貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

マラカイトはなぜ緑?

2024-06-23 12:04:49 | 単品

有名な銅鉱物なのにマラカイトはずっと持っていなかった。
どうもあのニッケルっぽい緑色があまり好きではなかったらしい。奇っ怪な模様とかモコモコとかも多くてちょっとキモいし。名前の印象もよくないしね。(しーっ) アズライトとミックスのものは持ってるけど、それはアズライトの添え物、引き立て役みたいな位置だし。
で、ある時、在りし日の五反田さん(死んだみたいに言うな)で、野口以下で売っていたのを見つけて、購入。あまりどぎつくない色と模様でけっこう気に入ったし、「やっぱ全然持っていないというのも沽券に関わるんじゃない?」と思ったので。(何を偉そうに)

アゲートの模様石とは違って重厚な質感があっていい。

その後、ヤフオクで「ベルベット・マラカイト」とあるのを見つけ、軽い気持ちで入札しておいたら何とそのまま落札。

ベルベットというのは、微細な針状結晶が拡がっていて、柔らかな布のように見えるかららしい。美しいものはびっくりするくらい美しい。これはさほどではないけれど、独特の質感がなかなか。

しかし銅の鉱物なのに緑なのはなんでなのですかね。
調べてみたけどよくわからない。
銅イオンが塩素イオンのような黄色いイオンと結合すれば緑色になるらしい。まあそれはわかりやすい。アタカマイトは Cu2(OH)3Cl だから緑。なるほど。
しかしマラカイトはアズライトと同じ炭酸塩。
     アズライト(藍銅鉱) Cu3(CO3)2(OH)2
     マラカイト(孔雀石) Cu2(CO3)(OH)2
組成はほとんど同じなのにどうしてこんなに違うの?
「銅イオンの色は陰イオンによってわずかずつ違います。硫酸銅では青ですが、硝酸銅ではわずかに緑がかっており、塩化銅は青緑色をしています。これは、銅イオンが錯体を作った時の色の違いです」という話もあるけど、これでは「なぜ」がわからない。「遷移金属では配位子による配位子場によって、電子軌道のエネルギー準位が変化することで色相が変化します」とある。これはあちきには理解不能。同じ元素で構成されていても、結晶構造が変わると電子軌道が変わる?

どうも鉱物の色というのは一筋縄では行かないみたいですね。


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