貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

スギライト

2023-03-18 20:30:58 | 単品

杉石。どうしても「すぎいし」と読んでしまうけど、「すぎせき」が正しいと。
日本語版ウィキペディアだと
(K,Na)(Na,H2O)2(Fe3+,Ca,Na,Ti,Fe,Mn)2(Al,Fe3+)Li2Si12O30
とあるけれど、mindat では
KNa2Fe3+2(Li3Si12)O30
と素っ気ない。よくわからんけど、複雑な組成であることは確か。リチウムと珪酸がミックスしているところが味噌かな。与党六環派(サイクロ)。この派閥はベリル、トルマリン、アイオライトと面白い石がいる。やや珍しい少数派閥。
1944年に愛媛県岩城島で杉健一(1901-1948)らによって発見され、75年に村上允英らが分析、翌76年にIMA認定された。杉は日本の変成岩学の先駆者だったが若くして世を去った。
最初に発見された日本産はうぐいす色で、mindat には「曖昧な汚ねえ緑っぽい黄土色」と書かれている。ひどいね。(「ねえ」とは書いてないだろw) その後南アフリカでマンガンを含んだ紫ないし青紫の美しいものが出て、一躍有名になった。近年はは三大何ちゃらともてはやされている。
ただし英語圏の人々は「スジライト」と読んでしまうらしい。スジは美しくないねえ。ローマ字は表音文字だなんて言ってるけど全然そんなこたあない。

産出がそれほど多くないのか、だいたい高い。そして透明度がないものが多い。
個人的には赤っぽい紫があまり好みではなくて、スルーしていた。似たような感じだったらチャロアイトやスティックタイトがあるし、と。
ところが、先日、エヌズミネラルさんでかなり透明なものがわりと安く出た。思わずポチっ。

南アフリカ、Wessels Mine産。まあちょっとエヌズさんの写真は美しく撮れ過ぎていたけど、透明な部分がけっこうある。



強い光を透過させると、かなりどぎつい赤紫が輝く。写真よりもっと赤くどぎつい。こんな色はほかであんまり見たことがない気がする。

スギライト自体、あまり大きな結晶にはならないようで、母岩にたくさん張り付いているのとか、他の成分と混じって不透明なものとかが多い。これは結晶複合みたいな感じで、なかなかいいのではないかなと思っておりますです。
ちなみに「天然石業界のダイ〇ー」こと誠安天然石さんのサイトには6ミリ玉のすごく美しいネックレスが出ているけれど、なんと100万円越え。ダイ〇ーさんでこの値段なんだからすごいですねえ。

三大何ちゃらというのだから、おでこに貼るとご利益があるかも。(よしなさい)


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