戦後、日本人の精神構造についていろいろ分析がされ、また多くの人が日本人論に関心を持った時期があった。「甘えの構造」、「タテ社会の人間関係」・・・。中根千枝さんが亡くなり。当時の雰囲気を思い出してしまう。
高度経済成長を牽引した日本企業、経済活動だけでなく創造的な活動にもあふれていたようだ。しかし、今はその日本人の精神構造のポジティブな面よりネガティブな面が社会を覆い活力を削いでいるように感じてしまう。
自分の所属する社会・集団に強い忠誠心を持つことはこころの安定につながり、多くのメリットを生じるが、それが共通善というか、もっと普遍的な価値を破るようになるとどうなるか。そういうことは当然許されないと思うが、ゆるされないとするなら、何を私たちは何を志向しどうしたらよいのだろうか。
非常に大きな問題だと思うが、今までは良い面が多く語られネガティブな面は意外にずっと不問にされてきたように思う。それが、不思議な安全神話を生み、不思議な政権を生み、不思議な・・・。もう不問にすることはゆるされないのではないだろうか。そうでないと危ないのでは。
さて、「生き甲斐の心理学」を学びながら私はその不思議な心の構造について関心を持ちながら、日本の歴史を少しばかり勉強してきた。そして、小論を2015年と2020年に書いた。私はそれが律令政治が始まったころではないかと考えている。黒を白ということがまかり通ることが始まった時代。
1,300年くらいの短い歴史なので、当然ながら、12,000年の歴史を誇る縄文時代は違ったように思う(笑)。縄文時代は皆、黒を黒と言ったのではないかと思う。
縄文時代の宗教は文字のない社会なので、歌とか神話とかの形でそれは伝承されたのだろ。そして、時に土器に、特に縄文中期に同時代人にはわかるように丁寧に表現されたと思う。その後、その表現はより抽象化され本当に同時代人しかわからないようになる。さらに同時時代にもわからないように?(笑)。
そこに描かれたものは、激しい感情表現であるが、それを優しく包むような真理も表現されている。その真理は人を養う食べ物(深鉢の中身など)として、時には性として表現されているが、伝統宗教のいうところの慈愛や愛といったものではなかったのではないか。
3/10 自分の道が見えてくる
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