KISSYのひとりごと

日々感じたこと、ドライブ日記やDVDのレビューなど…徒然なるままに綴っています。

THE NEXT MEGAQUAKE(巨大地震)

2013-04-02 21:26:36 | 教養・ドキュメンタリー

 「THE NEXT MEGAQUAKE」(巨大地震)とは、NHKスペシャルの特集のタイトル。これまでにシリーズ2回、計7番組が放送され、4月7日には第3シリーズがはじまります。今日4月2日は、かつて「NHK特集」として放送されていたドキュメンタリー番組が「NHKスペシャル」に改変され放送を開始した日です。

 さて「NHKスペシャル」は、NHKオンデマンドで視聴することができるので、「MEGAQUAKE」の第1回放送分を購入しました。サブタイトルは「巨大地震をつかめ 人類の果てしなき闘い」です。これまでは不可能とされてきた巨大地震の予知に挑む地震研究者(クエイクハンター)の闘いに密着します。

 この番組が放送されたのは2010年1月10日、東日本大震災の1年前です。そういうこともあり、番組の焦点は南海トラフが引き起こすと予測されている東海・東南海・南海の3つの地震の予知へのとりくみとシミュレーションにありました。もちろん番組では南海トラフだけでなく、「いつどこで巨大地震が起こってもおかしくない」という研究者の声も紹介されています。

 私が興味を引かれたのは、番組の前半に紹介される東北大学のとりくみです。阪神・淡路大震災の教訓から「短期的な予知は無理でも長期的な予測ができないか」との思いで調査をすすめる研究者の姿がそこにありました。そして、この研究者は1999年に「2001年11月までに釜石沖でM4.8の地震が発生する」という論文を発表、当時はこの大胆な予測が大きな議論をよんだといいます。

 そして、論文発表から2年後の2001年11月13日。釜石沖を震源とするM4.8の地震が発生。予測は現実となりました。なぜ、ほぼ正確な予測ができたのか。

 東北大学が行なったのは、過去40年間に東北地方で記録された8000を超える地震波の徹底的な調査でした。すると、1985年、1990年、1995年に発生したM4を超える地震の波形が、揺れの始まり方、大きな揺れの形、揺れの長さがほぼ一致。この3つの波形を計算すると、その全てが岩手県釜石市沖のプレート境界半径1kmの範囲で起こっていたことがわかりました。

 広大なプレートの境界のなかでも、プレートが滑りやすい場所と滑りにくい(ひずみがたまりやすい)場所(アスペリティ)があるそうです。アスペリティではプレートが強く固着し徐々にひずみがたまり、限界に達するとプレートがはがれ地震が起きるというのです。そのひとつが釜石市の沖にあったのです。

 研究者は「単純に経験則から 過去3回地震があったから もう1回起こりますよ という話じゃなくて そこにはそういう性質の場所がある」(NHKの字幕より)といいます。そして三陸沖には釜石沖だけでなく1300を超えるアスペリティがあることもわかりました。番組ではそのアスペリティの場所をCGで再現。東北沖のプレート境界の形が分かるほどに密集しています。

 今にして思えば、5年周期であれば2001年の次は2006年。2006年は番組では紹介されませんでしたが、気象庁の公式サイトによると4月22日に宮城県沖を震源とするM4.6の地震が発生しています。釜石沖のアスペリティではないのかもしれませんが、その直近でM4以上の地震が発生していたのです。そして2011年3月11日、三陸沖でM9.0の地震が発生したことは誰もが知っていることでしょう。

 この「MEGAQUAKE」を知ったのは、4月7日にはじまる第3シリーズを前にして再放送された第2シリーズの第3回「大変動期 最悪のシナリオに備えろ」を見たのがきっかけでした(3月28日。本放送は2012年6月9日)。番組は3.11の大地震によって、これまでのモデルでは想定できない地震が日本のどこでも起こりうると警鐘をならしています。日ごろからの備えと同時に、災害に強いまちづくりが求められていると実感します。

 ちなみに、今日4月2日はソロモン諸島でM8.0の大地震が起こった日でもあります。

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