*一昨日はドジ投稿で失礼いたしました。<m(__)m>
布賀産の鉱物標本というのはけっこう流通している。
あちきのような素人には猫に小判かなと思いつつ、ニフォントフ石やスパー石はお安く出ていたので買ってみたりした。
五水なんちゃらというのも、ふうんと見ていたのだけど、ヤフオクでえらくお安く落札できそうなのがあったのでゲット。(なんか不埒な買い手だねえ) 名前がかっこいいじゃん?(不埒千万)
小さいけどかっこいい。結晶がキリっとしている。水晶クラスターじゃない?と思うほど。
不思議なのが色合い。LED通常光で強い光だと上のように黄色っぽくなるけど、普通だとちょっと薄紫っぽく見える。
蛍光灯色だと青くなる。
電球色ライトだと赤くなる。
おやおや、カラーチェンジじゃないですか。水晶はこんなにならんでしょう。
名産地で出る稀少石だからもてはやされているのかと思ったけど、美しさという点でもなかなかなのですねえ。えらく気に入りました。猫も小判で遊ぶ。(何だそれ)
五水灰硼石、ペンタハイドロボライト、Pentahydroborite。
CaB2O(OH)6・2H2O。水ばっかや。
mindat さんいわく、
《「ペンタ」は水が2つしかない種に対してはむしろ誤った名称だが、これは 6(OH) が3つの余分な水と間違えられたために生じた。》
科学的には「二水」が正しいわけだけど、そのまま正式名称になっている。
五で驚いてはいけない。やはり布賀で出るものに、なんと六水灰硼石 Hexahydroborite というのもある。
Ca[B(OH)4]2・2H2O or CaB2O4・6H2O、と midat さんにはある。あれ、数合わなくね?
これも「二水」だけど六水として正式鉱物名。
なんか両方とも水だらけ。ぎゅっと絞ったら水が滴りそう。(ねえよ)
水ばっかなので、軽い。五水は比重なんと2.00-2.03、六水は比重なんとなんと1.84。
はあ? 一般的な鉱物で最も軽いのはオパール、沸石あたりで2.1くらい。それより軽い。硫黄が2前後。こやつらはひょっとしてあらゆる鉱物の中で一番水っ気が多くて軽い石じゃないかしら。
何じゃね、これ。
じゃあ「ペンタ」や「ヘクサ」が付かないハイドロボライトというのがあるかというと、そういうのはなくて、「ハイドロキシルボライト、Hydroxylborite というのがある。組成は Mg3(BO3)(OH)3。あれ、これはカルシウムではなくてマグネシウムですね。こちらは水が少なくて比重2.89。
さらには「ハイドロボラサイト」というのもある。Hydroboracite。CaMg[B3O4(OH)3]2・3H2O。和名は加水方硼石または水硼酸石らしい。カルとマグの混成。水たっぷりで比重2.15-2.17。こっちの方が五や六に近いですね。
さらには「ハイドロ」が付かないボラサイトという鉱物もある。Boracite、Mg3(B7O13)Cl、方硼石。こちらは水っ気の全然ないがっちりした鉱物で比重2.91-3.1、硬度も7以上ある。
何にも付かないボライトという鉱物があるかというと、ない。「ボレイト borate」というのがあってこれは「ホウ酸塩」のこと。
はは、何のこっちゃ。頭ぐちゃぐちゃ。(わざわざややこしくしてるだろw)
ホウ酸塩鉱物というのは BO3 のものだけでも228ある。けれどあんまり一般的な石はない。ホウケイ酸塩のトルマリンを別とすれば、よく知られているのはイェレメーイェファイト=ジェレメジェバイト、硼砂、ウレキサイト、コールマナイトくらい。だから一連の「ボラ石」(なんだよそれ)は貴重とも言えるかな。ホウ素主体の鉱物はだいたい湖水が干上がって生じる蒸発性鉱物みたいだけど、布賀のものは一応「スカルン鉱物」なのだから、余計貴重なのかもしれませんな。
しかし現在、布賀での採集は不可でしょう?(よしなさいつまらん) 今出回っているのは過去に採取されたものがぐるぐる回っているということ? それにしちゃけっこうある。不可解。(こら)
まあ鉱物標本はコレクターが集めて、放出して、また別の、と回るものがけっこうあるみたい。特に名産地品や稀少品は。
あちきの持ってる石たちに稀少品は少ないけど、布賀のものなんかはあちきが死ぬ前に市場に戻さなきゃいかんかね。けど大鎌を持ったやつがやってきて「う」とか「あ」とか言ってたらそんな余裕もないしね。どうなることやら。