あきのかおり。

金木犀の香りが、そこいらじゅういっぱいに漂っています。


そうすると、一気に空気には秋の粒子が増えるような気がします。

それは、暖かな金色です。



金木犀の香りがすると、
わたしは一気にかさりかさりとした優しい色とりどりの秋の風景を思いだすのです。



ときに野焼きの匂いがまじり、
柿の色や栗の色やからすうりの色、刈り取られたあとの田んぼ、稲の切り株を踏む感触、
今はもうほとんど見なくなってしまった天日干しの稲の香りを思いだすのです。