これほんとにダイオプテーズと混同しやすい。どちらもクロムを含むと緑になるし。しょっちゅう間違える。
和名だと透輝石と翆銅鉱で全然違ってわかりやすい。こういうところ、漢字というのは便利ですね。(いつも和名に悪態ついているくせにw)
ダイオプサイドは前にオレンジカルサイトとの共生標本を買ったのだけど、結晶が小さくて欲求不満だった。
で、エヌズさんの25%オフで新たに。
これは石墨付着があるけど、単結晶で23ミリと立派。
色は薄いけれど、透き通って美しい。石墨が方向によって銀に輝いたりするのもいい。
単にスカッと透き通っているのではなく、内側に微細なわちゃわちゃがあって、それが独特の輝きを作っている。
そのわちゃわちゃが結晶の稜線にギザギザ模様を描いている。
紫外線でオレンジに蛍光する。クンツァイト・ヒデナイトと同じ。
(埃をちゃんと取ってから写しなさいなw)
* * *
ちなみに、こちらは既出だけど、クロムトレモライト。
透閃石。Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2。角閃石グループに属する。
輝石と角閃石は、ともに与党繊維派(イノケイ酸塩鉱物)。繊維派はこの2つの巨大グループがぶつかり合う戦場。角閃石集団はアスベスト(石綿)という凶暴集団も擁して危険。(おいおい)
ダイオプサイドを買ったのは、同じ繊維派の透閃石と見比べてみたかったという思いもあったのですね。
で、微細に見てみると、まあ素人目ですけど、トレモライトは繊維派らしく筋々の構造が窺えるけど、スカッとしている。それに対してダイオプサイドはわちゃわちゃしている。個体差もあるでしょうけど。
こちらのダイオプサイドのルースは、HUNZAさんでお安く売っていた物。色が濃いわりに表情が少なくて面白みがないと思っていたけれど、内部を覗くとけっこうわちゃわちゃ。
ほかの輝石はどうか。
まずはエンスタタイト(頑火輝石)
これ、普通は赤っぽい渋い色なのですけど、透過光だと方向変色も起こして実に不思議な色を見せる。中のわちゃわちゃした感じも窺える。
それからクンツァイト(スポデューメン、リチア輝石)。
割合すっきりしているけれど、微妙に複雑な構造が見えるようでもある。
これはヒデナイト。まあクンツァイトと同じだけど。
本翡翠(ジェイダイト、翡翠輝石)もそうですけど、どうも、輝石は繊維派といえども内部構造が結構複雑なような。一方、角閃石は、タイガーアイなんかに見られるようにスカッとしている。
そんな違いがあるように思えるのです。
輝石というのは基礎的な鉱物なのに、魅力的なものが多いですねえ。
* * *
おまけ。主な輝石のリスト。
◆Mg-Fe輝石
エンスタタイト(頑火輝石) Mg2Si2O6 (ブロンザイト、ハイパースシーン)
◆Ca輝石
ダイオプサイド(透輝石) CaMgSi2O6
ヘデンバージャイト(灰鉄輝石) CaFe2+Si2O6
オージャイト(普通輝石) (Ca,Mg,Fe)2Si2O6
◆Ca-Na輝石
オンファサイト(オンファス輝石) (Ca,Na)(Mg,Fe,Al)Si2O6
◆Na輝石
ジェイダイト(翡翠輝石) NaAlSi2O6
エジリン(錐輝石) NaFeSi2O6
コスモクロア(コスモクロア輝石) NaCrSi2O6 (モーシッシの主成分)
◆Li輝石
スポデューメン(リチア輝石) LiAlSi2O6 (クンツァイト、ヒデナイト、トリフェーン)
◇準輝石
ロードナイト(薔薇輝石) CaMn3Mn2(Si5O15)
パイロクスマンジャイト(パイロクスマンガン石) MnSiO3/(Mn,Fe)7Si7O21
ウォラストナイト(珪灰石) CaSiO3
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます