HIRO伝説

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乃木坂46 星野みなみ&若月佑美 1期生コンビが語る、7年目突入したグループの勢いと未来!

2018年08月10日 15時26分31秒 | 乃木坂46

 乃木坂46が8月8日に21stシングル『ジコチューで行こう!』をリリースした。

 7月6から8日に明治神宮野球場と秩父宮ラグビー場を使って開催された『真夏の全国ツアー2018 ~6th YEAR BIRTHDAY LIVE〜』でも披露されていたシングル表題曲は、前作「シンクロニシティ」でみせた表現から趣きを大きく変え、ポップな夏曲に振り切ったものになっている。2会場での同時開催という巨大ライブでグループの勢いを知らしめた乃木坂46は、今回のシングルや開催中の全国ツアーでどんな景色を描こうとしているのか。1期生メンバーの星野みなみと若月佑美に、7年目に入ったグループの現在地を聞いた。

星野「今までのバースデーライブの形が覆った」

 左から若月佑美、星野みなみ

――『真夏の全国ツアー2018 ~6th YEAR BIRTHDAY LIVE〜』から、今年の全国ツアーが始まりました。バースデーライブを兼ねた今回のライブは明治神宮野球場と秩父宮ラグビー場の2会場を使ったシンクロニシティライブという試みを行ないましたが、両会場を何度も移動しながらのパフォーマンスはどんな体験でしたか?

星野みなみ(以下、星野):めっちゃ大変でした。二つの会場を移動しながらになるので休憩時間がまったくなくて。移動している最中も歌っていたので、いつものライブよりハードだった感じもします。

若月佑美(以下、若月):トライアスロンじゃないですけど(笑)、ひとつの競技みたいな感じでした。2つの会場を行ったり戻ったりしなければいけないので、リハーサルもセットリストの順番通りではなくて。秩父宮にいるうちに秩父宮でやる楽曲のブロックをまとめてリハーサルして、そのあと神宮に移動して……という流れだったので、セットリストすべてを通すのは本番ぶっつけのような感じでした。

星野:今回は2会場それぞれのセットの作りも違うしね。それとメンバーが2つの会場に分かれるので、ファンの方々にしてみたら自分のいる会場に推しのメンバーがあまりいなかったりするじゃないですか。だから、その時間も私たちが楽しませようって気合が入りました。

――ファンにとって“推しが目の前にいない時間”があるのは気になりますか?

若月:若干なるよね。

星野:私のお母さんも「みいちゃん来ないなあってずっと待ってたよ」とか言ってて(笑)。でも逆に、いつもは推しの子しか見ていなかったのが、そういう時間に違うメンバーのことも気になってくれていたら嬉しいですね。

若月:毎回、コール&レスポンスをして盛り上がってくださるおかげでひとつのライブが出来上がるんですけど、今回はきっと今まで以上に助けてもらった。みなみが言っていた通り、推しがいない間も楽しんでくださったり、2つの会場を中継でつないでMCをするときは、映像を通じて会話やコール&レスポンスをしてくれる。本当にファンの方に感謝しないといけないなと思いましたね。

――セットリストもこれまでのバースデーライブのように持ち曲すべてを披露するという縛りをなくして、シングル表題曲の割合が多い構成になっていました。

星野:バースデーライブだからデビュー曲から順番に全曲やるんだろう、というのが覆りましたよね。毎年決まったことをやるのも大事だけど、新しい形もすごく新鮮さがあって、“ライブ”という感じも強く出せてよかったなと思います。

――ライブの構成が大きく変わったのは、グループの世間的な知名度も上がって、より広い層の人たちに届けるためのライブになったということでもあるのかなと思いました。

星野:これまではチケットが手に入らなかった方とか、気になってたけどライブには来たことがなかった方、最近気になってきたという方も含めて、今まで以上に来られる人数が多かったんです。それを思うと、ちゃんとした姿を見せないとって考えますね。それに客席を見ていて、いろんな層の人が来てくれていたのも嬉しかったです。各地方でのツアーもそうですけど、あんなに会場が大きいのにたくさんの人が来てくれる。いまだに「すごいなあ」ってちょっと客観視しちゃう部分があります。

