放送開始当初はこのブログでも「大丈夫か?」と懸念した朝ドラ「カムカムエヴリバディ」だったが終わってみれば大変面白く、後半詰め込みすぎな面は否めないが最後まで回転焼きならぬ「尻尾まであんこの鯛焼き」のように楽しめた。
ロスは毎回あるのだが、すぐに次の朝ドラが上書きしてくれる。
くれるはずなのだが、どうも今回の「ちむどんどん」は開始2週間が経ってもその世界に入り込めない。
何度か申し上げた事があるが、東京制作の「あかんパターン」は
①とにかくキャストだけは豪華だが、ぬるい
②地方出身の主人公が東京へ出てから、見事につまらなくなる
の2つだ。
①で言えば前の東京制作「おかえりモネ」やその2つ前の「なつぞら」などはとにかくぬるく、②は、あの「あまちゃん」でさえも東京篇はしんどくなったのを覚えている。
「ちむどんどん」は、沖縄本島北部のやんばる地区の村から物語が始まっている。しかしこれもありがちだが、最初の週でヒロイン・暢子の家族である比嘉家の大黒柱の父親が急死してしまう。
母親(仲間由紀恵)一人で4人の子を育てねばならなくなり、家の借金もあるため母は土木作業員の賄いの炊事を始めたのだがらそれだけでは足りなくなり肉体労働にも手を出し、過労で倒れてしまった。
そんな中、口減らしのため東京の親戚に暢子を預ける事になったのだが、この展開はまさにあの「おしん」ではないか。
「おしん」の時代は知らないが、この設定は昭和39年。私は米国統治下の沖縄について全く知識はないのだが、普通に考えて困窮家庭には生活保護が適用されたはずだし、さらに言えば世帯主が亡くなったら住宅ローンは支払義務がなくなるはずだ。
もしそうではないのであれば、ナレーターにフォローしていただきたかった。
それほどの困窮家庭が、母親が身を粉にして稼いだおカネで子どもらの運動会用に体操服やズックを新調したにもかかわらず、それらを豚小屋の前に置き忘れて豚にボロボロにされるなど、とてもあり得ない。
我が家は比嘉家ほど貧乏ではなかったが、それほど買ってもらって嬉しかった体操服ならいっそ着て寝るし、ズックだって履いて寝るかもしれない(笑)。
私は「ひよっこ」や「カムカム」など悪い人が出て来ない物語が好きなのだが、この「ちむどんどん」には判で押したようなイジメっ子のガキ大将連中が登場する。
そんなガキ大将連中にイジメられるネタをわざと提供しているかのような置き忘れは、さらにあり得ない。
最も視聴者のツッコミが集まっているのは、父親の仕事のためやんばるにやって来た少年の和彦が全くイケてないという事だ(笑)。
過去のジンクスを破るためにも、東京篇でハジケてほしいと願うのだが、料理人になるなら頼むから「ひよっこ」の「すずふり亭」のようないい店で修行してほしい。
何かあったらすぐ閉店する、「まれ」の横浜の菓子店「マシェリ・シュシュ」などには行ってほしくない(笑)…