貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

はじめての水晶

2022-03-06 10:15:37 | 単品

昔々、石集めを始めるずっと前に「山入り(ファントム)水晶」を買ったことは前に書きましたけど、それは別にして。
はじめての水晶!
「アイスクリスタル」。ヒマラヤ産。
いわゆる「蝕像」水晶。アイスクリスタルはちょっとほしいなと思っていたのだけど、けっこうな値段。たまたま夕星庵さんのアウトレットで超安値だったのを見つけて、ぽちっと。


The Stone of Wakou さんの解説より一部引用。こちらでもお安く出てますね。
《この水晶は熱水などにより侵蝕を受けたのちに、またカルサイトなど他の鉱物に水晶の成長が阻害され、その鉱物が熱水や酸などによって溶け去ったのちに、地殻変動や気候変動などによって氷河に埋もれた水晶です。この水晶は氷河が後退することによって、以前は一年中氷河で覆われていた非常に標高の高いところで発見されました。》

氷河から出たというので、氷か水で溶かされたのかとずっと思っていたのだけど、どうも違うみたい。地中で熱水などによって「蝕像」された水晶が、地殻変動で地上に出て、今度は氷河の中に埋もれ、さらに氷河が融けて地上に出てきた、ということのようですね。ううむ、いくら年月を掛けても氷や水で水晶が溶けることはないか。
なんでパールヴァティ渓谷だけで出るのかは不明。「アイスクリスタル」の命名の理由も不明。最近出回ったものらしい。地球温暖化で氷河が融けて云々という話もあるけれどそのあたりも不明。

この産地名もややこしい。インド北部、チベットとパキスタンに挟まれたヒマラヤ山脈の麓に位置するヒマーチャル・プラデーシュ州の中央部「クル地区」にあるパールヴァティー渓谷の中心部、マニカラン村で採れる。ああややこしい。時折「クル渓谷」産と書かれていたりするけれど、クル渓谷沿いには水晶の産地はない、とのこと。詳しくはこちら
なお、しばしば鉄分によって赤く染まっていることがある。

蝕像ということとヒマラヤ氷河産というダブル・アトラクティブで、人気は高いようで。
まあ、他の産地の蝕像水晶をヒマラヤ産アイスクリスタルとして売ったとしてもわからないだろうけど、そこらへんは石屋さんを信じるしかない。

確かにがたがたになっている。そのがたがたのたくさんの面が光を反射するので、とても美しい。
よく見ると、これが不思議で、たくさんの面のすべてが、表面つるつる。これは溶かされたせいであって、人工的にこういうことはできない。だからぴかぴかと光を反射する。あちきの能力ではうまく写真にすることができません。残念。



しかし、溶かされた時に、アモルフなぐにゃぐにゃではなく結晶的な面構造になるのも、ちょっと不思議。並んでいる分子は「せーの!」で溶けるのかな。(その掛け声ってまだ使われているのかね)

ニルヴァーナ・クォーツという売り名もあるようですね。ううむ、涅槃。さとり。仏教は悟りが眼目みたいに言われますけど、「悟りって何じゃい」という問いには実は答えがない。かーつ、と一喝されて終わり。まあ内的体験は叙述も定義も不可能なものでして。(うるさいね)
これを首にぶら下げて、さとったジジイみたいに装おうかな。(こらw)

しかしわざわざこういう変わった水晶を買うのは、やはり天邪鬼なのかな。(自覚はあるんだ)
ニルヴァーナとは程遠い。しかしね、「誰もが通る大きな門は滅びへの道」という箴言もありましてね。(普通の水晶買ったからって滅びるわけねえよw)



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