貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

愛媛県関川産第一鉄普通角閃石(ホーンブレンド)

2023-06-21 21:35:07 | 国産鉱物

(ずいぶんごついタイトルだね)
ようやく出会いましたね。
ホーンブレンド。Hornblende。コーヒーではありません。(またかよつまらん) 普通角閃石。
もうあちゃこちゃで名前が出てくる。ものすごく基礎的な鉱物。そのくせ標本商品なんか見たことない。「は? 角閃石なんて買うやついるのか?」みたいな感じ。
と思ったけど、アクチノライトもトレモライトもパーガサイトも角閃石ですな。まあそれは置いておいて。「普通角閃石」は見たことない。
あちきもわざわざ買ったわけではない。国産鉱物標本セットに入っていただけ。
でも、見てびっくり。何と美しい。
愛媛県四国中央市関川産。

角閃石はスーパーグループ名で、200近くの種類がある。実に厄介。知らん。(おいw)
一応定義は以下。何かなんでもござれみたいですな。

AB2C5((Si,Al,Ti)8O22)(OH,F,Cl,O)2
 A=☐,Na,K,Ca,Pb2+
 B=Li,Na,Mg,Fe2+,Mn2+,Ca
 C=Li,Na,Mg,Fe2+,Mn2+,Zn,Co,Ni,Al,Fe3+,Cr3+,Mn3+,V3+,Ti,Zr

その中でよく見られるのが「普通角閃石」。異常ではないということね。(ちがう)
ホルンブレンドと書く向きもあるけど、ドイツ語めかすんだったらホルンブレンデじゃないですかね。(うざいなこいつ)
ただしこれ、正式グループ名ではない。「苦土普通角閃石 Magnesio-hornblende」と「第一鉄普通角閃石 Ferro-hornblende」の連続固溶体を伝統的にこう呼んできたということらしい。うざいね。
で、こやつは「第一鉄普通角閃石」。
組成は □Ca2(Fe2+4Al)(Si7Al)O22(OH)2。
第一鉄って何じゃいとググったら「二価鉄 Fe2+」のことらしい。ひどいねこれ。第一なのに2価とはこれいかに。(文句多いぞ)
はあめんどい。

まあ何だか知らんけど、紺色の光沢が素晴らしいのですわ。アクチノライトに似ているけど、もう少し雲母っぽい感じ。


角閃石というのは、安山岩にも花崗岩にも含まれる基礎的な鉱物。そして重要なことは「含水鉱物」であるということ。同じく基礎的な鉱物である輝石は含水ではない。
つまり地球表層部を動かしている岩石・マグマにおいて、水を担っているということ。この水によって様々な鉱物形成が促進される。
また角閃石は変成を受けて、タイガーズアイ、ピーターサイトといった美しい石を生み出す。
アスベスト類を含むということで評判が落ちた角閃石だけど、とても重要な石であるようです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