林道ツーリングガイドブック2017~2018で群馬県の栗原川林道が紹介されていた。バイク・ツーリングやスキーでよくゆく吹割の滝や赤城山の近くだ。33キロもある関東屈指のロングダートとのことなので、10月の休日に走りにでかけてみた。
足尾銅山につづく国道122号線沿いにある道の駅くろほねやまびこで休憩する。
おばあちゃんが売っていた赤飯のおにぎり110円が美味しそうなので買った。ゴマがよい感じである。
道の駅のすぐ先にある県道62号線で北上する。このルートはスキーの行き帰りに国道120号線の沼田街道の混雑をさけるために何度か走ったことがあった。冬はアイスバーンのすごい道である。林道へは根利で山道に折れるのだが通過してしまった。ミスに気づいて引き返し、林道の入口についた。根利川をわたった先に百名山のひとつ皇海山(すかいさん)の案内がある。これが目印だ。
この先は舗装林道がつづき、やがてダートとなって鹿避けゲートにでる。ただ道なりにゆけばよいのだが、林道ガイドブックはY字を右にすすむように書かれている。こんなところはないからずいぶん行ったりきたりしてしまった。林道ツーリングガイドブックはこういうミスやわかりづらい記述が多い本だ。他の林道でもこういうことがあった。
ここで迷っていると最新のアフリカ・ツインが集団で山からおりてきた。モトクロス・タイヤを装備した人たちだった。
道なりにすすんで鹿避けゲートにでた。
ゲートではジムニーのグループといっしょになり、先にゆかせてもらった。
栗原川林道は険しいダートだが、それが楽しい。
落石が多くそれを道に敷いて再利用している。
粒の大きな石が散らばっているのでハンドルをとられるし、バイクがあばれる。それも面白い。
コブシ大の石もころがっている。
ジャリは深くない。玉石、大石が路上にあるが全体によく整備されていた。
自動車2台をぬき、セロー1台と車3台とすれちがった。百名山の登山口があるから交通量は多いようだ。
ここではハーレーのスポーツスターとすれちがった。そのバイクでも走れるとは思うがわざわざそれで来なくともと思う。スポーツスターははげしく暴れていたが、ライダーはオフを走りなれていて、バイクをねじ伏せながらアクセルを開けていた。
長い距離があるので林道は上りや下り、沢沿いなどいろいろな表情を見せる。山歩きや渓流釣りの人の車がとまっていたりした。
20キロで皇海山の登山口についた。登山者の車がたくさんとまっている。
登山口。
案内の看板。
クマもいるよね。
写真をとっていると、すぐに山をおりますか?、とライダーらしき人に話しかけられた。そのつもりですけど、と返事をしたが、神奈川ナンバーの赤いトライアンフで来ていたその方は、じつはバイクのエンジンがかからなくなってしまって困っている、と言う。オーバーヒート・センサーがパンクしたようで、エンジンはかかるがすぐにストップしてしまうのだそうだ。
困っているときはお互い様だ。ここは圏外で電話は通じないから救援をよぶこともできない。山をおりてJAFに電話をしましょうか?、と言うと、トライアンフ氏はJAFの会員ではないし、保険に入っていてその無料レッカーがつかえるとのこと。しかしネットにもつながらないからその電話番号がわからない。それで私が山をおりてJAFに電話をすることになった。ただ山をおりてから救援を呼んだとしても、かなり時間がかかると思うとトライアンフ氏には言っておいた。
吹割の滝にむけて下っててゆくが急坂で荒れた坂道だ。アップ・ハンドルのスポーツスターならばまだしも、前傾姿勢のトライアンフでよくこの道を上ってきたなと思う。
途中には撮影ポイントの素掘りのトンネルがある。
バイクをとめて写真をとった。
一部舗装してある部分もあるが、それがはがれていて、全体にけわしいルートだった。
30、4キロでダートをぬけたと思った。しかしこの後も断続的に未舗装路はつづいていた。
