昨日25日、「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と、県内移設に反対し、国外・県外移設を求める県民大会」が開かれました。会場の読谷村運動公園は、渋滞で会場に入れなかった人もふくめ9万人の参加者で溢れかえったそうです。
大会が採択した「決議」によれば、普天間基地の返還は1996年のSACO合意から13年を経た今日まで実現していないとのこと。米海兵隊所属の米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落したのは2004年8月13日。誰の目から見ても住宅地のド真ん中に軍隊の基地が置かれているのは異常なことなのではないでしょうか。
大会の報道と大会の「決議」→こちら(「琉球新報」HP)
私は10年ほど前に約1ヵ月半の間、沖縄市に出張したことがあります。その間、毎日、目にし耳にしたのは嘉手納基地に離着陸する米軍機の姿とその爆音でした。私の住んでいた松本市にも信州まつもと空港がありますが、住宅地の真上を米軍機ほど低空で民間機が飛行することはありません。法律で定められているからです。その法律さえ無視し、爆音を撒き散らすだけでなく生命をも脅かす米軍基地は沖縄県内はもとより日本国外へ移設してしかるべきでしょう。
出張の際、滞在していた沖縄市のホテルから那覇空港に向かう途中の光景も異様でした。改めて地図をみると、キャンプ瑞慶覧(北谷町)、普天間飛行場(宜野湾市)、キャンプ・キンザー(浦添市)の横を通ったようです。国道沿線に続くフェンスと遠くに見える建物にはためく星条旗。「いったいここって日本なの?」と錯覚を覚える光景でした。このような光景が私が体験した沖縄県中部~南部だけでなく沖縄県全域に広がっているのです。
縮尺を小さくすると沖縄県中「米軍基地だらけ」
の様子が手に取るように分かります
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Google 沖縄の米軍基地マップ
「県民大会」では高校生の代表が、「基地問題は沖縄県民だけでなく、日本国民すべての人が自分の問題として考えてほしい」と訴えたそうです。まったくその通り。いま米国は米国外の基地の「効率的」な運用をはかるための「再編」を行なっています。その一番の被害者が沖縄県であり、米軍基地を抱える日本国内の自治体とその住民です。
今回の「県民大会」は、「普天間基地の国外・県外移設」を求めるだけでなく、日米安保条約や在日米軍基地のあり方を問い直す歴史的な大会として後世に語り継ぎ、そしてまた「米軍基地のない日本」実現の運動を大きく広げる契機にしなければならないでしょう。党派の違いを超えて成功させた大会なのですから。
ところが、心配なのは鳩山首相の発言。「沖縄タイムス」によると「鳩山由紀夫首相は26日、米軍普天間飛行場をめぐり25日に約9万人(主催者発表)を集めて開かれた県内移設に反対する沖縄県民大会について『民意の一つの表れと理解している』と述べた。公邸前で記者団の質問に答えた。 」(記事は→こちら)とのこと。昨年の衆院選前は県外移設を公約し政権についたら掌を返すような民主党。「民意の一つの表れと理解している」と言いながら、自らの公約もかなぐり捨て、民意をもないがしろにするのは、総選挙のときにあなたがさんざん批判してきた自民党政権がやってきたことですよ。鳩山さん。
昨日の「県民大会」に対して、日本共産党の志位和夫委員長は「この力は必ず歴史を動かす」と頼もしいコメントを発表(日本共産党HP)。政権党の民主党はHPに記事も掲載せず、連立を組んでいる社民党も「民意のひとつの表れと理解している」とコメントした鳩山首相に「頑張れ」とエールをおくるだけにとどまっていました(社民党HP)。