精神も入れて3障害に対し、支援費を適用とし、応益負担をしないとあるが、理由を伺いたい。

山井(民主)/応益負担は、そもそも障害が重いほど多くの自己負担を払う制度。それは福祉の理念に反している。障害が重いほど費用が増えるという応益負担を福祉の中に導入している国はない。障害は望んで持ったものではない。重度障害者に対し、より多くの自己負担を取ろうとするのは福祉の理念に反する。理念の間違った政府案ではなく、所得に応じた応能負担を当面考えたい。

笠井(共産)/もう1つ。民主党案では、難病も対応とした障害者福祉法とあるが、策定段階での障害者の意見反映はどのように意見担保されているか。

山井(民主)/障害者の声をいかに改革に入れていくかは、最も重要。制度の主人公は障害者。時間をかけ、2年以内に障害者福祉法を策定すると書いているが、検討会も作り時間をかけたい。難病の中にも障害の中にも色々なケースがある。今回の政府案の最大の問題は、主人公不在の点。改革には決してなじまないと考える。

笠井(共産)/政府案について伺いたい。最大の問題点は、障害者福祉を現在の応能負担から、障害者が利益を受ける、ということで応益負担にしたこと。限りなく応能負担に近い、減免も考えていると答弁されているが、従来は低く抑えられて、95%無料で使えていたものが、原則1割の定率負担となり、重い障害ほど負担が重くなる。サービスが受けにくくなる、というのは福祉を壊すことになる。局長に伺いたいが、今度の法律では、サービスは買うものだ。買う主体になる、という発言を先の参議院でされていたが、福祉の観点からは信じがたい。健常者でも福祉は応能負担が原則なのに、障害者に応益負担を持ち込むのはもっての他。ハンディを埋めるための障害者福祉ではないか。障害者のサービスは買うものだというのは撤回して欲しい。

中村局長/参議院での答弁は、福島みずほ議員の答弁に対して答えた。今回の自立支援法は1割負担だが、サービスの9割は国民の皆さんからの税で賄う。だから最低1割を利用者である障害者に負担を原則にしているが、その負担についても、更に上限を設けるなど、工夫をしている。サービスを買うもの、というのは、契約の面の話。応能負担はどうしても低所得を念頭においた制度である。社会保障の9割は社会保険で賄われているが、これは応益負担であり、社会保障のすべてが応能負担とは限らない。障害は誰にでも起こるもの。すべての人が受けられるものに変革をする必要があり、「障害者=低所得者」と考えるのではなく、すべての人が使えるようにするべき。9割は皆で負担し、1割は本人負担ではあるが、重度の方ほど、減免の措置もあり、負担率も下がる。短い答弁時間の中で表現する必要があったのでそのような言い方になったが、表現が不適切であるなら、取り消す。

笠井(共産)/契約に基づくという考え自体が違うのではないか。負担率も低所得ほど下がるとはいっても、現状より増えるのは確か。応益負担になればサービスを気兼ねなく受けられるというのであれば、では現状の応能負担ではサービスを気兼ねして受けているのか?普通に生活したい、社会に役立ちたい、人間らしく生きたいというのは人権であり、生存件の問題であり根本問題。法案担当者がそういった認識なら恥ずかしい。重度障害者の多くが生存や日常生活のニーズが脅かされている、障害者の社会参加や自立に必要なサービスは利益でもない。障害者の費用負担は健常者の場合とも違うというのは世界でも常識では?障害者に1割の応益負担がある国を具体的に行って欲しい。

中村局長/障害行政では契約はとんでもない、との話だが、措置から契約へ、というのは支援費制度から。支援費制度を継承して自立支援法がある。精神障害者もサービスの対象になり、障害福祉はこれからどんどん増えていく。利用者にも応分の負担をお願いし、健常者の理解を求めるためにも作ったもの。よく応益負担は国を見ない、とあるが、スウェーデンでもホームヘルパーの利用時間に応じて負担をいただいている。イギリスもサービス料に応じた費用負担をお願いしている。必ずしも応益負担がないわけでもない。また、アメリガなど応能負担を導入している国の場合は、利用対象者を、低所得者に限っている。どの国でも一定の負担をお願いしている。応能だから権利性がないというわけではなく、また無料がよいというのではない。払える範囲で支払をお願いしたい、ということ。

笠井(共産)/スウェーデンには私も見学にいったが、こんな形で一割の応益負担をしていない。納税者の理解、と言われるが、障害者福祉担当の局長・政府であれば、納税者からの声に体を張って、障害者の状況を障害者の立場に立って説明し、説得してこそ担当責任者ではないか。サービスは金で買う、納税者の声を考えろ、というが、こういう立場の発言は問題だと思う。障害者へのサービスは益なのか。障害者はサービスを益になるほど受けているのか。障害者の状況を説明し、応援してこそ政府なのではないか。障害者にとっては、この問題は一生続くこと。障害者のサービスは買うものだ、ということで良いのか。

尾辻大臣/買う、という表現については、本人が説明をした。局長自身も説明をしたが、支援費からの契約という考え方。そして支援費の良い考えを持って行きたいと考えている。局長が「買う」ということで表現した思いはそういう部分だと思う。ただ言葉としてまずかったということについては、本人も話しているので理解をお願いしたい。障害者の意見をどのように聞くのか、が質問のポイントだと思う。障害者団体の方と話をしたとき、出来るだけ皆さんに会わなければいけない、ということで私も、大臣になる前は勉強会もしていたし、続けていた。場所に大臣になってからも10箇所以上訪問し、勉強をした。無理なご負担はお願いしてはいけない、きめ細かな対応が必要と思っていた。皆で支える持続可能なものにする必要であり、それをお願いしている。この法律が日本の障害者施策を大きく進めると思う。

笠井(共産)/契約に基づくということで、支援費制度を継承しているというが、性質が違うと思う。きめ細かく、というが、内容がとても複雑。なぜこんなに複雑かというと、応益負担を導入したからだと思う。仮に、継続可能な制度が出来たとしても、障害者がその制度で暮らしていけなければ、意味がないのではないか。移動介護もコミュニケーションも利益ではなく権利である。今度の法案で障害者の負担がどのくらい増えるのか?

中村局長/今回の見直しで福祉サービスの負担は260億円。

笠井(共産)/事業費ベース・自立支援医療を含めては?

中村局長/自立支援医療は90億円で、福祉サービス負担の260億円に含まれている。事業費は520億円。

笠井(共産)/合わせて700億円以上になる。それでなくても生活が大変なのに、こんなに負担が増えることになる!また医療費の負担や消費税増税などが言われており、ますます障害者が暮らしにくくなっている。日本の障害者福祉は大変遅れている。国民誰もが障害を持つ身になるか、その家族になるかは分からない。この法案も、廃案にしてきちんと障害者の自立支援を促す法案を作るべき。

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