丘を越えて~高遠響と申します~

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地獄八景亡者之戯~地獄通信社かわら版・最新号~

2015年03月21日 | 四方山話
 地獄というところはえらい恐ろしい所やと思うてる人がぎょうさんおりますけど、ほんまのところ、そないに恐ろしい所やあらへんようですな。なんでも、三途の川を渡ってすぐに大きな町があるやそうですけども、その町の中には色んな遊び場がありまして。演芸場やら、映画館やら、中には大人のつやっぽい遊び場なんかもあるそうです。
 地獄の様子をちょっと知りたいなぁ……と思う人がありましたら、ぜひ一回観てもうたらエエと思いますのんが、古典落語の大作「地獄八景亡者之戯」というお話でございます。落語のお好きな方やったら、まず一回は聞いた、観たことがおありになるんやないかと思いますが、全部聴いたら一時間くらいかかるというちょっとした映画並みのお話でございまして、これが話せる噺家さんというのもよっぽどベテランの、それも達者なお方でないとあきまへんやろな。私が一番好きで、何度も聴いたのは桂米朝師匠の地獄八景でございます。最初に聴いたのは私がまだ可愛らしい小学生でしたさかい、かれこれ、三十ン年前。えらい昔の話でございます。
 古典落語や言うから、そらもう古い話なんやろと思われるかもしれませんが、このお話、その時々の時事ネタがぎょうさん盛り込まれておりまして、それがまた結構な笑いどころになっております。同じ米朝師匠の地獄八景でも、わりあい近年に録音された物も聴きますと、その収録時期に大阪で開催されていた博覧会ネタやったり、犯罪ネタやったり、その都度新鮮なネタで笑わしてもらえるという「古典」でありながら「創作」「即興」の面白さも味わえるんでございますなぁ。

 さて、そんな地獄八景ではございますが、今朝の地獄通信社かわら版・最新号によりますとこんなスクープ記事がでかでかと載っておりました。

待ってました!
 人間国宝・桂米朝独演会!!


 3月19日亡くなった落語家桂米朝さんが20日三途の川の船着き場に到着、出迎えた大勢の報道陣や芸能関係者の熱い歓迎に驚いた様子を見せた。花束を持って現れた桂枝雀、文枝、春團治に「えらい久しぶりやがな。元気でおったんかいな」と声をかけ、笑顔を見せた。また、早速独演会のスケジュールが組まれていることを知らされ、「ネタではしょっちゅう『桂米朝近日公演』とか言うてましたけど、まさかほんまにこんな日がくるとは……。感慨深いですわ」としみじみ語った。
 なお、桂米朝独演会は亡者繁盛亭で行われる予定で、20日に販売となったが即日完売となっており、追加公演が検討されている。


 ……とまあ、このような記事でございますわ。米朝師匠も今頃大慌てで準備をしておられることでございましょう。

 娑婆で師匠の芸が見られへんようになるのはなんとも寂しい話でございますが、あの世へ行ったら六道之辻にあります亡者繁盛亭でまた観られると思いますので、楽しみにしております。
 せやせや、あの世に行ったら古今東西ありとあらゆる名優・名歌手のステージを観られるそうですから、私としてはぜひともホイットニー・ヒューストンのライブなんかも行ってみたいと思うております。

 と言う訳で、米朝師匠! あっちゃへ行っても頑張ってください!!


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