スズメノテッポウ(イネ科・4月15日撮影)
「狐の剃刀とか雀の鉄砲とか、いい加減なことをよく云うぜ」
「なんだ、その植物なら本当にあるんだよ」
「顔が赤いよ」
梶井基次郎作『雪後』
都会育ちだとスズメノテッポウを見たことがない人も居るんでしょうか。
春の田んぼをレンゲと一緒に、絨毯のように埋め尽くすスズメノテッポウ。
これが一斉に漉き込まれると、田植えの準備の始まりです。
細い穂の外側に、粉をまぶしたように見えるのが雄しべの葯。
最初白くてすぐに黄褐色になります。
小さい頃、この葯を集めてままごとの七味にしていました。
昔の人は、断面が丸くてまっすぐで細長い形を、鉄砲の筒に見立てたようですね。
漫画『風の王国』第1巻公開中
ナガミヒナゲシ(ケシ科・4月15日撮影)
以前一度掲載したナガミヒナゲシ。
ようやく見られる写真が撮れたので再度掲載。
ふらふらと風に揺れる上、
このオレンジ色の花弁はハレーションを起こすのか、
ピンボケ写真の山を築いてしまいました。
この日は偶然成功(笑)
漫画『風の王国』第1巻公開中
カラスビシャク(サトイモ科・4月30日撮影)
ウラシマソウを思い出させるサトイモ科の植物。小さな花(?)の形をカラスの柄杓に見立てたもの。これは我が家の築山に生えていました。本当はもっと夏になってから生えるはずのものなので、夏の項目に入れたいんですが、咲いてしまったものは仕方ありません(笑)
仏炎包葉の途中でちょっと段がついたようになっていますが、下半分が雌花、上半分が雄花で、棒のように延びた中軸は雄花の底の部分から出ているようです。雌花のところはたくさんのむかごになり、葉にもむかごが出来たりして、田んぼや畑に入ると非常に厄介な雑草だと図鑑に書いてありました。我が家のもそこそこに引いておいたほうがよさそうです。
根っこの球茎の部分が半夏(ハンゲ)と呼ばれて漢方薬になり、この半夏が生える季節を半夏生と言い、半夏生の季節に白い葉をつけるドクダミ科の植物をハンゲショウと呼ぶ・・・。
ハンゲショウのところで一度調べて書いたんですが、ほんと、ややこしい。
『風の王国』第一巻公開中(第一部の絵はとってもヘタですがめげないで。だんだんマシになります。)
ミツバアケビ(アケビ科・4月24日撮影)
ふと気がつくと裏の畑のそばにミツバアケビのつるが延びて花が咲いていました。いつだったか夫がアケビの実を持って帰ってきて食べた覚えがあります。捨てた生ゴミから生えたんでしょうか。前に掲載した普通のアケビの花は薄紫でしたが、ミツバアケビの花は濃いエンジ色。3枚のがく片を広げたのが雌花、ぶどうの房のように見えるのが雄花。雌花の真ん中の粘りのある柱頭が受粉すると、丸い柱のように見える心皮のところが実になるようです。
秋には実が実るでしょうか。実るといいな。
ミツバアケビの葉
普通のアケビの葉。小葉が5枚。
『風の王国』第一巻公開中(第一部はとってもヘタですがめげないで。だんだんマシになります。)
オニタビラコ(キク科・4月18日撮影)
いつでもどこにでも咲いているオニタビラコ。花と葉が離れていて細長く、草むらで撮ると何を撮ったのか分からない写真ができてしまう。裏庭に芽生えていたのを草引きせずに残しておいて、やっと見られる写真が撮れました。
すぐ横にオニタビラコだと思うのになんとなく様子の違う草が。全体に剛直で赤みが強い。でもやっぱりオニタビラコとしか思えません。ネットで調べるとオニタビラコを青オニタビラコと赤オニタビラコに分けようという説があるとか。こういう違いを言っているんでしょうか。私のような素人には「ざっとオニタビラコ」で充分ですが。(^・^)
花の茎が伸びると間延びして、ちょっと別の花に見えたりします。
『風の王国』第一巻公開中(第一部はとってもヘタですがめげないで。だんだんマシになります。)
ハナヌカススキ(イネ科・ヌカススキ属・5月16日撮影)
未使用画像のフォルダにイネ科の写真が溜まっていきます。こまかく、細くて、わずかな風に揺れ、ピントが合わせにくい。撮れていても背景にまぎれてしまう。なんとか使える写真が撮れても名前が同定できない。頭痛のタネです。
これも2年越しで気になっていたもの。どうやらハナヌカススキですね。よく似たヌカススキはノギが二本ですが、これは一本なのでハナヌカススキで間違いないと思います。
春、やや湿ったコケの間から針のように細い繊細な葉が伸びてきます。株が横に張らないので、つまんで真上に引っ張るとすっと抜けて気持ちが良い。ちょっとやみつきになってもう一本もう一本とハマってしまいますが、コケにすだれを乗せたように生えている針のような株を一本ずつ抜くしか手がないというのは、かなり気の遠くなる話で、そこではじめてこいつは手強いと気付くわけです。
いいかげんあきらめた頃に繊細な穂が出て微細な小穂がつきます。新鮮な緑をバックにした白い穂はイネ科には珍しく素直に“きれい!”と思える姿で、山のようなピンボケ写真を撮らせるわけです。
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