上田龍公式サイトRyo's Baseball Cafe Americain  「店主日記」

ベースボール・コントリビューター(ライター・野球史研究者)上田龍の公式サイト「別館」

白いご飯や野菜を「うまい!」と思ったこと、最近ありますか?

2007年04月12日 | 

(野沢温泉村スキー場最高峰・毛無山山頂より) 

 

 先月のことになるが、長野県の野沢温泉村に3泊4日で出かけてきた。この冬はおそらく野沢温泉スキー場創業以来の少雪で、本来ならスキーシーズンたけなわだったはずの1月2月は、ゲレンデのあちこちにブッシュが顔をのぞかせ(ビールとケイト以外の「ブッシュ」はことごとく疎ましい存在だが=笑)、まるで「春スキー」のようなありさまだったという。それでも何とか営業できただけ野沢はマシだったようだが。 ところがご存知の通り、3月になると寒の戻りで山頂、山腹コースを中心にかなりの積雪があり、ほぼ3日間、久々にスキーを思い切り楽しむことができた(もちろん「楽しみ」のあとには全身の筋肉痛という「苦しみ」が待っていたのは言うまでもない=笑)。



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(素朴だが忘れられない「梅之屋」さんの夕食)



  この野沢温泉では、当地の民宿「梅之屋」さんを20年来定宿にしており、現在のご主人「トミー」こと富井達之さんご一家とはもう先代のお父さん・お母さんから二代にわたっていつもお世話になっている。
 ここでの楽しみは、夕食後、この宿の「貴賓室」でトミーさんや他の宿泊客、地元の皆さんと痛飲しながらあれこれくっちゃべること、そして心づくしの朝食、夕食である。 一見、何も贅沢なメニューは出ない。しかし、ここで食事をいただくと、白いご飯や野菜がこんなにうまいものだったのかと、いつも目からウロコが落ちる思いがする。詳しいことはここを訪れたときのお楽しみにしてほしいのだが、米や野菜、味噌汁などがうまいのには、もちろん理由がある。あと、蛇口をひねるだけで、都会ではまず出会えそうにないおいしい水もたっぷり味わうことができるのも最高だ。もちろん、この水を使った野沢の地酒もうまい!



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(「静寂」こそスキー場では最高のBGMである)




  野沢温泉スキー場のいいところは、ゲレンデに音楽が流れていないところだ。考えてみてほしい。都会は道を歩いていても、どの店に入っても、それを聴かされる人間の嗜好なんか一切お構いなしで、BGMの洪水だらけ。 駅など交通機関のアナウンスも相変わらず暴力的にうるさいし、電車の中では老若男女を問わず、傍若無人に大声でバカ話をしていたり、携帯で話している連中のオンパレードだ。そんな音に毒された都会生活の延長みたいに、某プリンス系のスキー場などでは、これまたこれでもかとBGMを切れ目なく流し続けている。ユーミンや大黒摩季、広瀬香美の曲なんて、間違いなくスキー場で覚えさせられたようなものだもんな(笑)。
 ゴンドラからブナや白樺の林を見下ろすと、ニホンカモシカが歩いていたり、リフトに乗っていて鳥のさえずりが時折聞こえるのも、このスキー場ならではだろう。それにリフトに乗っているとき、そして滑走しているとき、口や鼻から入ってくる空気のうまいこと!



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それに、こんなイイ男に会えるかも(笑)。




 トミーさんは、スキーシーズンばかりでなく、そんな野沢温泉村の四季が生み出す「非日常」を大いに味わってほしいと言っている。実際、これからの野沢は、この地を愛し、終焉の場所に選んだ国文学者・高野辰之博士が作詞した国民的名曲「朧月夜」そのままに、一面に咲き誇る菜の花の季節を迎えようとしている。2年前、私は夏休みの数日をここで過ごしたが、夏もまた快適。秋はなんと言っても新そばを堪能することができる。

 皆さんは、最近白いご飯や野菜を美味しいと思ったことがありますか? 水や空気がうまいと感じたことはありますか? そんなことが「非日常」ではいけないのだけども、もしそんな数日を過ごしたいと思ったら、ぜひ野沢温泉村に足を運んでもらいたいと思う。




(長野県野沢温泉村公式HP)
http://www.vill.nozawaonsen.nagano.jp/
(民宿「梅之屋」公式HP)
http://www.ntcs.ne.jp/umenoya/

 


 

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