ホテル旅館と言っても、設備や収容人員を見ればピンからキリまで。
電気技術者視点で見れば、受電電圧や配線容量が気になるところですが、以前書いたことと重複しない程度で再執筆です。
1.機材・資材の価格
材料代から逆算して、10万円以下だとEV充電コンセント方式になります。一般家庭用と同じですね。
ネット通販価格でEV充電ケーブルが3万円(中古ならヤフオクで2万3千円から)、EVコンセント一般形3千円(鍵付は8千円)、20A漏電遮断器4千円、スイッチ3千円程度。
※タイマー式にするなら更にタイマー2千円、電磁スイッチ4千円が追加になります。
20万円程度で壁掛け普通充電器になりますが、これも一般家庭向けと大して変わりません。
認証機能付きだと100万円コースになりかねないので大きなホテルにしか付けられないと思います。
まして急速充電器ともなると本体だけでも何百万円、しかも高圧受電設備が必須になるので変圧器の容量も確かめないといけません…電気主任技術者への相談は必須。
2.設置場所・電線の太さ・長さ・容量
駐車場が屋側にあれば工事費は安くて済みます。EV用コンセントや壁掛式充電器なら尚更。
建物と駐車場が離れていると受電ポールの設置や分電盤の設置などで相当費用が嵩みます。
電線の長さも要チェック!10m以下なら大したことありませんが、それ以上だと太くなければ電圧降下で充電できない可能性があります。
・単相2線式配線の電圧降下(線間)e = ( 35.6 × 電線長m × 電流A / 1000 × 断面積[sq] )
※仮に5.5sq電線20m、電流15Aとすると電圧降下は 35.6x20x15/1000/5.5=1.9418 (約2V) です。
オール電化用[2.6mm(5.5sq相当)2c+1.6mmアース線]の価格は20mで約5千円(50mで1万2千円とすると)。
電線を埋設する場合は電線管が必要なのでその分材料費が高くなります。可とう樹脂管10mあたり2千円など。
もちろん引込電線の太さも要チェック!
低圧受電の民宿・小規模旅館は家庭用引込電線より多少太いとはいえ、昭和の時代に建てられた物件は現代の一般家庭に毛が生えた程度。太い電線は価格が高く工事費もばかになりませんので、事前に配線容量を調べて余裕があるか確認してください。
電力会社・電気工事店・電気保安協会などに測定器があるので、そういうところへ頼んで1週間ほど電力測定をすれば判定はできます。
経験上、100V/10Aならよほどのことがない限り問題ありませんが、200V/15Aだと場合によってはつかないことも考えられます。
営業中の停電は避けるべきなので契約容量に対して25A以上の余裕があるかどうか確認して下さい。
3.工事費
そもそも電気工事は人海戦術、労働集約型業種なので人件費がかさむ世界です。所謂ガテン系
分電盤の電気配線接続工事はもとより、引込ポールを建てる、建物の壁に穴をあけて電線を通す、電線を埋設するのにコンクリートの地盤を斫る…など、ガテン系の土木仕事が多ければそれだけ工事価格も跳ね上がります。
予算が限られているならなるべくそうならない工法を使う他ありません!
もし知り合いや宿泊客に電気工事士が居れば、宿代を安くして(あるいはタダにして)工事してもらう方法もあるでしょう。それだけでもだいぶ変わると思います。
アース(接地配線)がないと充電器が動作せず、別途設置工事が必要になるので事前にアース測定することもお忘れなく!これも電気工事店や電気保安協会などに測定を依頼すればやってくれます(木造の場合。鉄骨があればそこに接続すれば良い場合が多い)。
4.EV充電表示など
電気自動車で来るお客様はEVチャージの標識を目印にやってきます!一目でわかるよう設置をお願いします(間違ってガソリン車が停めることがないようにするため)。
カラーコーンなどバリケードを設置する、施設のクルマを停めておく…などの対処方法がありますが基本はコレが一番。
5.実際の運用
全ての工事が滞りなく終わり、無事通電試験も合格して本格運用に入ったとしましょう!
