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東大野球部のレベルアップこそ「六大学復興」につながる!

2007年04月15日 | Baseball/MLB

(スポーツ面での格差を克服してこそ真の「最高学府」だ)

  昨日は神宮球場に久々に多くの観客、しかも女性がたくさん集まった。まるで神宮が(ビートルズがコンサートを行なったときのような)NYのシェイ・スタジアムになったかのようだったといったら大げさか(笑)。

 それにしても、さすがに甲子園の大舞台で人並みはずれた度胸を身につけただけあって、斎藤佑樹は六大学の新人投手としては実に77年ぶりとなる開幕投手の大役を担いながら、あわや史上3人目のパーフェクトという堂々のピッチングを見せ、見事勝利投手になった。新人投手の開幕勝利は、長嶋茂雄(立大)以前、六大学の通算本塁打記録7本を保持し、のちに野球殿堂入りも果たした宮武三郎(慶大)以来、これも77年ぶりの大記録である。

 もっともその快挙が称えられる一方で、「相手が東大じゃなあ」の声があるのもまた確かである。これは悪口でなく、冷静な実力判断でモノをいうのだが、東京大学硬式野球部の実力は、おそらく駒大苫小牧をはじめ、斎藤が昨年夏の甲子園で対戦したほとんどの高校に及ばないと考えるべきだろう。
 東大野球部は、長い東京六大学リーグ戦で、唯一優勝経験のないチームである。その「実力」はぶり下記の六大学歴代記録でも証明されている。

○完全試合
 上重 聡(立大)2000年(平成12年)10月22日 対東大(2)
       投球数87 内野ゴロ12 内野飛球3 外野飛球5 奪三振7
○1試合最多奪三振 22個
 秋山 登(明大) 1954年(昭和29年)春 対東大(1)
○最多連続奪三振 9個
 大木 勝年(早大)  1970年(昭和45年)秋 対東大(2)
 長田秀一郎(慶大) 2002年(平成14年)春 対東大(2)
○1試合17奪三振以上
 過去10回のうち、7回が対東大戦(ただしうち2回は敗戦投手)
○六大学の歴代ノーヒットノーラン(完全試合含む)
 過去21回のうち9回が対東大戦
 東大投手のノーヒッターは 1927年(昭和2年)春の東武雄投手のみ

  根本的には、日本の「最高学府」に入るためには、子供のころから「文武両道」を犠牲にし、ひたすら「受験勉強」に明け暮れなければ赤門をくぐれないというゆがんだ教育制度の問題があるのだが、それにしても東大が六大学野球のなかで連盟設立から現在まで、ほぼ一貫して「ドアマット」「番外地」の座に甘んじているのは、ベースボールの普及・発展の見地から好ましいことではないし、「教育的」にもよろしくない。
 そもそも東大は、日本のベースボール発祥の舞台でもある。現在の高野連会長も東大野球部OBである。教養学部の前身である旧制第一高等学校は、内村祐之投手(のちプロ野球コミッショナー。野球殿堂入り)らを擁し、早慶戦勃興以前の日本野球界の最高峰でもあった。東大当局は、こうした野球部の歴史を見直し、学長をはじめ、野球部強化のプロジェクトに乗り出すべきではないのか? 
 
  斎藤君は頭のいい人だから、相手の実力も(敬意は表しながらも)きちんと冷静に分析し、自分の初勝利を決して過大評価はしていないだろう。
 東大野球部はいつまでも「江川から1勝」「斎藤から1勝」「早稲田、慶応、明治、法政に一矢」ではダメなのである。東大が真の意味で「六大学リーグ戦」を構成するに値する実力を身に着けなければ、六大学野球の本当の復興など、私はありえないと思う。


栄光のマウンド 早実VS駒大苫小牧

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1 コメント

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文武両道 (文武両道)
2012-11-20 20:52:03
東大野球部が文武両道を実践し、強くなると思います。

文武両道といえば、慶応義塾大理工学部の福谷浩司さんがドラフト1位でドラゴンズに指名されましたね。文武両道ですごいなぁーと思いました。野球一本で勝負してもなかなかプロ野球選手になれないのにねーーー。
慶応大理工学部でドラフト1位は本当にすごいです。応援していきたいですね。

陸上界や野球界、またサっカー界やラグビー界には文武両道のすごい人がたくさんおられますが、ゴルフ界といえば、坂田信弘さんくらいしか思い浮かびません。


ところが、大学ゴルフ界にも文武両道でがんばり、プロで戦える選手が出てきたので、紹介します。
まず、高野隆さんという選手です。彼は、東京大学法学部4年です。新潟県出身で、中、高校時代には日本ジュニアゴルフ選手権競技に4回出場し、文武両道で頑張り 、東大法学部に合格した。日本学生ゴルフ選手権競技には3回出場し、朝日杯争奪日本学生ゴルフ選手権には4年連続出場し、最高6位に食い込む活躍を見せた。さらに、厳しい予選を勝ち抜いて、日本アマチュアゴルフ選手権競技に出場したスーパー文武両道ゴルファーです。


次に、辻田晴也さんです。彼は和歌山県立医科大学の1年です。中学時代には大阪府ジュニアゴルフ選手権2位、関西中学校ゴルフ選手権4位、全国中学校ゴルフ選手権で24位に入った男です。高校は天王寺高校に進学し、さらに高校時代には全国高等学校ゴルフ選手権に3回出場し、関西高等学校ゴルフ選手権では最高2位になるなどの活躍をしてきた男です。大学は和歌山県立医科大学に進学し、六大学交流戦では3アンダー69で回り、2位に13差をつけ圧勝し、西日本医科学生総合体育大会では2打差で敗れ2位、西日本医歯薬新人戦では2アンダー70で回るものの、マッチングスコアカード方式で2位となった。将来は医者兼プロゴルファーになるでしょう。
最近の若い選手は、強豪私立高校、大学に進学してからプロになる選手が多いだけに、この人たちは異色ですね。楽しみです。

ゴルフ界も他のスポーツ界に負けずに、将来は文武両道プロゴルファーが誕生するでしょう。

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