2016年の北海道ツーリング。この日はすすき野に飲みにきた。北の味 のつけ、で飲んだ後でもう1件ゆきたくなり、あらかじめ目をつけておいた昭和レトロな炉端焼き屋の、たかさごや、にゆくことにした。
店に入ったのは21時前だったと思う。21時半でオーダー・ストップだがよいかと聞かれ、2件目で長居する気はないから、うなずいてカウンターに腰をおろした。ホッピーが飲みたいがないのでレモンサワー400円にする。つきだしはアサリを焼いたものと落花生を煮たもの。南京豆は新物とのことだが、煮たものははじめてで、味がなかった。薄味なのかな?
生カキを注文すると、終わってしまったとのこと。そこで宗八カレイにしようと思うが、大きいとたべられない。女の子にどのくらいなのかたずねると、彼女は自分の手のひらをしめして、このくらいと言う。そのくらいがちょうどよいので、この800円を注文した。
カレイは主人が鉄串をうち、尺塩をふって焼きだす。炉端は目の前で調理のようすが見られるのがよい。魚に串をうつ場所や魚体をうねらせて串をさしいゆくようす、塩をふる手つきなどが、当たり前だが決まっている。この店は主人夫婦とバイト3人でまわしていた。
宗八カレイは10分ほどで提供された。表面は焦げているが中はよい加減になっている。私が魚を焼くときは焦がさないように弱火で時間をかけてやるが、プロは強火で一気に仕上げるのだなと感心した。
宗八カレイには日本酒がよいだろうと思い、いちばん安い酒、金滴330円を燗でたのんだ。安酒だけあってツーンとくるものだったが、こいつでカレイをたべるといけた。
オーダー・ストップの前に暖簾を仕舞ってしまった。営業は22時までだったと思う。もう少し店を開いていれば売り上げはそれなりに上がると思うから、欲のない経営だなと感じた。
目の悪い客が入ってきた。暖簾がかかっていないのが見えなかったのか、それとも常連だからそれもわかっていたのか。その人はみやげを主人にわたしている。主人はそれをうけとり、カウンター越しに席の誘導をした。もうちょっと右、もうすこし、そこ、と。
常連客は生ビールを注文した。主人は、カレイ、サンマの塩焼き、イワシの刺身、とできるものを言う。その人はサンマの塩焼きをえらんだ。主人はみやげの品を自分と客にもだして、残っていた3本のサンマをとりだした。そのサンマの肩や腹をおしていちばんよい魚をえらび、鉄串をうち、尺塩をふって焼きだす。ここはよい店だ。料理の手際がよいし、客扱いにも品がある。また来たい店だ。
お会計は2140円。お通しがちょっと高い。☆5点満点、平均3点で3,5点。