この広い世界を。

可愛い歳月。
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大向こうを唸らせろ。

2011-10-01 15:58:46 | ひとりごと。
「大向こう」っていうのは、
もともと劇場での三階席正面を差したようですが、
現在では歌舞伎で「○○屋!」などのかけ声、またはかけ声をかける人たちのことを指します。
(大向こうはタイミングとかあるので、
よほどの通でないとカッコ良く決まらないかとおもいます)




俳優の香川照之さんが先日、歌舞伎界入りを発表しましたよね。


お父さんが市川猿之助さんなことも知っていたし、
香川照之さんはずっと昔から歌舞伎役者になりたいと切望している、というような旨の記事を何年か前に目にしていたので、

最初の率直な感想は「あら、よかったねぇ」でした(笑)


そしてトンデモナイコトが起こったぞと、胸がとてもわくわくしました。



だって、常識を覆したのですもの。


前例がないものに前例をつくったのですもの。



それと同時に、香川照之さんのモンスターっぷりに心底おどろいたのです。



父親との歴史。


父親への想い。


血筋への想い。


継続への想い。




常識とか他人の目とか一切かなぐり捨てて、自分がどうありたいかどうあるべきか、

そして人間としてのまっすぐさを見せられたような気がしたのです。



3歳とかで初舞台を踏むような世界で、45歳でゼロからのスタートは無謀だと笑う人もいるだろうとおもう。


たしかに無謀かもしれない。



だけど香川照之さんの決意と挑戦、その想いは、わたしの心をふるわせたのです。




いつか大向こうから、お父さんそっくり!と、
そんなかけ声がかかる日がきたら素敵だな、なんておもうのです。





そしてそして、香川照之さんのその一途さは、
12歳のときに16歳年上の藤間紫さんに一目ぼれをしそれを貫いたお父さんのそれと、

もしかしたらそっくりなのかもな、とおもうのはわたしだけでしょうか。