…あとは充電料金と充電時間の設定が問題になります。
一回当たりの価格にするか、それとも時間当たりの単価にするか。
個人的に意見を言うなら、コンセントの場合は1時間あたりの電気代+α(充電回路利用料金)か、回数制なら車種別設定にしたほうがいいと思います。
低圧受電の場合は元々の電気代が30円弱/1kWhなので、充電回路の工事代転嫁を+αとして、100V/10Aなら1時間あたり50円、200V/15Aなら1時間あたり150円が妥当と考えます。タイマーをつけていれば時間制でうまくイケると思います。
チェックイン時に残り容量を見てタイマーを設定すれば無駄がありませんし、充電料金もリーズナブルになるので価値も上がると思います…その意味でも工事地点でのタイマー設置は必須と見た。
車種別回数制なら100V/10Aでも一泊(16時から翌朝8時)として16時間16kWhなのでアイミーブは残量わずかでも満充電に、リーフ初期型なら2/3は充電できます。この場合は電池容量を確認することで充電料金が決まります。
前述の時間制1kWhあたり50円に準じるなら、アイミーブM(10kWh)だと500円、アウトランダーPHEV(12kWh)は600円、アイミーブG(16kWh)、リーフ(24kWh)などは800円になりますが…充電量が半分以上ならアイミーブとアウトランダーは半額、リーフは12kWhと算定すれば600円でもいけるでしょう。チェックイン時に電池残容量を要確認ですが最低2段階以上の設定は必須だと思います。
ざっと挙げましたが…今回は一歩踏み込んでます。
というのも、飛騨萩原の旅館(萩の里別館)が以上条件でも相当安く取付可能と見たからですが(仮に電気工事士の知人に依頼したとすると材料費+工事費で5万円程度)。
電気技術者視点で見れば、受電電圧や配線容量が気になるところですが、以前書いたことと重複しない程度で再執筆です。
1.機材・資材の価格
材料代から逆算して、10万円以下だとEV充電コンセント方式になります。一般家庭用と同じですね。
ネット通販価格でEV充電ケーブルが3万円(中古ならヤフオクで2万3千円から)、EVコンセント一般形3千円(鍵付は8千円)、20A漏電遮断器4千円、スイッチ3千円程度。
※タイマー式にするなら更にタイマー2千円、電磁スイッチ4千円が追加になります。
20万円程度で壁掛け普通充電器になりますが、これも一般家庭向けと大して変わりません。
認証機能付きだと100万円コースになりかねないので大きなホテルにしか付けられないと思います。
まして急速充電器ともなると本体だけでも何百万円、しかも高圧受電設備が必須になるので変圧器の容量も確かめないといけません…電気主任技術者への相談は必須。
2.設置場所・電線の太さ・長さ・容量
駐車場が屋側にあれば工事費は安くて済みます。EV用コンセントや壁掛式充電器なら尚更。
建物と駐車場が離れていると受電ポールの設置や分電盤の設置などで相当費用が嵩みます。
電線の長さも要チェック!10m以下なら大したことありませんが、それ以上だと太くなければ電圧降下で充電できない可能性があります。
・単相2線式配線の電圧降下(線間)e = ( 35.6 × 電線長m × 電流A / 1000 × 断面積[sq] )
※仮に5.5sq電線20m、電流15Aとすると電圧降下は 35.6x20x15/1000/5.5=1.9418 (約2V) です。
オール電化用[2.6mm(5.5sq相当)2c+1.6mmアース線]の価格は20mで約5千円(50mで1万2千円とすると)。
電線を埋設する場合は電線管が必要なのでその分材料費が高くなります。可とう樹脂管10mあたり2千円など。
もちろん引込電線の太さも要チェック!
低圧受電の民宿・小規模旅館は家庭用引込電線より多少太いとはいえ、昭和の時代に建てられた物件は現代の一般家庭に毛が生えた程度。太い電線は価格が高く工事費もばかになりませんので、事前に配線容量を調べて余裕があるか確認してください。
電力会社・電気工事店・電気保安協会などに測定器があるので、そういうところへ頼んで1週間ほど電力測定をすれば判定はできます。
経験上、100V/10Aならよほどのことがない限り問題ありませんが、200V/15Aだと場合によってはつかないことも考えられます。
営業中の停電は避けるべきなので契約容量に対して25A以上の余裕があるかどうか確認して下さい。
3.工事費
そもそも電気工事は人海戦術、労働集約型業種なので人件費がかさむ世界です。所謂ガテン系
分電盤の電気配線接続工事はもとより、引込ポールを建てる、建物の壁に穴をあけて電線を通す、電線を埋設するのにコンクリートの地盤を斫る…など、ガテン系の土木仕事が多ければそれだけ工事価格も跳ね上がります。
予算が限られているならなるべくそうならない工法を使う他ありません!
もし知り合いや宿泊客に電気工事士が居れば、宿代を安くして(あるいはタダにして)工事してもらう方法もあるでしょう。それだけでもだいぶ変わると思います。
アース(接地配線)がないと充電器が動作せず、別途設置工事が必要になるので事前にアース測定することもお忘れなく!これも電気工事店や電気保安協会などに測定を依頼すればやってくれます(木造の場合。鉄骨があればそこに接続すれば良い場合が多い)。
4.EV充電表示など
電気自動車で来るお客様はEVチャージの標識を目印にやってきます!一目でわかるよう設置をお願いします(間違ってガソリン車が停めることがないようにするため)。
カラーコーンなどバリケードを設置する、施設のクルマを停めておく…などの対処方法がありますが基本はコレが一番。
5.実際の運用
全ての工事が滞りなく終わり、無事通電試験も合格して本格運用に入ったとしましょう!
…あとは充電料金と充電時間の設定が問題になります。
一回当たりの価格にするか、それとも時間当たりの単価にするか。
個人的に意見を言うなら、コンセントの場合は1時間あたりの電気代+α(充電回路利用料金)か、回数制なら車種別設定にしたほうがいいと思います。
低圧受電の場合は元々の電気代が30円弱/1kWhなので、充電回路の工事代転嫁を+αとして、100V/10Aなら1時間あたり50円、200V/15Aなら1時間あたり150円が妥当と考えます。タイマーをつけていれば時間制でうまくイケると思います。
チェックイン時に残り容量を見てタイマーを設定すれば無駄がありませんし、充電料金もリーズナブルになるので価値も上がると思います…その意味でも工事地点でのタイマー設置は必須と見た。
車種別回数制なら100V/10Aでも一泊(16時から翌朝8時)として16時間16kWhなのでアイミーブは残量わずかでも満充電に、リーフ初期型なら2/3は充電できます。この場合は電池容量を確認することで充電料金が決まります。
前述の時間制1kWhあたり50円に準じるなら、アイミーブM(10kWh)だと500円、アウトランダーPHEV(12kWh)は600円、アイミーブG(16kWh)、リーフ(24kWh)などは800円になりますが…充電量が半分以上ならアイミーブとアウトランダーは半額、リーフは12kWhと算定すれば600円でもいけるでしょう。チェックイン時に電池残容量を要確認ですが最低2段階以上の設定は必須だと思います。
ざっと挙げましたが…今回は一歩踏み込んでます。
というのも、飛騨萩原の旅館(萩の里別館)が以上条件でも相当安く取付可能と見たからですが(仮に電気工事士の知人に依頼したとすると材料費+工事費で5万円程度)。
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