消費増税や厚生年金保険料の引き上げなどで、家計の負担が重くなる。特に比較的所得の高いサラリーマンには、給与所得控除の縮小や高校授業料無償化の打ち切りなどの負担増も重なる。一定の負担増は避けられない面があるとはいえ、子育て世帯など支出の多い世帯が財布のヒモを締めれば、消費に下押し圧力がかかる。(石川潤)
年収500万円の家計では毎年、家族旅行1回分(31.2万円)、年収1500万円なら軽自動車1台分(75.5万円)――。家計の負担増が本格化した2011年から16年までに、収入から税金や社会保険料などを差し引いた「実質可処分所得」がどれだけ減るかを調べると、こんな結果が出た。
大和総研の試算によると、年収500万円で働き手1人、子ども2人(3歳以上中学生以下)の世帯の場合、可処分所得は11年の434万円から16年は403万円に減少する。今年4月と来年10月に予定される消費増税の影響が半分程度で、残りは厚生年金保険料の増加や住民税の年少扶養控除廃止などの影響だ。
高所得の会社員の負担は一段と重くなる。年収1500万円では、年少扶養控除の廃止に加え、子ども(児童)手当が減った影響もあり、可処分所得が1082万円から1007万円に落ちる。
家計の負担増が止まらない背景には、家計にはまだ余力があるという財務省の見立てがある。主要国の所得課税の負担額を比べると、年収500万円の家計(夫婦子2人)で日本は19.6万円と、米国の52.2万円、ドイツの60.8万円と比べ小さい。
政府・与党は昨年末の14年度税制改正大綱で、課税対象を減らせる「給与所得控除」を、年収1200万円超は16年から、1千万円超は17年から縮小することを決めた。負担増は年収1500万円で11万円程度になる。
日本は給与所得控除が他の主要国と比べて大きいため、徐々に控除額を減らしていくというのが政府の説明だ。ただ、人数が多い中低所得層の控除を減らすと反発が強いため政治家が敬遠。人数が少ない高所得の会社員にだけ負担を求めたといえなくもない。
高校授業料の無償化では、年収910万円という年収制限を導入する一方で、浮いたお金は低所得者向けの返さなくてよい奨学金などに回すことになった。消費税負担を重く感じやすい低所得者への配慮は当然だが、取りやすいところから取るやり方を続ければ、税負担にゆがみが生じる。
年収500万円の家計では毎年、家族旅行1回分(31.2万円)、年収1500万円なら軽自動車1台分(75.5万円)――。家計の負担増が本格化した2011年から16年までに、収入から税金や社会保険料などを差し引いた「実質可処分所得」がどれだけ減るかを調べると、こんな結果が出た。
大和総研の試算によると、年収500万円で働き手1人、子ども2人(3歳以上中学生以下)の世帯の場合、可処分所得は11年の434万円から16年は403万円に減少する。今年4月と来年10月に予定される消費増税の影響が半分程度で、残りは厚生年金保険料の増加や住民税の年少扶養控除廃止などの影響だ。
高所得の会社員の負担は一段と重くなる。年収1500万円では、年少扶養控除の廃止に加え、子ども(児童)手当が減った影響もあり、可処分所得が1082万円から1007万円に落ちる。
家計の負担増が止まらない背景には、家計にはまだ余力があるという財務省の見立てがある。主要国の所得課税の負担額を比べると、年収500万円の家計(夫婦子2人)で日本は19.6万円と、米国の52.2万円、ドイツの60.8万円と比べ小さい。
政府・与党は昨年末の14年度税制改正大綱で、課税対象を減らせる「給与所得控除」を、年収1200万円超は16年から、1千万円超は17年から縮小することを決めた。負担増は年収1500万円で11万円程度になる。
日本は給与所得控除が他の主要国と比べて大きいため、徐々に控除額を減らしていくというのが政府の説明だ。ただ、人数が多い中低所得層の控除を減らすと反発が強いため政治家が敬遠。人数が少ない高所得の会社員にだけ負担を求めたといえなくもない。
高校授業料の無償化では、年収910万円という年収制限を導入する一方で、浮いたお金は低所得者向けの返さなくてよい奨学金などに回すことになった。消費税負担を重く感じやすい低所得者への配慮は当然だが、取りやすいところから取るやり方を続ければ、税負担にゆがみが生じる。
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