丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

人間動物園へ レッツ・ラ・ゴ~!

2008年06月28日 | お子様
 小学校にロング参観というのがある。朝の十時半から昼の二時ごろまで、親がいつでも参観できるという、エライ枠の広~い参観なのだ。物騒なご時勢なので、そんなに長い時間、父兄が自由に出入りできるというのもいかがなものか……。そんな気もしないでもないが、まあ、子供の生態(笑)が見られるというのは親としては魅力的かもしれない。

 とは言え、そんな長時間ぼ~っと子供の様子を見ててもしょうがない。第一、仕事もあるし。で、たまたまその日は昼から仕事だったので、お昼休みを覗きに行った。
 同じような事を考える親が多いようで、昼休みの小学校はお母さん達で溢れている。いざ我が子の教室に辿り着くと、丁度昼のご飯の真っ最中だった。

 妙にし~んと静かな教室で、子供達がちらちら廊下の方を見ながら、神妙な顔でご飯を食べている。
 廊下には親達が窓越しに我が子を眺めている。

 この光景……。なんか見た事あるな……。

 妙な既視感を覚えて記憶を辿る。なんとなく薄暗い廊下。窓越しの見学。妙に静かな人為的な空気。

 あ、そうだ。天王寺動物園のコアラ舎!!

 暗い廊下とガラス張りの展示室。人為的に作られたユーカリの止まり木。見られているのを意識しているのかどうかはわからないけれど、黙々とユーカリを食べるコアラ。
 ガラスには張り紙。「静かにしてください。コアラが驚きます」

 思わず噴き出した。まるっきし動物園だよ。子供の生態を見学に来ている親という名のお客さん。子供達は妙に意識して、自然に振舞おうと努力している。

 そんな事を思った途端、妙に莫迦莫迦しくなってきた。何しに私はここにきたのだろうか。眼の前のコアラちゃん達は、天然のコアラちゃんじゃないな。作られたコアラちゃんを見学しても、その生態がわかるはずがない。この参観、なんか、意味があるのだろうか……。漠然とそんな苦い思いに囚われる。

 教室の中では私の姿を見つけたチビ子がニヤリと笑いかけてきた。ああ、うちのコアラはちゃんとコアラを演じている……。なんとなくチビ子のしたたかさを見たような気がした(笑)。
 
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2 コメント

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洞察力 (カミュ)
2008-06-29 17:32:16
すごい洞察力ですね。カミュはそういう目線って好きですよ。なかなか難しいものですから。
返信する
Unknown (ちえぞー)
2008-06-29 23:06:41
>カミュさま
ただのアマノジャク(笑)。
素直じゃないんだな、きっと。
返信する

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