ここが林道の出口である。ここからトライアンフ氏のいる皇海山登山口まで15キロくらいはありそうだ。携帯がつながったのでJAFに救援依頼の電話をいれた。しかしトライアンフ氏の姓だけ聞いていたが、名前も住所も携帯番号も、バイク名もナンバーも聞いていなかったのだ。それを代理の私が話すと言うのは難しく、車名はたぶんと思われるものを告げて、エンジンがかからない症状も聞いたまま伝え、栗原川林道を15キロはいった皇海山登山口にいってくれとたのんだのだが、JAFのオペレーターも不安になるような内容だと思う。しかもトライアンフ氏は圏外の場所にいるから、本人には連絡はつかないのだ。私は自分の名前と住所、電話番号と会員番号を告げたが、トライアンフ氏はバイクが動いて帰ってしまったりしないよね、と心配になったりした。
トライアンフ氏も気になるが時刻は14時で昼時をすぎている。昼食をとることにした。
沼田に下ってゆくがこの国道120号線はとんかつ屋が多いので、とんかつ街道とよばれている。
とんかつを食べたいと思っていると古いクラウンを店先にディスプレーしているとんかつ屋がある。あづま、という店だ。ここに入ることにした。
あづまはとんかつと田舎そばの店だと言う。とんかつが食べたかったのだが、そばもおしているのて、田舎そばと特選とんかつのセット1980円をたのんだ。
とんかつは分厚いので、女将さんがもってきてくれたときに、すごい、とことばがでてしまった。カツはとてもやわらかいが薄い肉をミルヒィーユ状に重ねているのかもしれない。これは確かめなかった。とんかつは食べごたえがあり、おいしかった。
田舎そばは手打ち、手切りの味のあるもので香りがよく、気に入った。ブツブツと切れやすいのは十割だからだろうか。とんかつもよいが蕎麦のほうが私は好みだった。接客も親身。☆5点満点平均3点で3、7点。
あづまにはクラウンだけでなく船もディスプレーされている。
赤城山を通って帰ることにする。
久しぶりに赤城の北面をのぼる。昔は走り屋のメッカだったところだ。大沼について休憩した。
赤城神社にもいってみた。気温は16℃と山の上は肌寒い。
大沼湖畔にある無料のキャンプ場も見にいってみた。狭いキャンプ場だ。混んでいるし、雰囲気がイマイチだから私は利用しないな。
10月の初旬である。赤城山は紅葉がはじまっていた。
この後赤城をくだって太田の道の駅で休憩した際にJAFに問い合わせてみた。トライアンフ氏が救援されたか気になったのだ。すると4時間もたっててるのにまだむかっていないとのことなので、驚いてしまう。呆れもした。何をやっているんだとオペレーターに噛み付いた。山の中はもう日が暮れてしまうぞ、早く行ってあげてくれ、と言って電話を切った。
そしてさらに2時間後、GSで給油をしているとJAFから電話がきた。トライアンフ氏を救援したという報告かと思ったら、JAFの指令センターですが、お客様のいらっしゃる場所の確認をさせてください、と言っており、私とトライアンフ氏をまちがえているのだ。そのことを言ってまだ救援に行ってないのか、何時間たったのだ、と言うと、トライアンフ氏は山をおりて電話のつながるところで待機しているとのこと。また今日は同じような山の中の救援があって、そちらの対応が長引き、やっとトライアンフ氏の順番になったそうだ。電話番号はかけまちがえたが、トライアンフ氏とは連絡をとりあっていること。どんなに遅くなっても救援には行くことなどを聞いた。たのむよ、と言って電話を切った。
トライアンフ氏は誰かに乗せてもらって山をおりたのだろう。それなら自分の入っている保険の無料レッカーにも連絡がとれたはずだと思うが、じっさいに林道の中まで救援に来てくれるのはJAFしかないと思う。だからトライアンフ氏もJAFと連絡をとったのだろう。
いろいろとあったが関東屈指のロングダートの栗原川林道はとても気に入った。これからも定期的に走りにゆこうと思う。
途中で色気がでて、オフ車でいつも行く林道に入りました。
ここなら883でもokだよなと判断で入りましたが参りました。腹は打つし滑るは重いし…
適材適所がありますね。
家内とタンデムでした。
883もご所有でしたか。スポーツスターでオフロードはきついですが、ジャリ道を乗りなれていれば、その気にもなると思います。奥様との素敵な思い出ですね。