ほしちゃんの「続・なるようにしか、ならん」。

安くてウマいもんと料理と旅行と音楽と競馬が好きなサラリーマンの暮らしを、ありのままに綴ります。

アニー・ヒラカワは「経歴詐称&放送基準抵触」だった。

2022-04-05 18:00:00 | エンタメ

(写真は『iza!』より)

今週が最終週となった朝ドラ「カムカムエヴリバディ」が好調だ。朝ドラ史上初となる3代にわたるヒロインと先を読ませない展開で視聴率も良く、先日の「週刊文春」の特集も買ってしまった(笑)。
気の早い話だが、時代劇俳優・桃山剣之介の
「暗闇でしか、見えぬものがある。暗闇でしか、聞こえぬ歌がある」
が、今年の流行語にノミネートされるのではという声も聞かれる。

人気の理由のひとつに、藤本有紀の周到な脚本がある。決してとっ散らける事なく全て回収し、驚くような展開にもちゃんと裏付けを用意している。
中盤以降、視聴者の多くはヒモ状態のジョーとひなた・桃太郎を回転焼きの売上げだけで養っていけるのか?と疑問を抱いた。それだけにジョーがかつてのライバル・トミーと同じ舞台に立ちたいと唐突にピアノを習い始めたり、桃太郎が西陣高校を出て岡山の大学に進学するのは無理だ、という指摘も相次いだ。しかしジョーが受けたピアノのレッスン料はジョーの「トランペット吹けない病」の治療資金の積み立て。桃太郎の進学の費用は勇がるいのために貯めていたおカネと、全て裏付けている。

それほどまでに周到だった脚本も、ラスト週になり
「あのシアトル生まれのアニー・ヒラカワは、実は安子ではないのか?」
に視聴者の関心が大きく寄せられた段になって、アニーは安子だったと意外にあっさりとカミングアウトしてしまった。
しかもラジオ番組「みんな集まれ 磯村吟です」の中で。
安子はロバートと結婚して渡米し、るいから遠ざかるために名前をアニーと変えて暮らしていたのだとか。そのあたりの解き明かしも明日以降つまびらかにされる事であろう。

ネットではアニーが安子だとわかって涙腺崩壊、という声も多く見られたが、私は
「これは単なる経歴詐称ではないのか?」
と疑問ばかりが先に立ち、感涙とまでには至らなかった。
またラジオを通じて特定の人、すなわちるいだけに語りかけ続けるのはいわゆる「特定通信」にあたり、放送基準に抵触する事案である。

この物語は英会話番組やその世相を反映する流行歌なと「ラジオ」が一本の芯になっており、その意味でアニーがゲスト出演したラジオ番組でカミングアウトするのは実にこの番組らしい、といえばらしいのだが、これだけ綿密に作られた脚本の割に畳み方は妙な荒っぽさを覚える。
もっともこれは4/5(火)現在の感想であり、ラストまでのあと3話でそのさらに上を行く大どんでん返しがあるのだろう。いや、あってほしい…