昨日は『方丈記』6回目の講座だった。
貴族に生まれながら、作者鴨長明は一族間のトラブルで落ちぶれ、50歳で出家遁世してしまう。
時代背景が、貴族社会から武家社会に移行する混乱期ということもあって、『方丈記』には無常観が満載である。
授業の終わりに生徒の一人が先生に話しかけました。
「長明が何を言いたかったのか、何を読み取ればいいのか、探りながら読んでます。」
そしたら先生が、
「いいことを言われましたね。ですが、長明にはあんまり期待せん方がいいです。」
と、答えたのでちょっと笑いが出ました。
「世俗の執着を断ち切ろうと隠遁し仏道修行に入ったわけですが、長明とて生身の人間、それは捨てきれない欲望の裏返しであった。」
と先生はおっしゃいます。
『捨てきれない 荷物のおもさ まへうしろ』
という、山頭火の句を思い出しました。
彼も又煩悩の人だったんでしょうね。
かく申すワタクシも。。たぶん。。煩悩まみれ。。
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