駄菓子屋学~ほっこり「たかさんち」

元祖子供の居場所を意識したあそびと駄菓子屋「たかさんち」の25年の軌跡とだが活等!

駄菓子屋報告書№3:子ども達との関わり方

2021年04月05日 | 駄菓子屋報告書

 

↑駄菓子屋さんの商品紹介↑

~「たかさんち」の実践報告(平成14年作成)~

(3)子ども達との関わり方

①状況に応じた関わり
 この場所では、どちらかというと、子供達とは、『消極的な』関わりを意識している。そして、自主性を重んじ、ひとりのお客として認めた対応をしている。駄菓子屋には、お金や食べ物があり、人間の本質の欲が絡んでくる。小さな社会、経済が存在する。

 ここでのやりとりは、決して、学校や家庭では経験出来ないものであり、見せない顔が現れる。いわば裏社会に近いものがある。興味ある話は、同じ目線で一緒に楽しみ、相談ごとや性教育的な質問などは、大人としてのアドバイスをする。仲間になったり、壁(そばに入るけど黙って聞いていない振りをする)になったり、状況に応じた対応をしている。
 

 悪いことは悪いと叱り、良いことは良いと褒めることと、決して子供に気を使わないことに気を使っている。必要以上に愛想を振りまいたり、絶えずニコニコして、良い大人を演じることは、かえって子ども達に違和感を与え、信用されない。ありのままに自分をさらけ出すことが、末永く子ども達と関わっていける秘訣だと思う。

 また、子ども達は、人と比べられたり、「ひいき」をきらう。特に思春期の子ども達は、担任が女性で、男子をひいきしたり(その反対も)などと、よく愚痴を言う。そこで、中性的なポジションでの対応も意識している。

②子育てを意識した関わり
 子供は、まだ、良い悪いの判断力が乏しく、そんなことよりも好奇心が旺盛で、楽しさや夢を求めている。いくら健全を望んでも、裏に不健全というものがある限り、避けては成長出来ない。予防しても気を許せば病気にかかるように、何が不健全なのかを知らない限り、健全を理解することは難しい。

 不健全と共存していくには、自分の目で見て経験して、治す力(正す力)、免疫力(負けない、惑わされない力)をつけることが必要に思える。やってはいけないこと、怪我をしそうなことを、もう判っている大人が予め止めてしまっては、本当の怖さ、痛さの判断力はつかないのかもしれない。

 駄菓子屋は、初めて自分の意思で、店に入り、握りしめたお金で駄菓子を選び購入する自立への第一歩となる。自分で歩き始める大人社会へ通じる入り口でもあり、自分の目ですべてを受け止め、真実を見きわめていく冒険の始まりでもある。

 友達同士や異年齢の関わりの中で、自分の意思をはっきりと伝えなければいけない強さを持つことだけは指導している。トラブルを大人が回避するのではなく、自分達で、解決する力を身につけさせるのだ。お金を貸したくなければはっきりと断ること、いやなことは、いやだと意思表示することで、相手も引き際を考える。

 これは、受身になる子には、少しの強さを、我が強い子には、少しのやさしさを持ってもらいたいからだ。また、それをまわりで見ている子ども達には、見ない振りはせず、サポートするよう促している。大人のいない所でも、負けてしまわないように、自分の身は自分で守り、困った人には力を貸してあげられるように育ってほしいからだ。

 子ども達は、よく身の上話をする。家庭の不安な状況や親のぐちなど。そんな時、「でも、お母さんには悪いと思っているんでしょ。」「親がいないと困るよね」と、何気にフォローを入れてあげると、どの子も「うん。」と言って、素直にうなづく。なかなか、ゆっくりと、大人とこうした話を出来る機会や場所は子ども達にはないと思う。

 説教をするのではなく、話を聞いた後に大人の正直な感想を伝えるだけ。子ども達は、建前や理想を知りたいのではなく、親や大人の本当の気持ちが知りたいだけなのだから。
 これらは、学校でも家庭でもない地域の大人として地域の子ども達にしてあげられる地域での子育てなのではないかと思う。

③子ども達を信じて見守る
 店を運営していく上で、子供達には、全く、何の問題もない。自分の気に入った居場所を壊そうとはしないからだ。教師には逆らっても、この店では、いたずらしても素直に謝罪する。
 

 ある夏休みに店に来ていた中学生が叱られて家を追い出されたので、家に帰りにくいとのこと。それを聞いた子ども達は、「家出するの?私、4年生の時、したことあるよ。」「うちは、無理だな。怒られちゃうよ」と、しばし、家出について話題にしていた。

 以前、彼は、万引の常習性が見られたのだが、店の経営の苦労を垣間見たことや、変な癖は早く治すようにと声掛けをしていくうちに、自然に心を開き、打ち解けるようになった。この店が居心地の良い居場所となり、いつのまにか悪さをしなくなっていた。

 そんな彼のことを、私は、「許し」「認め」「信じ」ていたので、「電車に乗って、繁華街に行くようなことはしないだろう。地域をブラブラしているなら、それほど心配はないだろう」と思って見守ることにした。ほとんどお金を持っていないというので、いざという時のため、テレフォンカードを渡しておいたのだが、後日、ほとぼりが冷めた頃、家に戻ったとの報告があった。

