皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

加須市不動岡 いちっ子地蔵①

2022-02-21 20:52:53 | 史跡をめぐり

埼玉県下最古の歴史を誇る県立不動岡高校。旧制埼玉中学の創立以来幾多の苦難を乗り越え多くの卒業生を輩出する県東部の伝統校の裏にはひっそりとお地蔵さまが立っている。石碑としては三体あって、向かって左から単身、中央に六連、右に双身の体で佇む。

そもそも不動岡という地目の由来は、高校の西側に鎮座する總願寺の境内に建つ不動堂に由来する。その歴史は古く時に長暦三年(1039年)の洪水によって流れ着いた不動明王を拾い上げ、安置したことによるもだという。

ところがそれだけにはとどまらず、このお不動様、かつてはほかの地で安置されていたものが盗まれて、それが洪水によりこの近辺(羽生領)に流れ着いたものであったという。しかも初めにこの辺りで拾い上げられた場所は、今の不動岡の地から遡ること3キロほど西の場所であったという。
流れてきた不動明王を村人が拾い上げたところ、地面が揺らいだという。そう大きな地震が起きたのだった。
洪水に続いて大きな地震が起こり、村中恐れおののいた。お不動様が怒ったのに違いない。そう思い込んで拾い上げた不動明王を再び川へ流したという。その場所が現在の加須市岡古井。すなわち岡震えが転じた地名だという。
皿尾久伊豆大雷神社には岡古井からの参拝者が古くからいらした。かつて病で悩んだところ当社に祈願し治癒したことから毎年のようにお礼参りに来ていると聞いている。

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