貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

ヘミモルファイト

2022-09-04 11:37:24 | 単品

ヘミモルファイトというと、母岩付き結晶が普通みたい。
けど、結晶が立派なものは高い。そうでないものは小さかったり、色がはっきりしてなかったりして、欲求不満になりそう。買おうかなと思ってやめていた。
ところが先日、夕星庵さんでお手頃値段のカボッションが出た。すごく美しそうなのでぽちっ。
届いた包みを開けて、おおっと声が出た。

緑の石はいろいろとあるけど、こういう、明るくてしかも強すぎない、繊細なブルーグリーンは、あまり見たことがないような。透明感もある。
たいへん魅了されました。結晶ものより美しい、とも。

ヘミモルファイト。異極鉱。Zn4Si2O7(OH)2・H2O。亜鉛のソロケイ酸塩。ゾイサイト、エピドート、アキシナイトと同じ双結派。ふうむ。

《結晶は特徴的な異極像 hemimorphy(両端の形が異なる結晶)を示し、名称もその結晶形に由来する。》日本大百科全書

mindat に美しい透明結晶の写真があるけれど、何が何だかよくわからない。片方は台形でもう一方は真っ平、ということなのかな。
どうしてこういうことが起こるのか。分子たちが「おい、頭のほうはちょっと凝ろうぜ」とか相談するのか。(ないねえ)

スミソナイト(菱亜鉛鉱、ZnCO3)とよく似ている。らしい。うちのスミスソン君はサイコロっぽい結晶。色はヘミ君と似たライトブルーで美しい。似てるっちゃあ似てるか。



けどスミスソンはけっこう色々な色がある。ヘミにも色々な色があるのか。

ついでに亜鉛含有の主要鉱物リスト再掲。
  スファレライト(Sphalerite 閃亜鉛鉱) (Zn,Fe)S(Fe=0)
  ジンカイト(Zincite 紅亜鉛鉱) ZnO
  スミソナイト(Smithsonite 菱亜鉛鉱) ZnCO3
  ヘミモルファイト(Hemimorphite 異極鉱) Zn4Si2O7(OH)2・H2O
  アダマイト(Adamite アダム石、水砒亜鉛鉱) Zn2(AsO4)(OH)
  フォスフォフィライト(Phosphophyllite 燐葉石) Zn2Fe2+(PO4)2・4H2O
  ローザサイト (Rosasite 亜鉛孔雀石) (Cu,Zn)2(CO3)(OH)2

魅力的な石がごろごろありますねえ。

ところで、このカボッション、7ミリくらいの小さなものだけど、よく見る標本の結晶と比べると、やたらでかい。形は悪いけど大きな結晶を削ってできたものなのか。そんな結晶なんてあるのか。複合結晶みたいなものなのか。
セルフクリエイションさんには何と27ミリくらいのタンブルが出ている。こちらは透明度があまりなく、他の鉱物と混合しているみたいでもある。
このあたりのこと、よくわからないんですよねえ。
まあ、そういうことはともかく、実に美しい色の石です。やっぱ石は姿形より色じゃないかなあ、などと思ったりもして。


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