若月:昨年末にレコード大賞をいただいたり、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)に出させていただいたりして、ちょっとだけ世間の方にも認知してもらえたかなという印象で去年を終えたあと、今年に入って大きな会場でライブをするのはバースデーライブが初めてだったんですよね。なので、ここであらためて名刺を見せるじゃないですけど、「乃木坂46ってこういう感じなんです」と提示できた手応えはありました。それから、ライブ中に静かに聴いている方も意外と多くて、それが逆に嬉しかったです。どこで誰の名前をコールするか分かっている方や、ペンライトの色をすばやく変えてくれる方がすごく私たちの支えになってるんですけど、そうしたファンの方々の周りにあるもう一つ大きな円というか、新たに乃木坂46に興味がわいて来てくれた方々がいるんだなと感じて。

――興味の持ち方も楽しむ方法も、お客さん全員が同じではないですからね。

若月:そうですね。好きなメンバーや曲などがきっかけで観に来てくれた方々が、今度はライブでの一体感も面白いなと思ってもらえたらいいですよね。

――今回、バースデーライブの印象として興味深かったのは「制服のマネキン」の進化だったんです。乃木坂46がデビューから一年も経たない頃に作られた楽曲ですが、今ではセンターだった生駒里奈さんも卒業し、グループは7年目に入って当時よりもはるかに成長しています。かつてと同じ楽曲ではありつつも、現在の乃木坂46の成熟度をもとに新しい表現を作っているように見えました。パフォーマンスする側の意識としてはいかがでしょう?

星野:やっぱり「制服のマネキン」を好きな人は多いから、最初のうちはそれを崩しちゃうのはどうなんだろうとも思いました。じゃあ生駒ちゃんがいなくなってからどうなるのかなと思っていたら、今回はダンス色が強くなっていて。初めて観に来てくれた方はライブバージョンのものとして楽しんでもらえたらいいし、今までいっぱい見てきてくれた方々も、いつもと違う「制服のマネキン」もいいなって思ってもらえてたら嬉しいですね。いろいろ挑戦しないといけないとはすごく感じるんです。大きい挑戦ではあったけど、いいチャレンジだったなと思います。

――楽曲がリリースされた当時のオリジナルと現在のパフォーマンスとの距離感って、若月さんはどう考えていますか?

若月:オリジナルのフォーメーションでダンスをするとき、当時のメンバーがいないポジションがあると、不思議とそこに違和感が生まれてしまうというか。たとえば「制服のマネキン」だったら、センターの生駒がいないですよね。そのときに、そこに誰が入るのかとか、「〇〇が△△の役をやっている」みたいにファンの方々から見えてしまうのは、楽曲を聴いてもらう上でちょっともったいないかなと思っていて。それだったら、もうフォーメーションも違って、誰が何のポジションをやっているかもわからないくらいの方が、すっと曲が入ってくるというか、曲自体を盛り上げてもらえたり楽しんでもらえるのかな、と。今後の課題は、卒業するメンバーがセンターを務めた時の楽曲とかをどう披露していくか。他にもソロの楽曲だったり、二人組ユニットのうち一人がいないというときに、その歌をそのまま披露しなくなるのはちょっともったいない。すごくいい曲ばかりなので、どういった形で今後届けられるかっていうのが課題ですね。

――デビュー当時から現在まで在籍しているメンバーも皆7年目に入って、必然的に成長もしているし進化もしています。表現する側として、かつてとは感じること、考えることも変わっているんじゃないかと思います。

星野:自分たちも変わるしファンの方も変わるだろうから、常に変化してないといけない仕事ではありますよね。うーん、私はあんまり変わってる実感は大きくはないんですけど、以前からのものも大事にしたいなというのは個人的には強いです。それをなくしちゃ元も子もないというか。昔から見てくれてる方から「変わっちゃったね」みたいに言われるのも嫌だし。だから、昔からのものも残しつつ良くなってきた、じゃないといけないなって。でもあんまり器用にもできないので難しいですよね。

若月「メッセージ性の強い曲も表現できるようになった」

――進化という意味では、前作シングル表題曲「シンクロニシティ」は、ダンスなどライブパフォーマンスの面も含めて、今の乃木坂46だから成立した表現のようにも思います。乃木坂46の活動をしていくなかで、以前とは違う成熟度の表現ができるようになったと感じたタイミングはありましたか?

