梅雨明け十日前後となる一年でもっとも暑さの厳しい時季。今年は六月の梅雨明け宣言ということで季節感が少しずれてしまった感があるが梅雨の戻りもあって、実際の梅雨明けは七月二十二日前後だったのだろう。
陰陽五行説では、春は木、夏は火、秋は金、冬は水。そして季節の間が「土」。つまり年に四回「土用」をもうけている。季節の変わり目に体調が優れないことはこうした古くからの慣習でわかっていること。現在では土用と言えば夏から秋へと移り変わるの土用の期間で、それだけ暑さの厳しい身体も疲れやすいじきに当たる。
夏の土用は立秋前の十八日間のことでこの間の丑の日が 「土用の丑の日 」と呼ばれ鰻など「う」のつくものを食べたり 「丑湯 」という薬湯に入ったりする習慣がある。
今年の土用丑の日は実は二回あり、七月二十三日と八月四日に当たる。
暑さの表現も様々で、過度の暑さを「酷暑」、燃えるような暑さを「炎暑 」暑さの盛りを「極暑」などという。地面から立ち上る熱気を「陽炎 」。様々な呼称で暑さを伝えながら、季節はいつしか秋へと歩を進める。
緑色の蜜柑の実が夏の盛りを伝えているようでもうしばらく真っ青な夏空とのコントラストを目に焼き付ける季節。
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