生垣に用いられるバラ科の常緑樹カナメモチ。ホームセンターなどに置かれている苗木はレッドロビンと呼ばれカナメモチとオオカナメモチの配合種で特に新芽の赤色が鮮やかなことから「紅カナメモチ」とも呼ばれている。桜と前後するように今の時期紅色の鮮やかな新芽が美しい。
カナメモチとは扇の要に用いられ、「モチノキ」に似ていることから「要黐」と名付けられたという。
春には小さな白い花を咲かせる。清少納言は「枕草子」の中でこの花をそばの花に見立てて「ソバノ木」と呼んだそうだ。だからモチノキのことを今でもソバノ木とも呼ぶことがあるらしい。
カナメモチの花言葉は「賑やか」。新緑が鮮やかな赤色をしていることからついたという。時間をかけて緑に変色していく姿がまた趣が深い。
土地の境界を隔てるのには塀や石垣よりも生垣がいい。剪定に手間もかかり煩わさも感じるが、その分自然の温かみがある。
神社の参道に植えられたカナメモチは四十年以上前に先代宮司である父と、隣村の植木職人が植えてくれたものだ。二人とも亡くなってしまったが、縁あって今はそれぞれの孫が小学校の同級生として仲良く学んでいる。
縁とは不思議なものだ。そして末永く続いて欲しいと願っている。
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