丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

思い出

2007年10月31日 | 四方山話
 父が亡くなって半年以上が経った。「父がべったり家にいる生活」から「父がいない生活」への移行は、父には申し訳ないくらいすんなりと進んでいる。なんとまぁ、あっさりした家族だろうか(笑)。
 父に関わってくれた大勢の人々から「介護生活をなんらかの形で公にしてよ!」と、母は随分けしかけられているようだ。
 確かに世の中には在宅介護で悩んでいる人達がたくさんいる。その中でも三十年近く(正確には二十八年)も、在宅介護に取り組んできたというのは心強い存在ではあるだろう。母もこれまでの経験や、父の生涯が人様の何らかのお役に立つのであれば……、という想いはあるようで、色々考えてきたようだ。
 「出版」とか、「投書」とか、色々二人で考えた結果、ブログを作る事にした。

 「くちなしの花」というブログを最近ついに立ち上げた。仕事の休みの日にはちまちまと今までの事を書き始めている。なんせパソコンでの長文作成に挑戦するのは初めての母なので、文章はたどたどしいし、カッコの使い方なんかはてんでメチャクチャだが、読んでいると一生懸命さがじわじわと伝わってくる。そして、「ああ、この時確かにこんなんだったなぁ。」とか、「こんな思いをしてたんだなぁ。」とか、色々な想いが胸に迫ってくる。
 思い返せば、父が最初に発症したのは私が小学校二年生のことだ。当初は自分の家が、どれほど窮地に立たされているのかという実感はほとんどなかった。大きくなるにつれて、色々な事実を知ったけれど……。
 母のブログ、開設してまだ間もないのだが、新しい記事を上げるたびに読んでくれている人が結構いるらしい。母から数字を聞いて、ちょっとびっくりした。誰が読んでくれているのだろう。父の事を知っている人だろうか。それとも在宅介護に携わっている人達だろうか。
 いずれにせよ、人生の半分以上を「介護される」身で過ごした父と私達家族の足跡が、誰かを元気づけるのであればこれほど嬉しいことはない。父の人生も捨てたものじゃないと思えてくる。本人は「つまらん人生だったわい。」とぼやいているかもしれないけど(笑)。

 ブックマークしていますので、興味のある方、どうぞ読んでやってください。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