皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

真榊とヒサカキ

2019-10-09 21:14:02 | 神社と歴史

 木に神と書いて「さかき」と読む。古くから神事に用いられた植物で、神棚に捧げられたり、玉串にも用いられる。榊の語源は神と人との境であることから「境木」の意味から発生したという。また常緑樹である栄える木「繁木(さかき)」ともいわれている。深い緑が美しい広葉樹だ。

ところで榊は関東以西の比較的温暖な地域で生育するため、東北など榊が育たない地域においては類似種のヒサカキを用いる。榊に似ているが、「榊に非ず」との意味合いから「非榊」あるいは葉ぶりの小さいことから「姫榊」と呼ばれる。本来は「柃(ひさかき)」と書くそうだ。

それぞれ区別するために、本来のサカキを「本榊」「真榊」と呼ぶところも多い。見分け方は葉が大きく葉の縁が滑らかなのが「真榊」で葉が小ぶりで縁がギザギザしているのが「非榊」。一般的に花屋やスーパーで店頭販売されている神棚用榊のうち、ヒサカキが99%でそのうち87%は輸入品とされる。国産は僅か13%しかないそうだ(2013年時点)。

当神社境内には本榊、非榊ともに植樹されているが、特に本榊については害虫もつきやすく、国産の出荷用業者が少ないことがよくわかる。

但し本榊は生命力が強く、神前に供えて水を換えれば長い間その青々とした姿を保ってくれる。

 

 


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