イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

たった一人で生き抜く(時代 4/10)

2017-07-14 | 第三章「無意識の世界」

 持統天皇というと天武天皇を支えた女帝、息子の草壁皇子のために謀略を巡らした女帝などのイメージが世の中で一般的であるが、私は成育史や、その後の歴史の展開を考えると大事な女帝への視点を欠いているように思う。

 祖母が指揮した白村江の戦いで3万人以上の日本軍の壊滅。戦後の父の治世での混乱と内戦(壬申の乱で夫と父側の勢力が戦う)。さらに親族の生き残りをかけた殺し合い・・・祖父の倉山田石川麻呂が身内に殺害される(父の天智天皇という説や大伯父の孝徳天皇という説)、甥の大津皇子を殺害したりする。その他、過去を振り返っても蘇我氏や天皇家に関係する争いは数知れずである。

 このような絶望的とも言える時代や成育史の中で、何故強く生き抜くことができたのか?生き甲斐の心理学の理論を援用するとアイデンティティの統合や忠誠心に何か画期があったと考えられる。それは何だろうか、そんなことを、今までも考えていたが、昨日は「持統天皇と藤原不比等 日本古代史を規定した盟約」(土橋寛著 中公新書 1994年)を拝読して唸ってしまった。持統天皇は天武天皇の皇親政治の路線から日本的律令政治、そして皇位継承の方法を健全化するのに大きな働きをしたように思う。それには藤原不比等の協力というか盟約があったのはないか。身近で安全?な親族と手を組むこともなく、当時としては得体のしれない藤原不比等と協力関係を結ぶ。私はその後の時代の流れを考えると、素人ながら土橋説のように持統天皇と不比等の間に固い盟約があったように感じてならない。

 そして、持統天皇は草壁皇子を溺愛するのでもなく、天智天皇を憎悪するのでもなく、天武天皇に依存するのでもなく、藤原不比等の言いなりになるでもなく、一流のバランス感覚で生き抜いてきたのだと思う。

 生き抜くというのは、他者が替わりに担ってくれるものではない。当たり前だが一人で感じ、考え、祈り、行動するものだろう。今の世の中でも同じことだと思う。

 

時代 4/10

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生まれた1951年ごろと似ている時代は? (時代 3/10)

2017-07-12 | 第三章「無意識の世界」

 私は1951年生まれである。そしてこの年に生まれたことが、自分の人生にどのように影響を与えたかを時々考える。もちろん、生まれたころの記憶はない。しかし、性格形成には大きな影響を与えているのだと思う。

 1951年は終戦の年1945年から数えて6年。調べてみると、歴史的にも大きいのは進駐軍最高司令官のマッカーサーが解任され「サンフランシスコ講和条約、対日講和条約・日米安全保障条約調印」の年であり、今に続く戦後のありようが決まった年ということかもしれない。

 さて、今日は自分の生まれた時代が、日本史の中でどの時代に似ているかをいろいろ考えていた。日本では国内での内戦はともかく、外国と戦争し終戦を迎えたことは有史以来二回しかない。一つは第二次世界大戦。そしてもう一つは663年の白村江の戦いで唐・新羅連合軍に敗退したときだ。3万人以上送りこみ壊滅した戦いだ。

 私も高校生くらいから日本史には興味をもっていたが、その意味については教科書を読んでも殆どわからなかった。ただ、今は縄文時代だけでなく、日本の古代史にも日本だけでなく東アジアとか別の視座から歴史をとらえなおす機運が高まってきているようで、最近何冊かそういった本を読んできた。そして、白村江の戦いの意味についても見方が変わってきた。

 隋が高句麗に敗退し間もなく滅び、唐ができる。そして、唐は隋の失敗を反省したのか、新羅と手を組み、まず百済と後方の日本を白村江で663年敗退させる。その後、日本には唐・新羅に近い政権を樹立させたのだろうか(諸説あり)水城が築かれ3年後には近江遷都が実施される(その意味を唐や新羅の意向を受けての建設と考えると、従来の定説と意味は反対だが分かりやすい。以前当時の岡山の鬼ノ城に行ったが日本の城とは感じなかったし、日本を防衛するものではないように思った。近江京もしかり)。高句麗が唐・新羅に滅ぼされたのは1年後だ。その後、新羅は唐と戦い独立していくが、それは、私たちの戦後と違うところだ。しかし、白村江の戦いから6年後には、まだ新羅と唐の戦局が決まらず唐から2000人の進駐軍が日本にやってきたりする。また天智天皇の名参謀と思われる藤原鎌足が亡くなった年でもある。ちょうど太平洋戦争終戦から6年後の1951年にどこか似ている。その後、6-7年かけて新羅は唐を撃退することになるが、その間に日本でも壬申の乱があり政権が交代する。東アジアの観点から壬申の乱を考えると、何か意味があるように思えてならない。

 私たちの戦後と白村江の戦後は似ているところがある。1951年は669年にどこか似ている。国家的規模の絶望感と智慧の時代。自己混乱と忠誠の時代。

 その後の60年以上の歴史。当然ながら時間は別の物を運び720年代には律令国家が誕生し大仏ができたりする。一方私たちの2010年代はどうだろうか。

時代 3/10

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同時代(縄文と先ケルト、飛鳥時代と東アジア)(時代 2/10)

2017-07-11 | 第三章「無意識の世界」

 昨年の今ころに東北旅行をした。その中で三内丸山遺跡や津軽半島の旅などは縄文小説の良き題材となったが、そのほかにも感動した遺跡があった。三内丸山遺跡から車で20分くらいだったであろうか。看板などは立派で沢山の見物客が訪れているかと思ったが、行ってみると私たちだけで、ボランティアさんからたっぷり説明をしていただいた記憶がある。

