新宿駅西口を出て都庁に向かう途中青梅街道を左に一本入ると、新宿エルタワーの緑地の中に小さな史跡を見ることができる。現在は都の旧跡指定となっている、「策の井」と呼ばれる井戸の跡。「策」は即ち「鞭」と同意でかつて家康公がこの地で鷹狩に用いた鞭を洗ったとする伝承に由来するという。
都の旧跡書によれば、江戸期より名井として知られ天保年間に出版された戸田茂睡の「紫の一本(ひとひも)」の中に『策の井は四谷伊賀の先にあり、今尾張摂津下屋敷内にあり、東照公鷹野に成られし時、ここに名水ある由きこし召し、水を召し上げられ、御鷹の策の汚れを洗われたる故、この名あり」と記されているという。同じく享保年間に記された「江戸砂子」にも同様の記載があり、昭和年十六年に都の旧跡となっている。
史跡と旧跡に違いにつてはその指定が戦前ならば旧跡、戦後であれば史跡とされているようだ。都内には勿論多くの史跡が残っており都市開発と共にその形も補修されたものも多い。オリンピックを一年半後に控え都庁周辺の工事も師走を迎えながらあわただしく進められていた。
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