貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

チタン① チタンって何じゃい

2022-01-01 18:07:29 | 単品

お正月は石屋さんも休みが多くて皆さん暇で死にそうだろうから(自分と一緒にしてはいかん)、駄弁を一席。(寄席かよ)

チタン。
チタンなんていう金属は、あちきが小さい頃は知らなかった。(昔々の物語ね)
そのうちジェット機、特に軍用機やロケットに使われ出し、何となくかっこいい新素材みたいに知られ始めた。
身近に聞くようになったのは、ゴルフのひっぱたき棒(何だそれ)のヘッドとやら。あちきにはゴルフは冥王星くらい遠い存在だけど、何となくスーパー素材みたいな印象を焼き付けられた。ちなみにその合金はチタンにバナジウムを2~6パーセント混ぜたものとのこと。(前に書いたことを再利用するな)
いろいろな製品に使われ出したのは前世紀のかなり後半で、人類にとっては新しい金属。耐久性・耐蝕性に優れ、軽いので、現在は例を挙げる気にもならないほどものすごく様々な用途がある。ウィキで見てみてください。現代は「チタンの時代」かもしれない。

チタン自体はさしてレアな金属ではない。地殻構成成分としては第9位で、金属としてはアルミ、鉄、マグネシウムに次ぎ第4位。ほお。知らなかった。利用されなかったのは精錬が難しかったかららしい。そのあたりはアルミと似ているかな。

チタンという名前は、ギリシャ神話の12柱の巨神族ティーターンに由来するもの。普通は「タイタン」と発音されますわな。ゼウス神話体系に先行する古層・古族の神々らしく、「でかい」という意味があるのであの「タイタニック号」の名前にもなった。土星の最大の衛星もタイタン。大気を持ち炭化水素の湖があるとのこと。地球型生命いるかもね。タイタンナマズなんていたら面白い。(なんでナマズだ?)
まあとにかくかっこいい名前。

チタンを含む主な鉱物は、
・ルチル(Rutile 金紅石) TiO2
・ブルッカイト(Brookite 板チタン石) TiO2
・アナテース(Anatase 鋭錐石) TiO2
 *上記三種は同質異形(多形)
・チタナイト(Titanite チタン石)CaTiSiO5(宝石名スフェーン)
・ペロブスカイト(Perovskite 灰チタン石) CaTiO3
・ベニトアイト(Benitoite ベニト石) BaTiSi3O9
・イルメナイト(Ilmenite チタン鉄鉱) FeTiO3
このうちチタンの原料鉱石となるのはイルメナイトとルチル。
イルメナイトなんて標本として売っていないかと思ったら VEC Stone Club さんでちゃんと売っていた。驚き。工業用鉱石なのにえらく高いのも驚き。

はい、どーん。

パーフェクトストーンさんのバーゲンで買った大きなチタナイト。横10センチある。
チタナイトは宝石名になるとスフェーン。高級石としてよく知られている。高い。
これを「スフェーンです」と言って出すとちょっと詐称っぽい。けれど、形は不完全ながら透明なチビ結晶もある。たくさんひしめいてキラキラして、美しい。ただ、こんなにたくさんあると、少し有難味が薄れる感がなきにしもあらず。
ひとつポロっと取れたやつ(おいおい壊すな)を接写してみると、なかなか綺麗。


超レアストーンですと言って展示したら売れそう。(こらw) あ、ルースケースに入れて勿体付けて近所の子にやろう。(こらこらw)

チタナイトは奇妙な石なので次回に。


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