 実は、昨年の旅の中にはこの小牧野遺跡の他伊勢堂岱遺跡にもよりストーンサークルを十分味わった。さて、これらの遺跡は縄文後期の遺跡でBC2500年前後のものだが、イギリスのブリテン島にも同じころストーンヘンジやストーンサークルなどの遺跡が存在する。そして、遠く離れた二つの島では冬至や夏至に特別な祭りが繰り広げられたようだ。因みに私の家からも近い町田の田端遺跡も小規模なストーンサークルではあるが冬至を意識した遺跡であることが知られている。(参考:「縄文とケルト」松木武彦著 ちくま新書2017年)

 今の世の中でも情報はともかく、実際に旅行をするには離れすぎているように感じる二つの島だが、縄文前期ごろからの寒冷化は世界的なものであり、どんな関係があったかは不明だが(私は、直接接触はとにかく、間接的接触の可能性はあったと考えている。所詮現世人類はその当時も海を渡るなどし艱難辛苦をものともせず世界に散らばっているのだから)、不思議な類似性がある。

 さて、私のもう一つの歴史の関心分野である7-8世紀の日本。持統天皇は645年生まれであり、この年に大化の改新(最近では乙巳の変と呼ばれる)があったことは有名だが、もう一つ世界史的に有名なことがある。西遊記でも馴染みの玄奘三蔵が中国に戻った年である。Wikipediaなどで調べると、玄奘は中国で持ち帰った法典を訳し、日本でも有名な般若心境などが渡ってくることになるが、この玄奘に直接学んだ日本人の僧道昭は、帰国後飛鳥寺他で活躍し、持統天皇との関わりも何かしかあったように思う。持統天皇と薬師寺のかかわりも有名だが、亡くなってから火葬されたことも似ている。

 そして、持統天皇は女帝であるが、この時代の中国も則天武后で女帝、新羅も真徳女王、善徳女王も輩出している。その理由はよくわからないが、逆にそういった時代だったということかもしれない。

 自分の心のありよう、あるいは同時代の人々のこころのありようを考えるとき、時代の物理的な傾向、精神的な傾向どうかなど考えを巡らすことは大切だと思う。

時代 2/10

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時代の影響 (時代 1/10)

2017-07-09 | 第三章「無意識の世界」

 最近、学生時代の友達にお会いする機会が増えたようである。還暦を過ぎてだいぶたち、仕事の第一線から一歩引く方が増えて来たのかもしれない。

 そして、昔話や若いころのアルバムを眺めたりすると、当時と今の違いをひしひしと感じたりする。学生時代といえば、当時は麻雀と難解な政治や哲学を語ったり、あるいは何か汚い?いで立ちで闊歩することも多かったようだ。

 考えてみれば、私も随分時代の影響を受けていたようだ。そして、随分時代も変わったのに、どこか当時の時代を引いているのかもしれない。

 そんなことで、自分の時代の影響、あるいは日本の古代の有名人の時代の影響・・・そんなことをしばらく考えてみたい。

 

時代 1/10

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混沌の中から生まれるもの (古代史の錯乱からの統合 10/10)

2017-07-07 | 第七章「光と復活体」

 小旅行で箱根に行ってきた。この数か月は忙しい日々だったので、心の洗濯といったところでした。そして、ポーラ美術館で「ピカソとシャガール」展を開催していて、じっくり拝観させていただいた。シャガールはU先生から欧米では心理療法でよくつかわれると教えられ、この10年くらいいろいろ研究させていただいたこともある。

   

 自分の自己分析でも、シャガールの絵は無意識の意識化を促すのか、それを見ることでいろいろな貴重な気付きがあった。最近は、自分の生き甲斐を考える上で、美とはなんだろうかなどまじめに考えることも増え、先日にはストレス曲線の勉強会の時にある方より、芸術とストレス曲線との興味ある関係を教えていただいりした。

 一つの絵の中で、多層的な成育史上の記憶がちりばめられ、さらに聖と俗、ストレス曲線と幸福曲線が不思議なバランスを保つ。こんなところから、シャガールの絵は心理療法で効果を上げられるのかと思ったりした。

 ポーラ美術館は今まで何回か来ていたが、今回は余裕のある旅行であったからか、「森ほ遊歩道」があることを知り、のんびりとブナとヒメシャラが茂る近くの森を散歩した。どういう尺度かわからないが自然度8の森ということで、縄文的な森の世界を垣間見るようであった。小川や小鳥のさえずりも良かった。

 しかし、森は不思議だ。シャガールの絵ではないが聖と俗、ストレス曲線と幸福曲線が同時進行するようなところがあり、自分の中である種の心の変化を促してくれるようでもある。

    

 さて、ブログのテーマである「古代史の錯乱からの統合」に戻ってみよう。人生には混乱の中から、一歩踏み出す時がある。それは、少年時代、青年時代、壮年時代、老年時代、死の時・・・いろいろあるかと思う。今日は天武天皇の万葉集の歌を思い出した。持統天皇と共に近江京から抜け出し、裸一貫で吉野に下るときの歌のように思われてならない。すべてを捨てて何かにかけるときの歌といってもよい。

み吉野の 耳我の嶺に

時なくそ 雪は降りける

間なくそ 雨は零(ふ)りける

その雪の 時なきが如(ごと)

その雨の 間なきが如(ごと)

隈(くま)もおちず 思ひつつぞ来し

その山道を 

万葉集1-25 天武天皇

耳我は吉野の神山を意味していると思われるので、雨降りの俗で錯乱的な空間から変曲点の芋峠を越えて雪の聖地に向かう、なにか巡礼のような旅を思い浮かべてしまう。

古代史の錯乱からの統合 10/10

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