貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

ブラジリアナイト

2022-07-28 21:52:03 | 単品

コレクション、というほどのものでもないけど、まあ集めたものをちょっと整理していた。
高級品なんぞはないけど、数はけっこうになった。
好きなものだから、全部覚えている。これは何、と即座に言える。数百あるのに大したものだ。
というつもりだったのだけど、二つ三つ、ん? というものが出てきた。年かねえ。いやですねえ。(まあしょうがないさ)

その一つがこれ。





何だったっけなあ、と頭をひねり、写真データをひっくり返してみて、ようやくわかった。
ブラジリアナイト。セルフクリエイションさんで別の石と一緒に買ったのだけど、忘れていた。(ひどい) セルフさんはちゃんと名札付きのケースに入れてくれるのだけど、ケースを小さいのに替えたからいけない。

1945年にブラジル、ミナスジェライス州で発見された比較的新しい鉱物。やや稀産。
無色ないし黄、緑を帯びる。
「ホシノカケラ」の先生いわく、
《クリソベリル業者が持ってきた黄緑色の石が実は新鉱物ではないかと見抜いたフレデリック・ポー博士。それで付けた名前が(ブラジルで見つかったから)ブラジリアナイト。
最初は別の鉱石のための名前だったのですが、その石が実は既存で知られていた鉱物(銀星石)だったと判ったので廃名。そしてその名前を受け継ぐことになったのだそうです。
今までに見つかった最大の結晶が15cmほどとのことですから、極端には大きくならないようです。アメリカ・ニューハンプシャーでも産出するものの、基本的にブラジル産がほとんどです。》
このサイト、なくなっちゃったんですよねえ。残念。

確かにクリソベリルに近い「金緑色」。写真では出ていないけれど、もうほんの少し緑がかっていて、なかなかいい味わい。この色は好きですねえ。

組成は NaAl3(PO4)2(OH)4。
ナトリウムとアルミニウムのリン酸塩としては、アンブリゴナイト/モンテブラサイト (Li,Na)Al(PO4)(F,OH) があるけど、こちらもあまり特色があるとは言えない石。アルミニウム単独塩基のリン酸塩含水鉱物だとオージェライト(Al2(PO4)(OH)3)、バリサイト(Al(PO4)・2H2O)、ワーベライト(Al3(PO4)2(OH,F)3・5H2O)といった有名石がある。

     *     *     *

ブラジルという国は、鉱物の宝庫。まあたくさんの美石を産出する。例えば……やめた。大杉。
その名だたる宝石産出国の国名を冠したにしては、実に地味な石。
少しクリソベリルに似た、渋めの淡ーい黄緑が魅力的。中のクラックには虹が光る。
改めて眺めるといい石なのだけど、いかんせん、地味。サンバとサッカーの国にはちと似合わない。

国の名前がついた石というのは……
一番有名なのはタンザナイトだろうけど、あれは商人がつけた商品名だし。
ホランダイトは……人の名前か。スリランカの最多数民族シンハラ人にあやかったシンハライトというのがあるけど、国名ではないね。
ああ、アフガナイトというのがあった。あそこもいろんな有名石が出るのに、アフガナイトはちょっとマイナーな石。きれいだけど。
コロンビアナイトというのがあるけど、あれ、よくわからない。火山性か隕石衝突性の自然ガラスらしい。
インディアナイト、インド石という言葉をどこかで見た記憶があるけれど、mindat ではアノーサイトのこととある。
と、書いていた時に知ったのが「セネガル石 Senegalite」。1976年にセネガルで発見され、セネガルでしか出ない稀少鉱物。これもアルミのリン酸塩で、Al2(PO4)(OH)(OH)2・H2O。薄黄色であまり大きな結晶はないみたい。エヌズさんで売ってる。さすが。
そのくらい? ほとんどないということかな。
まあそういう意味では珍しい石と言えるかもしれない。うむ。

地味だなあ。いい色なんだけど。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