兵庫県立はりま姫路総合医療センター循環器内科のBlog

2010年11月1日から当科の活動を公表しています。はり姫が2022年5月に開院してから2年を迎えました。

2011.04.15 神戸心血管治療研究会

2011-04-16 | 報告

4月15日夕方

[循環器疾患における低侵襲治療]というテーマで、

神戸心血管治療研究会が神戸メリケンパーク
オリエンタルホテルで開催されました。

特別講演1:大動脈弁、僧帽弁疾患に対する
 低侵襲治療 TAVIを含めて
榊原記念病院循環器内科副部長CCU室長 桃原哲也先生

特別講演2:心臓血管外科領域における低侵襲
 手術の現状と将来 TEVAR とTAVIに未来を担えるか
大阪大学心臓血管外科准教授 倉谷徹先生

桃原先生からのご発表は

僧帽弁狭窄症へのPTMC症例の中長期成績について
手術回避率 85-80%/15年―20年(年間20例のMSへのPTMCの自験)
特に最終MVA>1.5cm2 を稼げることが長期予後規定

TAVIについては
PARTNER研究(TAVIに関する知見(昨年NEJM 2010 263 1597)
Entry: severe AS(>mean 40mmHg, AVA<0.8cm2, NYHA III-IV 90%)
初期成功(TF/TA) 88-87% 死亡 27-45%, stroke 6-9%
手術不能例でのTAVIと非手術例の検討
1年以内の死亡 (30.7%,50.7%)
主に先日行われたACCでのAVRとTAVIのmoderate ARは
退院時1年後で割合head to headの比較 遠隔期死亡に差はない

という内容でした

続く倉谷先生からのご発表は

TEVAR(大動脈内ステントグラフト挿入術)
対象:AAD type B
そでつきグラフトの開発で上行弓部置換術も可能であること、
周術時期死亡0-16%(stroke 3%)
手術死 30-40%(rupture 20%)であるのでraseonableである成績
合併症としてはマヒ2%、梗塞3%

という内容の講演がありました。

当院からも心臓血管外科、循環器内科医師が講演を
公聴に参りました。
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2011.04.16 退職された淀井先生からコメントをいただきました。

2011-04-16 | 報告
「姫路循環器病センターでの1年間」

4月8日「第13回心不全とペーシング研究会」にて「CRTアップグレード症例の
長期予後についての検討」を発表してきました。他施設の先生方からも
ご指摘を頂き、大変参考となりました。自分にとっては今回が初めてデータ解析を
含めた演題発表で、その難しさを痛感しつつも、非常によい勉強になりました。

このような機会を与えて頂き、またご指導頂き、ありがとうございました。

特別講演では社会保険小倉記念病院の 有田武史先生が、慢性心不全の臨床に
ついて多くの症例提示を含めて講演されました。常に患者さんの話を聞き、
様々な角度から一人一人の患者さんに何が足りないのか、もしくは何が余分で
邪魔しているのかを根気強く探していく姿勢が必要であると述べられ感銘を受けました。

さて、今回の発表をもって1年間の専攻医生活に一旦区切りがつきましたので、
この場をお借りして、感想とお礼を言わせて下さい。

昨年4月、姫路に来た当初は今までやって来たこととの違いに戸惑い、自己嫌悪に
なってみたりしていました。ですが「悩む暇があったら頭や体を動かさなくては」と
やっていくうちに、1日、そして1週間が過ぎ、気づけばあっという間に1年経ちました。

たくさんの様々な年代の患者さんを通じて、本当に多くのことを学ばせて頂きましたし
、循環器診療に対する熱い志をもったスタッフの皆様、同期、後輩にめぐまれ、内容の
濃い1年だったと実感しています。

中には自分だけではどうにもならない難しいケースもあり、その都度の上級医の先生、
コメディカルの皆様、通りすがりの先生達をつかまえては患者さんの相談に乗って
いただき、助けて頂きました。ただ、相談癖がつきすぎたと反省もしております。
これからは姫路で学んだことをしっかり整理をして生かしていきたいと思っています。

~これから先の研修病院を考えている先生方へ~

もし迷っていらっしゃったら、ぜひ一度見学に来てみてください。
自分の目標とする循環器の診療分野が決まっている先生も、幅広く循環器に携わりたいと
考えていらっしゃる先生も、きっとそれぞれの先生にとって、またとない経験が得られる
場所だと思います。

長くなりましたが、本当にありがとうございました。将来少しでも先生方に近づけるように、
またこの1年間を感謝だけで終わらせずに、今後自分にできる形で還元していけるように、
頑張りたいと思います。

そして今月から週1回RIやエコーなどの検査を担当させて頂くことになりました。
姫路に行けるのを毎週楽しみにしていますので、見かけたら気軽に声をかけてください。
今後ともよろしくお願いいたします。

2011年4月16日
淀井 景子


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