若月:このときを境に、ということではないんですけど、乃木坂46の主要メンバーの年齢が上がってきたことで、歌詞とかの説得力が強くなったなとは思っています。明るい曲や元気を与える曲は若くても結構できるんですけど、しっとりしていてメッセージ性が強くて、そのメッセージも学生の時期ならではのものとは違って――。そういう表現は今だからできたのかなとはちょっと思います。「シンクロニシティ」はそういう曲なので。まいやん(白石麻衣)がセンターだからこそ伝えられたものもあるはずだし……と思うんですけど、(星野に)どうです?

星野:ええっ(笑)。なんですかねー、それぞれの個性もありつつですけど、以前よりも意思統一というか、まとまる時はまとまれるようになっているから。みんなで同じものに向かっていく、という気持ちが強いからなのかなって思います。

若月:「『シンクロニシティ』を聴いて泣きました」って、サラリーマンの方が言ってくださったんですよ。その方は、それまでちょっとすっきりしない感情で過ごしていたらしいんですけど、通勤のときに「シンクロニシティ」を聴いていて妙に納得してしまって、少し答えが出たような気がして涙が流れてきました、って。それって、これまでの歌じゃできなかったなって、すごく嬉しさを感じました。

――ではニューシングル『ジコチューで行こう!』について伺います。「乃木坂46の夏曲はこういうイメージ」ってあると思うんですけど、今回の曲はどのような印象ですか?

星野:好きです。私、ポップな曲調が好きなので。乃木坂はしっとり系の良い曲が多くて、シングルとしてこういう曲をやるのは夏くらいだけど、これはこれでいいなあと思います。選抜入りした3期生も多くて、フレッシュさのあるタイミングでの夏曲だから。弾けた感じだし、ライブでも盛り上がる予感がします。

――まだ乃木坂46の夏曲があまり多くない頃、「ガールズルール」や「夏のFree & Easy」が出た時、星野さんはポップ路線の夏曲をどう感じていましたか?

星野:「アイドル!」っていう感じが強いというか。「ガールズルール」とかで女の子が興味持ってくれたり、若い子や学生さんが聴いてくれることも多くなったりました。そういう曲もあっていろんな層の方に聴いてもらえてるのかなとも思います。

――若月さんは表題曲「ジコチューで行こう!」についてはいかがでしょう。

若月:あえて、かわいいのが来たなと思いました。曲調も大人っぽいというよりポップ寄りで、いい意味で幼い、かわいい曲が来たなと。去年からのシングルの流れでいうと、「インフルエンサー」のあと、「逃げ水」という夏曲の中でも落ち着いた曲があって、そのあと「いつかできるから今日できる」、「シンクロニシティ」と、全体的に落ち着いているというか、乃木坂色の強い曲をやらせていただいていたんですよね。その次に何を表現するかというときに、「乃木坂らしいよね」だけで攻めずに、実はこっちもいけますよってところを、もう一度見せたいなと思っています。3期生も結構選抜メンバーに入っているので、フレッシュさや明るさは3期生がプラスしてくれるからその力を借りて。

――「ジコチューで行こう!」では3期生が多く選抜メンバーに入り、グループの形も新しい段階に入りつつあります。1期生としての役割が変わってきたとは感じますか?

星野:私は1期の中で結構年下だったんで、3期生が入ってきてくれて嬉しいなっていうのしかなくて。いい影響しかもらってないですね。世代交代とかもあるので、私たちがいる間にどんどん、いろんな経験をしてくれてたらいいなと思うし、お手本にならなきゃと思って身が引き締まります。私はあまり相談ごとにのるタイプじゃないので、できるだけ明るくしていようかなって。私だったら、まわりに先輩しかいない環境って絶対に緊張しちゃうから。

若月:なんか私は親戚のおばちゃんみたいな感じになってきちゃって(笑)。3期生の子がちょっと恐縮して隠れちゃったりしてるときは、「ここ空いてるよ! ここから出れば(カメラに)写るから!」とか言って(笑)。

星野「“乃木坂らしさ”は消さないでほしい」

――3期生が本格的に合流したことで、グループに生まれる効果をどのように考えていますか?

