貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

チタン③ ルチル三兄弟

2022-01-03 19:29:51 | 単品

チタナイトないしスフェーンがケイ酸塩鉱物だったのに対して、単純な酸化チタン TiO2 の鉱物がある。三兄弟で、ルチル・アナテーズ・ブルッカイト。同質異形というやつ。カイヤナイトの時は三姉妹と言ったけれど、チタン、つまりタイタンに姉妹は似合わない。やっぱ三兄弟でしょう。何かもう一人鬼っ子がいるらしいけど、まあパス。
ルチルとアナテーズは正方晶系、ブルッカイトは直方晶系。ううむ。この晶系というの、素人にはあんまし役に立たないですね。六方晶系が必ずしも六角形をしているわけではないし。

ルチルは、金色の針状結晶が有名だけど、黒っぽい棒状結晶やごつい大型結晶もある。奇妙ですねえ。
今は、「ルチルクォーツ(ルチレイティッド・クォーツ)」があちこちでさかんに売られている。水晶に金針が入ったもので、とりわけ太いのは「タイチンルチル」と銘打たれている。この「タイチン」は中国語の「太針」らしい。中国人はこういうの好きそう。
「お肉たっぷり」のものはえらく高い。誠安天然石さんには200万円の「ルチルの怪物」が売られている。誰かお買いなさい。

これはあちきの持っている125円(は?)のビーズ。

手作りアクセサリー用品屋さんで4つ500円で売っていたもの。ちゃんと金針です。
水晶内包もいいけど、そのうち金針もさもさのルチル単独のクラスターが欲しいな。

アナテーズ(Anatase)は、アナテースだとかアナタースとかアナターゼとかいろいろ表記があって困る。(変なギャグはやめときなさいね) 和名は鋭錐石。すぐには読めねえよ。鋭は「えい」だけど、錐はええと、「すい」か。「えいすいせき」ね。ピッチャーが他の球団に行くことね。(沈黙)
ながっぽそい四角錐をお尻同士でくっつけたような(何という形容だ)きれいな結晶が典型。小さくて地味ながらもわりかし人気のある石のようで。
あちきのはお手頃価格品なので、その四分の一形。けれど鋭い稜線と表面の渋い虹色がとても素敵です。端のほうは多少赤銅色に透ける。


ブルッカイト。板チタン石。
その名の通り、ほんとに板。うちのやつは薄いのが二枚、少しずれて重なってひっついている。

普通に見ると赤銅色だけど、光の当て方で、緑が浮かんだり、表面に虹色が輝いたりする。

実に味わい深い石です。結晶の形と渋い色がいいなと思って買ったのだけど、この「カラーチェンジ」にはびっくり。あまり人気はないみたいだけれど、とってもいい石ですよお。
ちなみに水晶で銀色の針状結晶を含んだものに「プラチナルチルクォーツ」というのがありますけど、あれはプラチナではなく、このブルッカイトだそうで。
いくつかのサイトの説明には、「水晶に含まれたチタンが低温でブルッカイトとして結晶し、その後温度上昇によってルチルへと変化したもの」とある。ううむ。かなり特殊。
ブルッカイトはおおむね赤ですけど、この針状インクルージョンは銀色。何かよくわからない。

チタン鉱物にはほかに、「アメリカ3大美稀石」と言われるベニトアイトがある。
三角っぽい六角形の(何だそれ)不思議な結晶で、透明なものは青く澄んで美しい。けどとても高いのであちきは持っていません。まあそのうち。無理かな。

アルミニウムほどではないけれど、チタンもいろいろな姿を見せる鉱物。
今はチタンは引く手あまたでがんがん採掘されているだろうから、そのうちチタン含有の美しい石が出てくるのではないでしょうか。

あ、これからは不定期投稿になると思います。


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