 様々な親がいる。家庭環境や社会環境が改善されなくても、いま、この世界で子ども達は生きていかなければならない。ようやく、地域の子供達を地域の人で守っていこうという動きが増えてきたのは、うれしいことだが、親でも教師でもない地域の大人達の関わりは、監視の「冷たさ」ではなく、見守る「あたたかさ」であってほしいと願う。

 悪いことをするのではないかと、不信な目を向ければ、期待に答えて、悪いこともする。「自由にやりな、困ったら助けてあげるよ」と見守れば素直にもなる。『子供達は、大人が本気かどうか見抜く力を本能的に持っている』ことを忘れずに、大人達が飛び交う情報に惑わされず、目の前にいる子供達を自分の目でしっかりと見つめ、生の心で触れ合えば、ちょっとした出会いや声掛けが、悪い道への誘惑を踏み止まらせるものになり、立ち直るきっかけにも成り得るのだと思う。

駄菓子屋報告書№4:効果へ続く

*あそびと駄菓子屋「たかさんち」は、令和3年4月で、開業24年目を迎えた。これを機に実践報告書(平成14年)より抜粋し、№1~10としてブログで公開。㊟平成14年作成のため、現在(令和3年)と異なる状況や思いあり

『駄菓子・屋業界勝手に活性化プロジェクトのお知らせ』
 あそびと駄菓子屋「たかさんち」は24年目を迎え「駄菓子屋が未来を救う」をテーマに、感謝を込めて、駄菓子屋はもちろん駄菓子メーカー、駄菓子問屋など、駄菓子屋業界を陰ながら盛り上げようと思い、地味に地道に『だが活』を勝手にスタート中!                    

第一弾「駄菓子屋を知ろう!」として
1.あそびと駄菓子屋「たかさんち」(SHOEHORN制作)動画を3本紹介!

 ①ショートバージョン:動画はこちらコマーシャルver

 ②人気駄菓子・駄菓子屋の良さ、魅力など:動画はこちらプロにきく

 ③駄菓子屋を始めた訳と子どもの居場所:動画はこちら現場の事例

.あそびと駄菓子屋「たかさんち」の実践報告書(平成14年時)をブログで紹介中。

駄菓子屋報告書№1:OPENまでの経緯と背景(ねらい)

駄菓子屋報告書№2:具体的な活動

駄菓子屋報告書№3:子ども達との関わり方

駄菓子屋報告書№4:効果

駄菓子屋報告書№5:問題点・課題と改善策

駄菓子屋報告書№6:今後の方向性

駄菓子屋報告書№7:駄菓子屋"の可能性

駄菓子屋報告書№8:駄菓子屋"から学べるもの

駄菓子屋報告書№9:まとめ

+№10駄菓子屋実践報告書と現在(令和3年4月)の考察

まずは、たかさんちを通じて、駄菓子・屋、子ども達を知る・興味を持つきっかけになれればと思います。

*あそびと駄菓子屋「たかさんち」ホームページもご覧ください

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あそびと駄菓子屋「たかさんち」ブログ紹介

⓪駄菓子屋日記open当時~(ブログ掲載2018年5月~2019年8月)

「1998年~2005年のたかさんち日記をリバイバル」

①駄菓子屋目線(2006年1月~2007年3月)

「たかさんちを始めて感じた子どもたち」

②17文字の子どもたち(川柳)(2007年8月~2008年12月)

「たかさんちの子どもたちの様子を川柳で表現!」

③駄菓子屋の詩(2016年8月~2018年1月)

「たかさんちの思いを詩で綴りました!」

④「駄菓子屋」名言・格言・珍言(笑)(2020年5月~2020年3月)

「店での子どもたちの会話から出た心に響く名言・格言・珍言」

⑤「たかさんち」実践報告書(2021年4月)

「あそびと駄菓子屋「たかさんち」実践報告書(平成14年時)№1~10+α

⑥「たかさんち」セレクト集+α(2021年8月~2022年1月)

「たかさんちのブログを凝縮!」

⑦だがるだじゃれ(駄菓子+かるた+だじゃれ)(2022年8月~9月)

「だじゃれ?かるた?カタログ?」で駄菓子商品を楽しく紹介!

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◎あそびと駄菓子屋「たかさんち」→ホームページ

◎あそびと駄菓子屋「たかさんち」動画を3本紹介!

 ①たかさんちショートバージョン:こちら→コマーシャルver

 ②たかさんち人気駄菓子・駄菓子屋の魅力など:こちら→プロにきく

 ③たかさんちを始めた訳と子どもの居場所:こちら→現場の事例

◎たかさんち人気商品ベスト3

「第一位 サッカースクラッチ:くじ付きだよ」

 
「第二位 ロールキャンディ:青りんご・グレープなど色んな味があるよ」

「第三位 モロッコヨーグル:甘酸っぱさがやみつき!

◎おうちで駄菓子屋駄菓子(ネット商品紹介)

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