若月:3期生にこれからを担ってもらう、みたいな言い方をすると重くなっちゃうのであまり言えないんですけど、乃木坂は今、一軒の家がやっと建ったくらいの段階なので、飾り付けや工夫でより良くしてもらうには、3期生とかの若い力を借りるのが一番いいなと思っています。相談ごとはたぶん同期の方がしやすいと思うから、私は聞かれたら答えるくらいにしとこうかなと思ってて。こちらとしては3期生に自由にやってもらいたいので、怖いと思われないようにしてますね(笑)。

――次の世代への橋渡しをしつつも、乃木坂46の世の中的な認知度も高まって、グループも完成度が高い状態にありますよね。だからこそ、次にメンバーの方々が目指すものってどういうイメージなのか気になります。

星野:うーん、なんだろうな。どうなりたいかな……。コンビニに行ってもテレビをつけてもメンバーの誰かが出てるし、街を歩いてても乃木坂の曲が流れてるし。今が贅沢すぎて、わかんないな。

若月:じゃあ「乃木坂のこういうところは残してほしい」とかはある? みなみちゃんはずっとさ、初期をフロントで支えてた人じゃないですか?

星野:「乃木坂らしさ」って言葉をすごく言われるじゃない。あらためて考えたら「乃木坂らしさ」ってなんだろうって思うけど、言ってる意味はなんとなくわかる。それを消さないでほしい、かな。何て言ったらいいかわからないけど。

若月:でも、今はもう乃木坂っぽい子を集めようとしなくても、入ってきた子たちも自然と乃木坂になっていくよね、結果的に。だから、4期生にどんな子が入ってきても大丈夫、とは思うんですけど。……でも、まだまだだなと思いますね。恵まれた環境をたくさんいただいてるんですけど、まだまだ知られてないところも多いので。

星野:知ってる人は知ってるけど、っていうね。

若月:私、カラオケのランキングとか見ちゃうタイプなんですけど、乃木坂の曲がなかなかランクに入ってなくて。「乃木坂はいい曲が多いですよね」って言っていただけることはあるんですけど、「歌いやすい曲」「みんなで歌っちゃう曲」と言われたことはなくて。ありがたいことなんですけど、「乃木坂のどの曲が好きですか」って聞くと、答えが散らばるんですよ。いろんな曲をあげていただいて嬉しい反面、でも“この一曲”っていうのがないんだなって。

星野:でもそういう曲ができたらできたで、固まったイメージがついちゃうかもしれないね。

若月:そうねー(笑)。

星野:どうしましょうねー(笑)。

――乃木坂46が知られていない場所でいうと、グループの外部の作品などに出演されるときには、やはり感じることは違いますか?

若月:全然違いますね。なるべく身内の話というか、自分はこうやってきた、っていうルールは全部捨てて、一切持ち込まないようにしようと思ってて。自分のことで言うと、アイドルがお芝居に出ることにちょっと引け目を感じるところもあったんですけど、逆に共演者の方に喜んでもらえることも増えているんです。舞台を観る人の数が減っている環境の中で、熱量の大きなアイドルのファンの方々がフィールドの全然違う舞台を観に来てくれる。そのことで次につながっていくのが嬉しいって言っていただけて。ですから、そこは堂々としていきたいなとも思います。そうやって活動することが、結果的に乃木坂に返ってきたら、それが一番最高なんですけど。

――外の世界で培ったものが乃木坂46に返ってきている実感はありますか?

若月:乃木坂は外部で活躍してる子がすごく多いんですよ。モデル、舞台、映像とかそれぞれやっていることは違うんですけど、メンバーが外の世界で経験させてもらったものの中から「乃木坂にはどれが合うんだろう」って、表現の仕方を選んでくるんです。「これだったら乃木坂にプラスになる」「じゃあこの表現でいきましょう」って、みんなが外でやってきた表現を瞬時に出してくる。「シンクロニシティ」はまさにそうでした。そういうことが、今の乃木坂46を作っている、一番大事な部分なのかなと思います。