私が尊敬しているAさんは、難しい病気で晩年を過ごした方であるが、いつもこころは元気で「朝起きてから寝るまでの一日を大事にする」としょっちゅう言われ実践されていた。そして傍から見ていても病気をもっていないかのように明るく元気な方であった。
さて、いつしか、私も前期高齢者の仲間入りを果たし、父が亡くなった時の年齢にも近づいた。そして、健康診断で精密検査を受けるようにと言われると・・・そろそろお声がかかっても、という気分になり、小説を書いていても、これが遺作になるかなと脳裏をかすめたりもした(笑)。
ただ、そういうときにAさんのことを思い出したり、亡くなる前の父や祖父を思い出したりすると、いろいろ気づく。
アイデンティティというと、すぐ思想や主義などの理論を思い浮かべる私だったが、この精密検査の経験から知ったのは、意外に私であれば身近なAさんであったり、教会で先に逝った知人であったり・・・まあ一つの共同体に関係する具体的な先輩の死を乗り越えるイメージだ。
引越しをテーマにして、定住や地域、共同体の仲間に眼を向けてしまったが、明日からは、もうすこし引越しを考えたい。
引越し 5/10