丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

映画「レ・ミゼラブル」を観た!

2013年01月02日 | レビュウ
監督:トム・フーパー
ジャン・バルジャン:ヒュー・ジャックマン  ジャベール:ラッセル・クロウ  ファンテーヌ:アン・ハサウェイ  コゼット:アマンダ・セフライド  マリウス:エディ・レッドメイン  エポニーヌ:サマンサ・バークス

 パンを一つ盗んだ罪により十九年間も服役し、ようやく仮釈放されたジャン・バルジャン。娑婆に出たものの、前科者の証明書を持つ身であるため世間からつまはじきにされ、食うや食わずで野垂れ死にしそうなところを教会の司祭に助けられる。恩を仇で返すように盗みを働いたジャンに司祭は愛を持って彼を赦し、神の愛と慈悲を説く。司祭の心に魂をゆさぶられたジャンは生まれ変わる決意をし、仮釈放の証明書を破り捨てる……。
 8年後、マドレーヌという名で実業家として成功、市長の職についていたジャンの前にジャベールが現れる。彼は服役時代の監督官であり、マドレーヌの身元に疑念を抱くようになる。そんな中、ジャンの工場で働く女工の一人ファンテーヌが女工同士の喧嘩が元で工場を首になる。ファンテーヌは幼い娘を知人に預け、出稼ぎに来ていたのだった。仕事を失い路頭に迷ったファンテーヌはやがて娼婦に身を落とす。ジャンは窮地に陥ったファンテーヌを救い出し、死の床についたファンテーヌに一人娘コゼットを自分が必ず護ると約束をする。
 ジャンを拘束するためにファンテーヌの臨終の場にまで現れたジャベールの追撃を振り切り、ジャンは逃走。強欲な宿屋テナルディエ夫妻に預けられていたコゼットを救い出し、共にパリの街中へと姿をくらます……。

 全部書いていたらとんでもない話になるので、とりあえず前半のストーリーをざっと説明いたしました(笑)。まだまだこれからが大変な事になっていくのでございますよ。

 まず、一言。良い!

 舞台レミゼおたくの私が言うのだから間違いありません。舞台と同様に全編歌と音楽とで話が展開し、舞台での感動シーンを取りこぼすことなく、さらには舞台では言葉足らずになっていたシーンやさらっと流していた登場人物の背景をきっちり、そして違和感なく取り入れています。そのおかげで舞台では力技で展開していたストーリをとても滑らかに運ぶことに成功していて、かつ登場人物たちの心理描写が丁寧にされていて、舞台以上に胸に迫る内容になりました。
 また映像での表現により、歌っている俳優さん達の芝居をよりリアルに感じさせてくれます。ミュージカル映画によくある「歌だけアフレコ」ではなく、実際に歌っているところを撮影しているそうですが、本当に芝居が素晴らしいのです。そんでもって号泣しながら歌う事で、観ているこちらにもその切なさ・悲しさがリアルな感情の三倍くらいの浸透力で心にしみてきます。しかし、なんですね、号泣しながらよく歌えるなぁ……。歌の合間で息を整えるのも大変だけど、なんであんなにボロボロに泣きながら音程が保てるのか……。ミュージカル俳優って、すごいね。

 とにかく泣き倒します(笑)。舞台でもバスタオルが必要なくらい泣くのですが、映画では舞台よりも早い時点で堤防決壊(笑)。2時間30分を超える長丁場ですが、ほとんど泣きっぱなしで、頭が痛くなりました(笑)。

 ちえぞー的映画版泣きポイントはやはりファンテーヌでしょう。舞台ではファンテーヌの描き方は正直淡白です。時間の都合上という事もあるのですが、ファンテーヌが娼婦に身を落とすために要する時間は回り舞台が二周するほどのわずかな時間です。が、映画では本当に丁寧にファンテーヌを描いていました。舞台では「歯を売る」というシーンはないのですが、映画では忠実に、それも相当痛々しい描写でファンテーヌが歯を売るシーンがあります。初めて客を取るシーンも壮絶です……。あれは同じ女として、子を持つ身として、観ていてつらくなりますわ……。
 そして、後半の登場人物であるガブローシュというストリート・チルドレンの最期。彼は舞台でもさんざん泣かせてくれるのですが、映画は死んだ後のワンシーンがたまらんのです。危うく、声を出して号泣するところでした。腹筋がひきつるかと思った。どんなシーンかは……今はまだ伏せておきます。舞台にはないシーンなのでネタばれは申し訳ない。

 ちょっとだけ物足りなかったのは、テナルディエ夫妻の娘エポニーヌの扱いでしょうか。舞台よりやや存在感が薄いです。舞台ではコゼットよりもエポニーヌの方が前に出ているのですが、映画はコゼットを中心に描かれていたように思います。そして、学生リーダーのアンジョルラスももうちょっと見せ場が欲しかったかなぁ……。舞台での存在感ほどではなかったかも。

 とまあ、ざざっと感じた事を書いてみましたが、とにかく声を大にして言いたい! 必見です!! 観てください。泣いてください。劇場に行く時はバスタオルを持参する事をお勧めします。


 そして! レミゼファンに朗報です!!

 今年は新演出の舞台が始まるそうです。大阪は9月からフェスティバルホールにて一カ月間の公演予定だとか。ほほう、梅コマではないのね。25年間梅コマだったのに。これはまた行かねばなりませんな(笑)。


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