今年は、4月24日~5月15日までの間に
マグソクワガタの観察を5回行いました。
この季節はコルリクワガタとマグソクワガタが微妙にかぶります。
どちらかに絞ればいいのですが
それがなかなか難しく ”おあずけ” が出来ません。
観察・採集場所:分布最西方面
4月24日の様子
時間帯: 14:00~15:35
天候:曇り 時々晴れ たまに微風
気温:麓21度±・現地17度±
今年最初の河原はまだ肌寒く
長袖一枚では少し厳しい日でした。
この分布地は川幅が狭く
大雨や台風などにより毎年毎年地形が変わります。
今年の河原には新たな流木があったり
狭いながらも幾つかの新しい砂地もできており
マグソクワガタを観察するには
ここ数年で一番良い状態となっていました。
しかしながら まだ気温が低いのと曇りということもあってか
河原を飛翔する昆虫は殆ど見当たらず
また、発生の目安となるハンミョウの姿もなく
マグソクワガタはまだ発生していないと思える状況でした。
5月1日 発生している!
時間帯:14:30~16:40
天候:晴れ 時々風
気温:麓24度・現地23
時々風は吹きましたが、基本良い天気で
直射日光のあたる石の上や砂地部はやや熱く感じました。
河原では大小様々な昆虫や、爬虫類等を見ることが出来ます。
↓獲物を探すキイロスズメバチの女王
↓ マグソクワガタ発生の指標としているハンミョウ
ようやく発見!
15時を過ぎたころに地面付近を飛翔するオスを発見。
その後も 地面付近を飛翔するオスを見ました。
更に15:58分、石の上に止まるオス1頭を発見。
確認できたのはこれで3頭目になりますが
いずれも河原に到着して探したはずの場所で発見しています。
3頭目の石に止まる個体を本日の観察の対象とし
少し離れてその行動を見守ります。
石の上では上流を向いて触覚を広げているときが多く
たまに方向を変え、地面を向いたりもしていました。
この個体は同じ石の上で約90分以上留まり
16:27分に石の上に積もった枯葉の中に隠れました。
↓このあと落ち葉の中に隠れます
そして、
16時を過ぎるころには飛翔する他の昆虫も極端に減ってきました。
当日発見できたマグソクワガタはオス3頭で
メスを見ることは出来ませんでした。
それにしても動きの殆どない観察は疲れます・・・
5月2日 増加
時間帯:15:50~17:20
天候:晴れ時々微風
気温:麓25度・現地23度以上
この日はコルリクワガタを観察した後、この河原にきました。
少し遅めの到着でしたが 前回より個体数は増しており
飛翔する個体や、小石・草本に止まる個体を
複数見ることが出来ました。
河原には大小さまざまな石が転がっていますが
マグソクワガタ(オス)は
それらのより高いところに止まっているわけではなく
大して大きくもなく、何の変哲もない石の上や
砂地にいることが多いのです。
また、オスは地面付近を低空飛行しながらメスを探しますが
ある程度探して感触?がなければ
急に速度アップして場所を変え
やがて地面などに着地します。
この日は、17:15分でも
石の上に止まるオスを見ることが出来ました。
当日発見した数は20頭くらいだと思いますが
残念ながらこの日もオスばかりでした。
5月4日
時間帯:11:25~13:20
天候:晴れ時々曇り 時折り風強い
この日の気温は未確認ですが、さほど上がってはいません。
河原の昆虫たちの多くは
風がなく、日差しのあるときによく飛翔し
影ると減少します。
その傾向は顕著で、紫外線の影響を受けていることが推察されます。
↓獣の糞に来ていた糞虫
この日はお昼をまたいで約2時間滞在しましたが
マグソクワガタを見ることはできませんでした。
5月15日今年最後の観察
時間帯:11:40~13:15
天候:晴天・時々強めの風
気温麓:29度 現地25以上
かなり良い天気で河原の石や砂地は高温になっていました。
飛翔する昆虫はそこそこいますが
地面で見つかる昆虫は少なめでした。
↓マグソクワガタのメスとよく見間違う
↓ 一瞬、新種のクワガタかと思いました!
↑オオヒラタエンマムシ
当日は、河原の上~下流をTさんと広範囲に調査しましたが
マグソクワガタは全く発見できませんでした。
最後に
今年は観察回数を増やせたにもかかわらず
残念ながらメスの姿を見ることはできませんでした。
マグソクワガタは、
飼育下ではオスより5日ほど遅れでメスが羽化します。
そして、13日くらいの間に全ての個体が羽化を終えます。
雌雄比率は当然五分五分です。
↓ 10年以上ここにある大きな埋木 恐らく発生木の一つ
↓参考画像 オスの羽化(アナログ写真)
↓メス 参考画像(アナログ写真)
今年観察した期間内に
メスも発生していたと思うのですが
出現のタイミングをつかむのは
本当に難しいと改めて実感しました。
また、日差しが強くあたる石や砂地に手を当ててみると
思いのほか高温になっており
マグソクワガタがそこで静止したり
活動できるような温度ではないようにも感じました。
↓石の質や大きさによって表面温度は異なる
日差しが少し和らぎはじめたころに
何度も見たはずの石上で
オスが発見できるのは、そういうことかもしれません。
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